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02話:どうにかして俺が男だと認識して貰わないと!

 という事で改めて俺の名前は榊原健人、何処にでもいる17歳の高校二年生男子だ。


 身長は173センチくらいの普通体型で、顔付きに関してはそこまで悪くはないと個人的には思っている。まぁでも彼女は今まで出来た事はないんだけど……。


 趣味は子供の頃からサッカーが好きで高校ではサッカー部に所属している。運動をする事自体も昔から好きなので、休みの日には近くの公園とかでランニングとかもしている。


 まぁそんな感じでサッカーや運動をするのが大好きな普通の男子高生というのが俺だった。


 そして俺の隣をさっきからずっと気だるそうな感じで歩いているこの女子の名前は坂野綾。読書が大好きで文芸部に所属している女の子だ。


 坂野の身長は150後半くらいでスラっとした華奢な感じの女の子だ。そして体質的に色素が薄いようで全体的に色白の女の子だ。


 髪型はサラサラのロングヘアなんだけど、色素が薄いせいか地毛は少しだけ明るい髪色になっている。だけどその明るい髪色は綺麗な白い肌と相まってとても似合っていた。


 そして顔付きに関してはとても綺麗な顔立ちをしているんだけど、でもいつも伏し目がちにしながら儚げな雰囲気を醸し出している不思議な女の子だった。


 そんな儚げな雰囲気と白い肌の綺麗な容姿が相まって周りの生徒達からは“深窓の令嬢”だと呼ばれていた。


 いや確かに坂野は滅茶苦茶に可愛いので、実はどこかのご令嬢だと言われても全員信じてしまう程の美貌の持ち主だった。


(まぁでもさ……坂野がいつも伏し目がちにしてる理由って……)


 まぁでも坂野がいつも伏し目がちにしてる理由はすごく単純で、実は毎日深夜まで好きな本を読んでいるからなだけなんだ。つまりただの寝不足で伏し目がちになってるだけだ。


 でも周りの生徒達はそんな事は知らないので、坂野の寝不足で気だるそうな感じを好意的に捉えて儚げな雰囲気を醸し出していると思ってくれているのであった。


 そしてそんな事実を何で俺が知っているのかと言えば、それは坂野と仲が結構良かったからだ。


 実は坂野とは一年の時も同じクラスメイトだったんだ。それで名前の順で並ぶと榊原、坂野という並び順だったので、入学式の日に俺のすぐ後ろに坂野がいたんだ。


 だから俺は入学式の暇な時間に何となく坂野に話しかけてみたんだんだけど、そしたら意外とお互いに趣味の話とかで盛り上がったので、それ以降もちょくちょく話すようになっていった。


 そして高校二年生になった今でも坂野との縁はずっと続いており、俺にとって坂野は一番仲の良い友達にまで発展していた。そしてそれは多分だけど坂野にとっても同じだと思う。


(でもお互いに異性の生徒と一番仲が良いだなんて、ちょっとだけ不思議な関係性だよな)


 だけど坂野は何というか、この常に少しダラけた感じというか、ダウナーな感じが異性の俺でも物凄く居心地が良いと感じていた。だから俺も坂野と話す時はいつもフランクに接する事が出来ていた。だけど……。


(まぁ……異性なのに物凄く話しやすいってのはめっちゃ助かるんだけどさ……)


 もちろん異性なのに凄く話しやすいだなんて思春期男子の俺からしたら滅茶苦茶にありがたい事なんだけど……でも実はとある問題が一つだけ存在していた。


 それは坂野があまりにもダウナー過ぎるというか、何も気にしてないというか……何というか坂野は俺の事を異性として全く考えてない節があるように見えるんだ。


 まぁそれだけ坂野は俺の事を仲の良い友人だと思ってくれてるのかもしれないけど……でも今さっきの間接キスだってそうだろ? もし坂野が俺の事を異性だと認識してくれていたら流石に間接キスなんてしないはずだろ?


(うーん、もしかして坂野は俺を仲の良い兄弟分か何かだと思ってるのかなぁ……)


 俺は何となくそう思っていった。もしかしたら友人としての距離が近くなりすぎてしまったが故に、坂野は俺の事を男だと認識してくれなくなってるのかもしれない。


 でもそんなのは非常にマズイよな……。


 だって俺は坂野の事が好きなんだからさ……。


(はぁ、それなのに坂野からは俺の事を男子だって認識して貰えないなんてなぁ……)


 俺は心の中でため息をつきながらそんな事を呟いていった。


 実は俺は結構前から坂野の事が好きだった。理由はやっぱりずっと一緒にいて楽しいからの一言に尽きる。


 だからいつか坂野に告白をしようと思ってはいるんだけど……でも俺の事を異性として認識してくれてないようでは告白した所で付き合える可能性は限りなくゼロに近いよな……。


(よし、こうなったらまずは坂野に俺の事をちゃんと男だって認識して貰う所から始めていくしかないよな……!)


 という事でこの物語は、ダウナー系女子に惚れてしまった俺がそのダウナー系女子に異性として見てもらえるように一生懸命に頑張っていく物語なのである。

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