第4話 崩れていく境界――抗えない選択
気づいた時には、もう遅かった。
止める理由はあったはずなのに――
止めなかったのは、自分だった。
もう、最初の頃の感覚には戻れなかった。
戸惑いはある。
それでも――
完全に拒むことができない。
むしろ、少しずつ受け入れている自分がいる。
「……どうして……」
小さく呟く。
答えは分かっているようで、分からない。
身体の変化は、もうはっきりしていた。
さっきまで恥ずかしいと感じていたことが、
どこか遠く感じる。
それどころか――
「……っ」
また、息が漏れる。
抑えようとしても、抑えきれない。
そのたびに、現実を突きつけられる。
視線の先には、あの機材。
記録されているという意識。
それなのに――
「やめないと……」
そう思いながらも、
その言葉に力が入らない。
本当にやめたいのか。
その問いに、はっきり答えられなかった。
恥ずかしいはずなのに、
その状況が頭から離れない。
むしろ、その意識があるほど、
感覚が強くなっていく。
「……おかしい……」
何度も同じ言葉を繰り返す。
だが、もう止まらない。
理性で押さえつけていたものが、
ゆっくりと崩れていく。
そして――
気づいた時には、
抗うことよりも、
その流れに身を任せる方が自然になっていた。
「……こんな自分……」
本来なら、否定するはずだった。
でも今は――
完全には否定できない。
それどころか、
どこかで受け入れている自分がいる。
その事実が、
さらに意識を揺らす。
もう、最初の自分には戻れない。
そう理解した時――
不思議と、抵抗は消えていた。
拒否は、受け入れへと変わる。
次回――
選んだ結末。




