第一のミッション
「参らん」
とは言ったものの、最初はなにをすればいいんだ?
そうだ!ここは俺がやってたゲームの中!なら
村長の家に行こう。
そして深く深呼吸する。
「それにしても、すごくおいしい空気だなぁ~」
さすが大自然といったところか。都会に住んでた俺にとってここの空気はとてもおいしい。
「お、これだな」
「村長の家ですか」
「まずは話を聞かねぇ~となっ」
「なるほど~」
さて、ここかな?
高さ5m 横10m くらいの大きさの家の前に立つ。
ほかの家々はその半分くらいの大きさだ。
じゃ、お邪魔しますか。
「村長さんいますか~?」
「いますか~?」
予想通り村人が2人いる。村長は留守。
たしか~サクヤとガイナとかいったかなー?
「村長は留守でございます」
「なにか村長に用でもあるのか?」
「はい。ちょっとお話を聞きたいと思いまして」
なにもじもじしてんだよおれー!
実際に見てみると、予想以上のイケメンと美人さん。
「村長は今お出かけになられている。お前たちは村長の居場所しらないだろう?」
モテソウナ~カオト~コエデスネー
「知りませんね」
ちょっと下に視線をずらす。無意識にそうしていた。
そう無意識に!決して!
かっこいいから~とかモテそうだから~とか思って、嫉妬とかしてるわけじゃないからー!むむむ。
「なら俺が連れてってやる。ついてきてくれ。サクヤ。留守番頼んだ。」
「分かちました」
わかち?こんな設定なかったぞ!バグ?バグなのか!?
「しししし失礼!!!わ、分かりました。コホンッ」
さっきよりも顔が赤面している。言い間違い。フハハハハハ可愛いところ発見じゃー!
自然と口角があがってしまった。
「ま、まぁいい。じゃ、行くか。」
「おっと、よろしくお願いします」
「おっと、よろしくお願いします」
真似すんなよ。
そういえば紹介遅れたな。すみません。
この世界に連れてきたこの少女の名前は
アリサだ。
なんか…俺に懐いているが…まぁいい。
女の子に懐かれるなんてこの15年生きてて初めてだ。とっても嬉しい。フハハハハ!
…年は10歳だそうです。分かってると思いますが、俺は15歳。名前はレオ。立派な中学3年生!青春期!彼女バンザーイ!しかしいなーい!悲しい人間だな…
そんなことを考えてる内に、周りが自然だけになっていた。
動物1匹いない。とっても静かだ。なんか怖いな。寒気がしてきた。
「うわぁぁあああー」
男の人の悲鳴が聞こえた!右の方から聞こえた!
声変わりしてた!男性か!この森に!なにか野獣とかいるのか!?
ヤバい!とにかく助けにいかなきゃ!
俺は誰よりも早く声の聞こえるほうへ走った。
そこにいたものは!なんと!
「なにもいない…」
しかし、人が尻もちをついており、足から血を流している。なんて量の血なんだ…
「そ、村長ーーー!」
「村長!?」
「あのひとが村長様なの?」
俺たちは村長のもとへ急いだ。近くで見ると、足がヤバいことになっている。なんかゾワゾワしてきた。
サワッ…サワッ…
なにかがいる。俺たちの近くに…なにかうごめくものが。
「お前たち!逃げろー!」
「え?」 ガイナ
「え?」 俺、レオ
「え?」 アリサ
「ギャキィィィィィ」
なんだ!こいつは!犬?いや違う!とにかくこいつが村長を!
次は殺しに来たのか!?ということは俺たちも殺されるのか!
そんなこと!させるかよ!
俺たち3人は。村長を守るため。この獣戦うことになった。