悪夢 ~序章~
「ピーンポーン」
そんなインターホンの音が鳴り響く、
私はドアを開けた
外には二人友達がいた
その友達の片方が言う……
「いきなり来てごめん、で、提案なんだけど、一緒に遊園地行かない?」
××××
私は篠崎 鏡子、職業は学生
今はトラックに揺られて都会に来ている
理由は自ずとわかりそうなものだと思うけれど、あえて言うなら私がこれから通う学校が都会にあるからだ
ね!普通でしょ
まあ、そんなことはどうでもいいの
なぜって?
さっき話した学校がどうのこうのって言うのはあくまで表の理由……本当の理由は、友達が……
ある遊園地で死んでしまった事件からだ
そこから、色々あって……私はその恐怖に耐えられなかった
そう、いながらも少し過去の苦しい記憶がよみがえる。
時は遡ること1年前
私は友達の誘いで近くの「裏野ドリームランド」という遊園地に私は卒業祝いで行った
あそこは、その日から数えて、次の週で閉園になってしまうからだ
理由は、設備の老朽化が激しく、整備が追い付かず、人気もそんなにないためお金がないからだそうだ
と、思わず要らぬ説明を挟んでしまったが、はじめに話したように友達と行ったのだ
その友達はわたしを入れず二人
一人目は、崎野成美
髪は、茶色で、少しウェーブがかかっていて
見た目は落ち着いていそうなのに、中身は以外と強気で嫉妬深い、(たまにヤンキーぽい)
彼女は保育園からの友達でいつも気づけば隣にいた存在で彼女のことならなんでも答えられる気がする
もう一人は、安原美緒
髪は黒でストレートで持ち物に必ず本が入っている、こちらは見た目通りで、落ち着いていて口調もおっとり、(癒し系)
特徴は……いじると顔を真っ赤にして面白い
まぁ、そんなところだろうか
そんな二人を少しはやく着いた私は遊園地で待っていた
××××
「お待たせ~ちょっと遅かったかな」
待っていたわたしに声をかける成美、その横には美緒が恥ずかしそうに顔を隠しながら立っていた
それを確認して私は掛け声をかける
「んじゃ、みんな集まったし遊園地行きますか」
その後、遊園地に入りアトラクションを楽しむ
はじめに、メリーゴーランド
「成美楽しい?」
そう、私は成美に声をかけると
「ん~微妙」
そんな、平坦な声がかえってくる、見た目とは違いアクティブな彼女にはメリーゴーランドは遅く感じるのだろう
それに比べて……
私は美緒の方に視線を向ける
「まっ……待って、止まってお馬さ~ん」
彼女は足をプルプルさせ馬にしがみついている
あ~これぞ女子!癒される~
※彼女にはユリ趣味はありません
「……」
だんまり
「おい鏡子、大丈夫か」
そんな声に成美を見ると少しあきれ顔でこちらを見ていた、ついでに周りを見渡す、どうやら、もうすぐ終わりらしい
次に観覧車
「うお~高っけ!」
成美はテンションが上がったのか観覧車の中で立って周りを見渡している
(楽しそうだな~それに比べて……)
「たっ高いわ~」
おーい、美緒、顔が引きつってるぞ
楽しもうとしているのは分かるが、なんと言うか"不憫"
そんな感じで、私たちは遊園地を楽しんでいた
そして、最後のアトラクションに差し掛かろうとしていた
「は~楽しいな!、でも、まだ足りん」
成美がそう呟く
それに私と美緒は苦笑しながらも返答する
「じゃあ最後に何か乗る?」
「じゃあ……ジェットコースター!」
そう、手を空に突き上げ言う
それに美緒は
「ジェ、ジェットコースター無理です~」
そう、目をつぶりながら言う
(可愛い)
そう思う矢先に成美が言う
「じゃあ、美緒は下で見てて、鏡子一緒に乗ろうぜ」
私はそんな元気あるのか……と少々呆れながらも
「わかったよ、美緒大丈夫だから、下にいて」
そうとだけ告げ、私と成美はジェットコースターに乗った
「カタカタカタカタ……」
ゆっくりながらも着実に高度を上げていくジェットコースター
「は~、楽しみだな」
成美は愉しそうに呟く
そんな呟きから数秒、ジェットコースターは降下の体制に入り
「キャーー」
落ちる、すごい速度を出す乗り物はカーブを曲がろうとして……
「えっ……」
「ガコン、ガンッ!」
すごい勢いで
脱線し
地面に突っ込んだ
さっきの嬉々とした叫びとは違い、耳をつんざくような悲鳴が上がる
私も外には放り出され体は動かず鈍い痛みが体を覆う、腕から肘にかけては擦りき血だらけ、口の中もクチャクチャと血と唾液が混ざり合い気持ち悪い、そんな、状態の中、唯一動かせる首を動かし周りを見ると……
それ(・・)は私の真横にあった
受け入れがたい現実に目を見開き、掠れた声で呟く
「なる……み…」
「いや……嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌嫌っ!」
「成美……ねぇ、成美っ起きて!」
そんな声に、瞬きもしないそれ
私の目の前にはあったのは
胸を鉄骨が貫き、肘はあらぬ方向に曲がり、無惨な姿で横たわる成美の死体だった
「やだ……こんなのって……」
ショックのあまり目を瞑った私はそのまま意識を失った