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第10話 スライムさんの能力のうりょく

―side ジップス―



『僕の能力はまずねー!こんな感じだよー!』



 --ドドドドドド……なんとびっくり、スライムさんはドラゴンに変化した。



『「えええええええー」』


 

 最弱の魔物から最強の魔物への変化。

 見た目だけでなく、魔力の質から量なども擬態できるみたいだ。それにしても、迫力がすごい。



『あわわわ……あれは、最弱のドラゴン。ワイバーンなのです〜』

「あれが……ドラゴンの恥ワイバーン」



 ワイバーン。言わずと知れた、Aランクモンスター。最弱のドラゴンとか、ドラゴンの恥とか、巷では散々な言われようしているワイバーンさんではあるが、ドラゴンだし、そこそこ強いので、そこそこのランクの冒険者ではないと倒せないと言われている。

 でも、頑張れば倒せるので、ドラゴンの恥ではある。

 本当のドラゴンはずば抜けた戦闘力を持っていないと、倒せない存在だからだ。



『僕はねー、見た魔物の見た目と能力をコピーできるんだー』

「何そのチート能力!?」



 とんでもないスライムさんだ。

 というか、そこまでの能力を持っているのであれば、もはやスライムという種族ですらないのかもしれない。常識が覆される。

 あと、欲しかった。俺も転生してそんな能力欲しかった。ちょっと悔しい。



「……って、その能力があれば、仲間の1人や2人くらいできたんじゃ?」

『目の前で変身したら普通に怖がられたー』

「あちゃー」



 能力を上回ると、手のひらを返されて、逆に怖がられるパターンとかもあるのか。

 友人関係とは難しいものだ。俺も過去に両親から手のひらを返された経験があるから身に覚えがある。あんまり考えたくない過去だ。

 やはり、そんな事気にしなくていい辺境で周囲とはあまり関わらず、のんびり気の合う仲間とダラダラ暮らすというのはストレスフリーでいい選択肢だと思う。


 

『あと、変身が維持できる時間は半日くらいなんだー』

「なるほど」



 流石に、それだけの能力だ。なんらかの制約はもちろんあるよな。



「ありがとう。スライムさん。ちなみに、他にも能力を持っていたりする?」

『あるよー!こんな能力だよー!』


 

 --ビュオオオオオ!

 スライムさんが目にも止まらぬスピードで動きながらスピンする。

 そのまま、スライムさんが森の中へゆっくりと移動して行くのだが、移動する度に周囲の木が切り倒されていった。

 


「もしかして、スライムさんがその気になってれば、俺ら今頃……」

『ですね……想像以上なのです〜!』

「とりあえず、味方になってくれた事を感謝しよう」



 ゾッとした俺たちだったが、敵対せずに、俺の従魔になってくれた事を心底感謝した。

 俺たちはしばらく、スライムさんの高速移動スピンを見守るのだった。



 ♢ ♢ ♢ ♢ ♢



「ふー。ただいまー」

『戻ってきたのです〜』

『ここが主人の家ー、とうめいー』



 拠点に戻ってくると、早速スライムさんに今まで俺が気になっていたが、それどころではなかったので、放置していた事を突っ込まれる。

 そうなのだ。俺の家は外から丸見えである。ここは魔境なので、人はいないが、それでもこう……ちょっと恥ずかしい。

 色々落ち着いてきたし、仲間も増えた事だし、そろそろ放置していた事を片付けるには、ちょうどいいタイミングなのかもしれない。

 


「うん、そうと決まれば、よーーっし!それじゃ!第一回、家を建てよう作戦会議を始めたいと思います」

『『おおーー!!』』


 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 

 

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