魔剣の存在意義と旅の始まり。 そのさん
「彼の者を、我が首飾りに封印せよ」
「きゃあ!」
光に包まれて消えてしまうブリテンの姫グィネヴィア。
光は収束し、ルシアの首飾りに飲み込まれる。
たったこれだけの流れで、彼女を隠すと後は簡単、そのまま、ランスロットを迎え入れても、グィネヴィアへはまだ何一つとしてもてなしをしていなかった為、誰もいなかったかのような構図が生まれたのだ。
ネタばらしはこの辺にして、また物語が動き出したようだ。
「もうよろしいので?」
「ええ、疑ってしまい申し訳ない、何かあれば連絡をして頂ければ幸いです、それでは、またいつか会いましょう! 」
「ええ、そうですね、ではまたいつか」
会えればの話ですがね。
おや、また何か動きがあるみたいですね。
なんでしょうか。
「聴こえているなグィネヴィア、どうやらお前を探しているやつがわんさかいるらしい」
『どうやらその様ですわね…でしたら私はまだこのままでいた方がよろしいのでしょうか?』
「お前次第だけど?別に俺には関係ないからな、お前はそのブリテンの闇だっけ?どうしたいんだよ」
『私はブリテンの闇を公表したいのです、そしてブリテンを…正しい道へと戻したいのです』
「おーおーそれはそれはご大層な目標で、んで、それを一人でやるつもりなのか?」
まぁ、まず無理でしょうねぇ。
ブリテンの闇を公表するどころか、むしろ人知れず消されてしまうやも知れませんねぇ。
『一人ではできないでしょう…ですが、この世界には永遠の命を持つ、六人の大罪人がいるという伝説がありますわ、その伝説が本当であればその方々に力をお借りしたいと思っていますの、あのラグナレクでの生き残りなのですから、相当な力を持っている筈ですわ!』
「……あいつらに関わるのはやめた方がいい…」
おやおや、何やら神妙な感じのルシアですね。
「………忠告するぞ、あいつらに関わるんだったら傭兵でも雇ってそいつらに助けてもらった方がいい」
『嫌ですわ、傭兵なぞ信用に値しませんもの、金さえ積めばすぐに裏切りを働く輩を信用するくらいなら、国の為に戦い続けた伝説の大罪人の方がよっぽど信用に値しますわ!』
「その言葉に二言はないな?」
『ええ、勿論ですわ』
「わかったよ、力を貸してやる」
『今、なんと?』
「力を貸してやるっていってんだよ二度も言わせんな」
『では、貴方は…ルシアという名前…もしや……』
「傲慢を司る大罪人、ルシファー・アリストテレス張本人だ」