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プレイヤー二十人でお送りする、異世界デスゲーム  作者: PKT
それぞれの初日
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飯島春斗の初日

 雑踏の中で飯島春斗は焦っていた。化身に転移させられた、帝国の市街の一つで早速他の代表者(プレイヤー)と出会ってしまったのだ。

 正確には、まだ誰かまでは分からない。第一、彼は他のプレイヤーの素性も顔も知らないのだから。

 それでも、プレイヤーと出会ったとわかるのは、プレイヤー全員が化身から与えられた指輪の効力の賜物だ。この指輪は宝石らしき輝く石を中央にあしらったシンプルなもので、宝石部分を押すことで自身のスキルや残りのプレイヤーの人数を表示できる優れものだ。

 指輪にはもう一つの効果があり、他のプレイヤーが近づくとその距離に応じて指輪自体が発熱するという機能がある。感知範囲は五百メートル程だが、ギリギリの距離だと人肌程の温度にもならない。注意していなければ、指輪の発熱に気がつくのは、人肌前後の温度となる三百メートルあたりからだろう。


 そして今、ハルトの指輪は体感で40℃程度の熱を発していた。かなりの至近である。しかも、それが離れなかった。ハルトを尾行しているのは間違いない。

 ハルトも、周囲を見回して怪しい挙動をしている者がいないかを観察しているが、今のところ相手は尻尾を見せていない。言うまでもなく不利な状況だ。


 考えた末、ハルトは人通りの少ない裏路地へと進路を変えた。

 雑踏から離れることで、視界に入る人間を絞って相手を特定しようという腹だ。もし、それを嫌って退いてくれるならそれでいいし、なお来るなら迎え撃つだけだ。危険は承知の上である。


 覚悟の上で人気のない方へと進んでいくが、敵が襲ってくる気配はない。しかし、指輪の熱は冷める気配がない。

 意を決して振り返ってみるが、誰もいない。

 一瞬呆けたハルトは、背後から迫る気配に気がつかなかった。

 その何者かは首筋に手刀を見舞い、ハルトの意識を奪い去った。


 その後、ハルトが意識を取り戻すことは二度となかった・・・。


 

≪残り19名≫

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