魔剣の存在意義と旅の始まり。 そのよん
なんと、ルシアは傲慢を司る大罪人だった。
あぁ、なんとつまらない物語、ありきたりすぎる。
つまらない、しかし、物語は先へと進む、私の意志には関わらず進みゆくのです。
『信じられませんわ、こんなにもあっさりと大罪人を見つけることができるなんて…』
「アーサーだって大罪人だぞ、アイツは憤怒を司る大罪人、確かサタン・アーサーエクスって名前だったはずだ」
『なんか語呂が悪い気がしますわね』
「そういう名前なんだよ、昔っからアイツはキレやすくてな、それが面白くってよく語呂の悪い名前をからかって遊んでたっけ…」
『短気なんですのねアーサー様…それに比べ、ランスロット様の正義感の強さとそのお心の広さときたら、比べ物になりませんわね』
「アーサーはほっといて、とりあえず近い奴から会いにいくか、じゃああいつかな」
『旅に出るのでしたら魔物も出るでしょう?魔物が出たら私も戦いますわ』
「お前戦えるのか?」
『勿論ですわ、武術はアーサー様から身を守るために身につけておけと言われ、アーサー様から学んだ故に、様々な武器を一通り使いこなせる筈ですわ、来ならば大剣を用いて戦うのが私の主流なのですが、今はアーサー様から大剣道の免許皆伝をした時に貰ったカルンウェナンという短剣しかありませんが充分戦えますわ』
へぇ、戦えるんですねぇあのお姫様。
しかし、アーサー様は何を考えて大剣使いに短剣を授けたのでしょうか。
謎ですね。
「じゃあ戦いは全部お前に任せていいんだな?」
『ええ、このあたりの魔物など敵ではありませんわ!』
「じゃあ妖精の泉に行くぞ~」
『え…』
「強いらしいからな~問題ないよな~」
『せ、せめて援護くらいしてくれませんの?』
「多少なら魔法の知恵もあるからな、手助けしてやれないこともない」
『援護は任せましたわ…』
「じゃあスクロール使うから一旦封印解くぞ」
首飾りがぽうっと怪しげな光を放つ。
その面妖な光がある程度まで明るくなるとルシファーはぽつりぽつりと呟きだす。
「彼の者を封印より解き放て!」
カッ、と光を放ったあと緩やかな風に包まれて現れたグィネヴィアはおどろおどろしい形相をしていたがルシアは全く気にせず無視する。
「さぁ、いくぞ…スクロール転移!妖精の泉へ!」