プロローグ
本作品は、ただただ、作者が「書きたい!」の意思のみで投稿している作品です。
ですので、「完結しない」、「何日、何ヶ月も更新しない」ということがあります。
また、拙い文章、表現があります。
俺が小学五年生の時の記憶だ――――。
俺には五歳も年の離れた兄が、一人いた。
――――ガチャ。
あ、この開け方は兄さんだ!
高校に入学してから兄さんは、一度も家に帰ってこなかった。だから、あの頃の俺はとてもうれしかったんだと思う。
「お帰り!兄さん!」
とても明るい、俺の声。
そんな俺の出迎えに対し、兄さんは返事も返さず、ただ、暗い顔をしているばかりだった。
「どうし――――」
最後まで言えなかった。
なぜなら、兄さんが俺の胸ぐらを掴んで、俺の事を引きずっていたからだった。
そのまま兄さんは俺の事を、兄さんの部屋に連れ込もうとする。
「え?ちょ、兄さん?は、放してよ!」
しかし、兄さんは何も答えてはくれなかった。
「な、何なんだよ、兄さ――――」
と、そこまで言った時に部屋に投げ込まれた。
そして、そのまま兄さんは後ろ手でドアの鍵を閉める。
俺には何がなんだか訳が分からなかった。
「兄さん?何が……何があったんだよ?俺に位は理由を――――」
「五月蠅い。」
酷く冷たい声だった。俺の知っている兄さんではなかった。
高校で何か……?
そう思った時、兄さんは俺の顔の前に手を伸ばした。
そして、とても苦しそうな顔で、小声で言った。
「もう……時間が無いんだ。もし……お前まで――――」
その続きは聞き取れなかった。
そして次第に、俺の意識は暗い闇の中へと落ちていく。
――――兄、さん………。
できるだけ、感想等々を下さい。