コレからpart2
やっとこすっとこ第7話完成誠にお待たせいたしまいたにゃぁ
自分の娘をダンボールに詰め込んで、挙句人気の少ない路地に放置これが父親のやることだろうか。
縁起はそんな父親をどう思っているのだろうか。
「お前さ、こんな事されてどうも思わないのか ?」
「こんな事とは段ボール詰めにされたことか ? 別にどうも思っとらん」
その返答は世間知らずの根暗BOYの僕にはちょっと意外な答えだった。
普通段ボールに詰められるなんて事されても怒らないでいられるだろうか、せめて少しは悔しがる様な愚痴るようなことを思うものではないだろうか。
それが「どうも思っとらん」のたった一言だけの感想。
どうしてこんな事されて気にもかけていないのだろうか ?幾ら父親を早くに亡くして父と年頃の娘の関係をどんなものかを知らない僕とは言え、普通嫌なことをされたら嫌うものではないのだろうか ?
それとも段ボールに詰められた事くらいじゃ何とも思わないと ?ベットから落とされた程度でご立腹なさる縁起が?
考えれば考えるほど頭が混乱してくる。
「”何故?”というような顔をしておるな。まぁ……父親を早くに亡くしたお前には理解しがたい事なのかもしれんのう。」
「うむ、なら彰のその疑問を解くヒントをやろう。我が何故段ボール詰にされても怒らなかったのかその理由は我の父がやったことだからじゃ。これが赤の他人の仕業なら彰の思う通り我は怒り狂っていたじゃろう。しかし、愚痴の一つも漏らすことのないのは…… 」
「後は彰自身が考え答えを見つけることじゃ、まぁヒントにはこれ位が丁度よかろう。我が言わずともそのうちその答えもわかってくるはずじゃ自分磨きに励むがよい 」
縁起がヒントをくれたようだが僕にはさっぱりまるっとすりっとごりっと解らなかった。つまりどういう事なんだろうかえって余計頭の整理がつかなくなってしまった。
ヒントを言ってくれたのは嬉しいがそれで余計わからなくなる始末……。もっと頭が良かったらいいのにと心から思った。
まぁ頭良かったら苦労しないんですけどね。
縁起はいう事は言ったので喉が渇いたようなので淹れたてのお茶を啜っていた。お茶を啜る姿を見ると百歳越えのお婆ちゃんという事実が少し納得がいくようないかない様な。
ところで、かなり話がずれてしまっているが一番気になることにまだ答えをもらっていない。この疑問が生まれる切っ掛けとなった質問"修行について"だこれがそもそもの話の発端だ。父親をどう思ってるとかは置いといてまずこの疑問に対する答えが早急に求めているのだ。
「ところでだ、話が脱線しているようなので戻すけど。その縁起が入ってた段ボールに修行について詳細が何らかの形で書いてあるって事なんだろ ?」
「我の父曰くそういうことになるな」
「で段ボールになんて書いてあるんだ」
「うーぬ……」
縁起は段ボールをいろんな方向から眺めて見たり、内側を触ってみたり叩いてみたり被ってみたりし始めた。そして何か見つけたかのように急に目が見開いた。
「!? どうした何かわかったのか ?」
ついにその修行とやらについてわかるのか、これは気になる一体猫又の長になるための修行って一体何をさせられるのか検討もつかない。
「ふむ、わからん」
……え ?今何とおっしゃったのでしょうか ? "分からない" ?why ?いやいや修行しろって言っといてまさか修行の内容がわからないなんてそんな……ばかげた話無いでしょ。
「…… ……」
それ以上縁起は言葉を紡がない。どうやら本当にわからないようだこれは困った。そんな猫又の実在なんてするとも思ってなかった僕に分かるわけもなく。縁起はわかっているものだとばかり思っていた。
「何か心当たりの一つもないのか ?そういえばお父さんが何か言ってたこととか 。」
「うーむ。あ、そういえばの~よっと」
縁起が何か思い付いたように腰に括り付けてある黄色い巾着から何かを取り出した。縁起が取り出したそれは文字と絵でびっしり埋まった何枚もの紙切れを一つに束ねたものだった。大きさはちょっと大きめのA4サイズ。それのタイトルは「正しい段ボール君十二世の使用方法説明書」なるものだった。
「縁起さんそういうものがあるならもっと早く提示してください。悩んでた僕がバカみたいじゃないですか。」
「おぬしが真剣に悩んどる顔よりそのすっとんキョンな面の方がお似合いじゃよ」
「そんな露骨にバカにすることないじゃないか…… 」
そんな僕の小さな反論に目もくれず縁起は、説明書なる物を熟読し始めた。時々頷きつつ何かわかったようだった。
すると立ち上がりその段ボールを手に取った、それから玄関から外に出て行った 。
その手にはライターも持っていた 。
そして扉から漂ってくる焦げ臭いにおい 。
手にはライターと段ボール……お分かりいただけただろうか 。
「ちょっと待っておい !!」
僕は駆け出したひっくり返るお茶に目もくれず立ち上がり走り出した 。
さてさて扉開けた先にあったのは想像通りの物だった・・・真っ赤な火柱を立てながら燃えている段ボール 。まず『?』マークしか出てこないなんでこうなったのだ何が書かれていたのか
なんで燃やすなんて結果になったのかでも、これは書かれていたことで何か意味のあること名かもしれないと—――――というかないとかなり困るのだが 。
「何で燃やしたんだ ?」
「燃やすことが必要だったからに決まっておろう」
「ふむ、必要なのはわかっているで、家の前で焚火するまで必要な理由を僕は知りたい」
「あぁ……それについてはまぁ…あれじゃ気分じゃ !」
あぁ……言葉がない本当にない何も返す言葉がないんだ 。
お父さん 、生まれてこの方ここまで返答のできない答えを聞いたことないよ 。
僕はこの憤りをどうすればいいのかな
「冗談じゃそんな真面目な顔して信じんでくれ」
「あ、冗談……もうちょっと笑える冗談にしてくださいよ」
と僕は超苦笑い 。
本当に悪い冗談すぎます 。お父さんのことだからよっぽど酷い事でも書いてあったのかとそれに激怒してこんなことをしたものだとばかり思っていた 。
そして、話は段ボールを燃やしたことについてに戻る 。
「では話すぞ 、まずじゃ説明書に書かれていたのは[火+神=A]という摩訶不思議な物じゃったまぁ"神"とは"紙"のことで段ボールに火を足すと答えがわかる 。そのように受け取った」
「そして燃やしてみたと何だろう理に叶っているのいないのか僕には判断しかねてきました」
「ただもうちょっと考えてからって思わなかったんですか ?」
「ここに書いたのは父の言葉じゃか....」
「だから信じるんですね言わなくてもわかりますよ……はぁ、でもこの調子で失敗してたら元も子もないのでちょっとは考えて行動してください 」
という具合にかるーく縁起に説教。
相手は見た目は年下とは言え齢100歳のおばあちゃん 。ちょっと説教する側としては調子が狂う。根本的に女子と話す経験すら少ないオレなわけでもある 。
すると段ボールの燃えカスが光りだした。
僕は少し驚いてはいたが、初めからこうなることを知っていたかのように縁起は動じなかった 。
そして 縁起 の修行が姿を現した 。
さぁてさぁて次でついに修行が明らかにそして修行も始まっちゃうかもね