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 目を開ければ、そこは。

「前から思ってたんだけど、あいつ鈍過ぎじゃないの?」

「おー、そーだよな。それはあるよな。色んな意味で」

「……何を言うかと思えば。私はもう何年もあの人に悩まされているんですよ」

 こっそりと目を開ければ、女の人が三人、いた。と言うか、いつもの三人である。何か話しているが、どことなく愚痴っぽい。そして何故か、目覚めてはいけないのだと感じた。この会話を聞いてもいけないのだと思った。三人寄れば文殊の知恵だと聞くが、女性が三人もいれば、特にあの三人なら単に姦しいだけだと思う。

 もうちょっとだけ、眠ろう。



 目を開ければ、そこは。

「そーいや、今度はあいつ雷で死んだんだっけ。いやー、実はさ、派手に死ぬならどんなのが良いかって聞かれて、雷に打たれたら面白いって言っちゃってよー。まさかあいつがあそこまでエンターテイナーだったとは。うんうん、オレはいま猛烈に愉快だぜ。愉快愉快気分はハレハレってか、ぎゃっはっはっはっ」

「……地震に雷。次は火事と親父ですか」

「ああ、親父って、あの親父とは違うらしいわよ。確か、台風の事を言ってたんだって。大きな山の風、おおやまじがおやじに訛ったんだって」

 へえ、流石明石さん、博学である。

「……最近じゃ親父でも間違ってはないと思いますけどね」

「おー、そーだよなー、だよなー。いや、最近は自分の親や子に殺されてこっちに来る奴も増えてんだよ。いやー怖いね家庭の崩壊ってのは。なんだろーなー、不景気が心まで冷たくさせちまうのかな」

 と言うか、いつまで喋ってるのかな。

「じゃ、次はあいつ火事で死ぬわね」

 おい。おい明石。明石つみき。

「……先輩の事だから、火事で逃げ遅れた子供を助けに行って死ぬパターンは天地がひっくり返っても有り得ませんね」

 おい。おい七篠。七篠歩。

「オレは、歩き煙草が手に当たって、びっくりして道路に飛び出して車に轢かれちまうパターンだと思うぜ」

 てめえこら死神。

 うわー、もう怖い。怖いよう。早く向こうに帰してよう。



 目を開ければ、今は。

 目覚まし時計の鳴る五分前に目が覚める、いつもの時間だ。いつもの、僕の部屋だ。

 ゆっくりと身を起こし、布団を跳ね除けベッドから立ち上がる。

 さて、始めよう。



 八時十分。

 ニュース番組を流し見てから、僕は家中の戸締りを確認して家を出た。途中、車を二回避けて、植木鉢を避けながら学校に辿り着く。

 が、今回も玄関には向かわなかった。

 向かうのは、この学校の駐車場である。そんでもって、前と同じく事は運ぶ。



 だが。

「ねえ、あんたさ、私の事無視しようとしてない?」

 五時間目が終わった休み時間、遂に尻尾を捕まえられてしまう。

「……してないよ」

 僕は今まで通りには、明石さんたちとは接しようとは思わなかった。だってさあ、何かこう、さあ。

「嘘。してるわ。絶対」

 しつこいなあ。

「してないって。と言うか、話し掛けないでくれるかな。某細山君が睨んでる」

「睨んでないわよ」

「睨んでるって。お願いだから意味もなく話し掛けてこないでよ」

「あー、あー、そう、そうなんだ。ふーん、へえー」

 少し言い過ぎてしまっただろうか。いや、ここで甘やかすから付け上がるのである。特に明石さんは僕に対してイニシアチブを握ってないと落ち着かないって感じがするし、チャレンジャー同士もっと対等でいなきゃいけないよな。

「だったら、見せ付けてやろうかしら」

 なんか、寒くなってきた。

「あいつが怖いんだ。だから、私と話したくないのね」

「……そうだって、前から言ってるじゃないか」

「じゃあ、抱き付いても良い?」

「頭おかしい」

 突っ込みもぞんざいになってしまうくらい意味が分からない。やばい、この人を放っておいたら何をしでかすか本当に分からないぞ。

「頬擦りして良い?」

「無理。絶対無理」

「だったら理由を答えなさい。どうして、私を無視しているのかしら?」

 正直に答えるか、嘘を吐くか、それともこのスタンスを突き通すか。

 正直に答えたら死後の世界での会話を盗み聞きしてたってばれる。

 嘘を吐けば、多分見抜かれる。なんせ他人を騙す事にかけては明石さんに一日の長があるのだ。

 そしてこのスタンスを突き通せば、間違いなく僕は細山君に殺される。

 なんだ、選択肢なんてないじゃないか。泣けてくる。

「えーと、実は……」



 七時間目の途中、僕はまだ痛む脛を摩った。いや、ローキック一発で済んだと喜ぶべきなのだろうか。と言うか、何か悪い事をしたのかなあ、僕。

「理不尽な……」

「え、李夫人? 誰よそれ?」

 独り言に明石さんが反応した。地獄耳である。しかし、彼女は七時間目になると居眠りをし始めるので、ちょくちょく的外れな発言が飛び出すのだ。

「僕が聞きたいよ」

「ふーん……すー」

 寝付き良いなあ。寝てても成績は良いんだもんなあ。良いなあ、羨ましい。

 さて、この後はどうしよう。七篠の練習を見に行ったら僕死んじゃいそうだし。明石さんとどこかに出掛けても死んじゃいそう。やっぱり家に帰るのが一番安全だな。

 良し、決まったぞ。今回は一目散に家に帰る!



 筈、だったんだけどなあ。

「……どうしたんですか先輩、いつにも増して顔が、あ、顔色が悪いですよ」

「いつもと変わんない間抜け面じゃないの」

 どうして、こうなってしまうんだろう。

 地震と雷をやり過ごした後、僕は今、明石さんと七篠と、三人で一緒に帰っている。僕の、家までだ。これがどんなに恐ろしい事か分かるだろうか。もしも、知り合いにばれたりしたら。

「いつまでビビってんのよ。あんたの家までは学校からすぐじゃない」

 全部君のせいなんだけど。僕と七篠には知り合いなんか殆どいないけど、明石さんは異常に顔が広いのである。もし、もしも誰かに家に入る現場を見られていたりしたら、ああああ、考えるだけで死にたくなってきた。

「……明石先輩が付いてくる必要はないと思いますが」

「あら、そう?」

 いや、二人とも必要ない。

「ねえ、二人とももうちょっと離れて歩いてよ」

「はあ? あんた誰に口利いてんのよ? もしかして私? 私に近寄るな、このブスって言ってる訳?」

 そこまで言ってない。

「……先輩、照れなくても良いんですよ。ほら、腕を組みましょう。こうすれば恥かしくない、でしょ?」

「やめてくれ」

「やーめーまーせーんー」

 うわあ、もう誰だよコレ。僕の知ってる七篠はこんな事言わない! こんな事しない!

「だから、変な事はしないでってば。僕は明日からも普通に暮らしたいんだよ」

「……分かりました。普通に暮らしましょう。二人で」

 駄目だ。色々と。

 と、僕の家まで後少しといったところで大きな声が聞こえてくる。どうやら、近くの家の中からのようだけど。

「……争っているようですね。男と女、痴情のもつれでしょうか」

「ただの夫婦喧嘩じゃないの?」

 うーん、窓全開だから声が丸聞こえだよ。恥かしいと思えないのかな。

「聞いてて気持ちの良いものじゃないよ。行こう」

「えー? もうちょっとだけ良いじゃない。火事と喧嘩は江戸の華、愉しくてしょうがないっつーの」

 意味が違う気がする。まあ、見物って意味じゃあ同じかもしれないけど。

『やめろって!』

『あんな若い子に熱を上げてあんたって人は!』

『しょうがねえだろ柔らかいんだから!』

『柔らかいって何がよ!』

『おぎゃーー!』

 最後の叫びは男の人のもので、赤ちゃんの泣き声ではなかった。どんな事をされれば幼児に退行するんだろう。

「……しかし醜いですね。私なら先輩にあんな思いさせません。浮気は男の甲斐性ですから。血を見るのは相手の女だけにします、ねっ?」

 ねっ、じゃないよ。無駄に爽やかな笑顔はやめてくれ、夢に出てきそうだ。

「いやー、男の方良い声ねー。私の嗜虐心が悲鳴を上げてるわ。俺にもやらせろって」

 明石さんったら一人称が変わるくらい興奮してるんだな、やれやれ。帰りたい。

「もう行こうよ」

 仕方ないので、いや、これは好都合だと僕は二人を置いて歩きだす。

 と、後ろから悲鳴が聞こえてきた。喧嘩している夫婦のものじゃない。明石さんのだ。

「伏せてっ!」

 は? 何の事かさっぱり、だけど嫌な予感だけはしている。それももうハッキリと。

「っと!」

 頭を下げると、その真上を何かが横切っていく気配を感じる。そして、熱い。頭が熱い。振り向くと気配の正体に気が付いた。えーと、アイロン、である。壁にぶつかって部品が外れていたりしてるけど、しゅーしゅー湯気が立っているマシーンは見間違える筈がない。

「……嘘、でしょ」

 いや、自分の目で見たものを、それだけを信じろ。飛んできたのは、アイロンだ。どうやら夫婦喧嘩のとばっちりを受けずに済んだらしい。

「……先輩、大丈夫ですか?」

「何とかね」

 駆け寄ってきた七篠に答えるも、僕の足は今更になって震えていた。

「ああ、なるほど、これが火事だったのね。助かって良かったじゃない」

「火事、ねえ」

 まあ、アイロンも火と言えば火か。こうまで熱されてたら触れると確実に火傷ものである。しかし、何だか安っぽい。

「……次はおやじ、風ですか」

「驚かすなよ」

 恐ろしい。さっさと家に帰ろう、疾きこと風の如くだ。

「でも、火ならまだしも風で死ぬかしら? 地震雷はガチだったけど、火事はスケール小さかったし」

「台風が来るとか?」

 自分で言ってて馬鹿らしくなる。天気予報は見てきたが、台風のたの字も出てこなかった。突然の雨は仕方ないとして、巨大なものがいきなり現われるなんて有り得ないだろう。空から女の子が降ってきたり、何の取り柄もない男の子が女の子に囲まれたり、実はこんな力がありましたってなぐらい有り得ないだろう。

「……風、吹いてきましたね」

 七篠め、不吉な事を。

 風が吹いてきたのは確かだけど、これくらいじゃ何も起こるまい。

「強くなってきたわね」

 確かに。目を開けていられない、まではいかないが、勢いのある風に変わってきた。

「……木の枝が」

 僕らの脇をすり抜けていく。どこかの枝が、風で折れてしまったのだろうか。家まであと少し。何もなければ良いのだけど。

「うわっ」

 足を踏み出した瞬間、目を開けていられないほどの風が吹いてきた。と言うか、歩き辛い。

「あいたぁっ!」

 カンッ。甲高い音が響く。薄目を開けてみると、明石さんが額を押さえて蹲っていた。

「……空き缶に当たるとは。よっぽど良い行いをしてきたんでしょうね、ふはははは」

 そう言う七篠さんは強風のせいで足がよたよたである。今にも転んでしまいそうな、あ、言ってる傍から転んだ。

「あーはっはっはっ、すっ転びあそばせやがって大丈夫かしらー!? 七篠さんたら小豆みたいに小さくて、かいわれみたいに華奢だから羨ましいわー!」

「今のは転んだんじゃありません! 先輩が見たがっていたからパンツを見せてあげたんです!」

 見たがってないよ!

「ほらっ、とっくりとご覧なさい先輩っ、この変態っ!」

「変態はお前だ! 良いから立ってそいつを隠せ!」

「えっ? 良いもの見たから勃ったぜ、そのパンツを俺の頭に被せ! ですって? せっ、先輩の変態変態変態!」

 風が強くて何も聞こえない。路上でコントやってる場合じゃないぞ。

「ん……?」

 何か、向こうから来るな。いや、飛んで、来る……?

「……先輩、やばいです」

「何が来るんだよ」

 立ち上がった七篠の顔色は悪い。僕の視力では接近する物体にはまだ届かないが、彼女の目はそれを捉えたらしい。

「……看板、です。ゴルフ場の」

 看板だって? う、うわ、飛んできてる。看板が飛んできてる! アレに当たっちゃただじゃ済まない。あの重さ、あの早さ、殆ど凶器と変わらないじゃないか。とにかく端に寄ろう。そう思ったのだけど、一際強い風が吹き荒れる。

 僕は体格に恵まれていないし、同年代の男子の中でも華奢な方だ。だから、足がふらついた。踏み止まろうとしている間に、看板は追い風で加速している。僕の首元を目掛けて飛んでくる。

 まずい、死ぬ。

「……先輩しゃがんで!」

 七篠! とにかく、僕は言われた通りにしゃがみ込んだ。これでやり過ごせる。声を掛けてくれた七篠に感謝しなきゃ。

「まだ終わってないわ!」

「……え」

 顔を上げると、目の前にある看板が向きを変えていた。横から、縦に。面積は広がり、間違いなくぶち当たる。大味なシューティングゲームでもこうはいかないだろう。でかくなるなんて、そんなのってないよ。

 また、死んじゃうのか。地震、雷、火事、おやじ。ああ、次はなんだろう。もう地球滅んじゃえ。

「まだっ」

「ぐえっ」

 良い感じで絶望に打ち拉がれていると、頭を思い切り踏まれた。このパンツ、踏んだのはどうやら七篠のようである。

 何をするのかと思えば、彼女は僕の頭を踏み台にして足を高く上げている。いや、違う、看板を蹴り上げている! サッカーで言うところのオーバーヘッドキックに似たモーションだ。看板は軌道を変えられ、僕らの真後ろに飛んでいく。あっという間の出来事に状況を把握出来ていない、出来ていない、が。

 助かった、のか?

「……怪我はないですか?」

「あ、ああ」

 七篠はさっきまで頼りなかったのに、今は向かい風にも負けずしっかりと両足を地に着けている。見事な着地だ。見習おうとは思わない。

「ナイスキック、なのかな?」

「……ゴールは先輩の胸に。恋のハットトリック達成ですね」

 こんな台詞聞かされるなら死んだ方がマシだった。



 家の前に着くとやっと帰ってきたんだなと、しみじみ思う。ここまで長かった。こんなに早くここまで来れるとは思っていなかった。どれもこれも、一人では無理な、理不尽なフラグ。皆がいてくれたから出来たんだ。

「相変わらず小さい家ね。あんたって一人っ子? 両親共働きなんだっけ? ふーん、月収が二人合わせて六、七十……ローンはまだ残っていると見た。うーん、だったらそこそこは溜め込んでるのかしら」

「……ああ、先輩の匂いがする……」

 とりあえず二人とも帰ってくれないかな。玄関先にすら上げたくないんだけど。

「ここまで来ちゃったから入れてあげるけど、家の中勝手にうろついたりしないでよ」

「分かってるわよ、良いから開けなさいってば」

「……先輩、私にはお構いなく。牛乳とバームクーヘンで」

「じゃ私はこの家で一番高い飲み物と食べ物」

 心底気が進まない。いまだかつて家の鍵を重いと感じた事はなかった。

「お茶ぐらい出すけど、わがままは言わないでよ」

 ここにいても仕方ないよな。息を吐いて、諦めて鍵を開ける。

「ん?」

「どうしたの? 早く開けなさいよ」

 いや、ノブは回ったから鍵は開いているのだけど、やけに重たい。

「どんだけ非力なのよあんた。非力アピールなんて今時の馬鹿女だってしないわよ。自分ちのドア開かないなんて、あんたお姫さまにでもなったつもり?」

 お姫さまでも自分でドアくらい開けられると思う。

「何か、中から押さえられているような……」

 蟻の出入りするくらいの隙間は出来たけど、本当に開かない。こんな隙間じゃあ何が起こっているのか確かめられないし。

「……押して駄目ならもっと押してみましょうか。少し開いたって事は全く開かないって事ではなさそうです」

「じゃあ、あとは頼むよ」

「……私、一人で? 先輩、こういうのは協力プレイでいきましょうよ」

 もう腕が痛いくらい疲れた。

「七篠の方が力あるんだし、お願いするよ」

「……あ、私急に立ちくらみが」

「今更病弱な振りしても無駄だからな。中学校まで皆勤賞を逃した事のない健康体だろ」

「パワープレイを後輩の女の子に頼むとは……鬼畜の所業ですよ」

 同年代の女の子は手伝う気さらさらなさそうだからなあ。

「家に入れなきゃどうしようもないじゃないか。頼むよ、バームクーヘンなら用意するから」

「……分かりました。ですが私は食べ物に釣られた訳ではありません。先輩の心意気に釣られたんです」

 分かった分かった、昔っから好きだもんな、バームクーヘン。

「じゃ、よろしく」

「お任せを」

 頑張れ。僕はすぐ傍で七篠を眺める事にする。

「くっ、やはり重いですね」

「頑張れー」

 おお、隙間が徐々に広がっていく。

「……う、く、腕が」

「いけるいける! 七篠お前ならいけるって!」

「腕の一本や二本なくなっても大丈夫だから」

「大丈夫じゃありませんっ、私はアシュラマンじゃないんです」

 アシュラマンでも腕がなくなったら困ると思うけど。

「もっと力を出すんだ!」

「そうっ、体の奥にあるエナジーを解き放って!」

 無責任に煽る僕と明石さん。

「……ち、力を」

「そうだ、力だっ」

「パワーよ!」

 でも七篠は思うところがあったらしく乗ってきた。単純な奴め。

「……力、力をー!」

 ドアが少しずつ開き始めた。お、おお、もうちょっと。

「力、パワー、力、パワー……」

「あと少しだ、頑張れ七篠!」

「七篠! 七篠!」

「ちっ、力こそパワー!」

 ばあん! ドアが開いた!

 どおん! 中から何か降ってきた!

「わああああ!?」 七篠が押し潰された!

 って、やばくない?

「七篠さん動かないわね」

「どうしよう、助けた方が良いのかな?」

 倒れてきた棚やら靴箱から考えてみるに、どうやら地震の影響が我が家にも打撃を与えていた訳である。ドアを向こう側から押さえていたのは家具だったのか。

「あ、血が」

 助けたいのは山々だけど、もし凄い事になってたらどうしよう。やっぱり見るのが恐い。

「とりあえず、退かそうか」

「そ、そうね」

 しかし、予想通りと言うかお約束と言うか鉄板と言うのか、体から力が抜けていく。だるい、しんどい。意識が薄れていく。やはり、七篠は死んでしまったのだ。つまり、チャレンジは失敗に終わったのである。

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