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第4話 一方その頃の王都(side王国)①

-side リチャード-


 


「一体、どうなっている!?ジップスが追放されるなんて!」




 ジップスが追放されたと言う事を手紙で受け取ったリチャードは至急部下に調査依頼をした。

 公爵家の嫡男として、また、親戚であり親友として彼に援助していたからだ。

 まあ、その援助は全てジップスの父親であるラストによって奪われていたのだが。



「どうしたんだい?荒ぶって」

「ウィル王子」



 第二王子であるウィル王子はリチャードの幼馴染であり上司である。

 リチャードは第二王子の側近として、日々勉学に励んでいたのだった。



「援助していた親友が追放されてしまった」

「えっ……!?」



 予想外の出来事に驚きく。ウィル王子。

 それもそうだろう。そもそも、次期公爵家当主の後ろ盾がある子供を追放するなど考えられない話だからだ。



「どこの馬鹿だ。その当主は?」

「ラスト=ボツラークです」

「本当に腫れ物扱いされてる人だった」



 ラスト=ボツラーク。

 誰もが知るポンコツで有名な貴族だ。

 曰く、お茶会で陛下の親友であった男爵家の当主を蔑み、陛下の顰蹙を買ったとか、領地に関する重要な機密情報を当主自ら流出させてしまったなどなど。

 彼がやらかしたという噂は尽きない。

 一応、歴史の長い貴族だからという理由だけで存続させられてるだけの貴族家であった。


 

 そんな中で、ジップスというのはあの家で唯一見どころのある貴族だった。

 おそらく母親譲りのものだろうと思われる、おおよそあの家の人間とは思えないほど聡明さ。新しい物を発明したり色々なアイディアを持っている少年だった。

 それでいて、どこか人間を信用していない感じもあったので、そのドライな関係がリチャードとしても特に良かった。

 リチャードとしても、援助は冷遇されている親戚筋の同情ではなく、ジップスの将来性を見込んだ投資でもあった。

 

 

「あいつは、どこか人を信用していませんでした。そこが妙に気があったんです」

「なるほど……俺たちはそこまで人を信用できる立場にないからねえ」



 事の経緯を聞いた王子は色々と考えた。

 話を聞く限り、リチャードが投資をしている金額は馬鹿にならない。

 リチャードにとってはそんなに多くは無いとは言っても貴族のご子息がまともに生活できるくらいの援助となると大金である。


 

 そして、今まで不思議だった事があった。

 それは、ボツターク家がなぜ領地の経営がこんなにも傾いているのに、あの立派な屋敷やド派手な夜会の費用を捻出出来るのかという事だ。

 


「すべてが繋がった……」


 

 その後、調査の結果、リチャードとウィルはジップスの使用人はいかに彼が酷い扱いを受けていたのかを明かした。



「そんな、俺が援助したものは……全て取り上げられていたと言うのか……」

「そのようだな。彼らのくだらない夜会やお茶会での見栄のために」

「許せない」

「奇遇だねえ」

「落とし前、つけさせてもらいましょうか」

「そうだねえ」



 おーこわいこわい。

 没落寸前の貴族家はまた一つ、とんでもない権力者を敵に回してしまったようだ。

 ウィル王子はそんな事を考えながら、いるのだった。



「それにしてもさ、リチャード」

「なんですか?」

「話によれば、ジップス君の容姿は灰色の髪に赤色の目だったのだろう?」

「ですね」

「伝承によれば、それ間違いなく神の加護がついているよ」

「た、確かに。ということは?」

「うん、たとえ魔境に放り込まれたとしても彼は生きている可能性が高い」



 期待は出来ないながらも、2人はジップスの安否報告を待つのだった。

 

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