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色欲の女王に会う事になりました

 ギルドあさかわにある会議室、ホワイトボードに長机、現代版円卓とでも言うべきこの部屋に俺ことガイゼン、ザザさん、イエリ、ツバキ、そしてルシウス王とマスターの6人が集まっていた。


「成程な……オストーの奴が」


「あの、マスター一ついいっすか?」


「うん?どうしたガイゼン」


「オストーってのは一体何者なんすか?確か……ドッペルゲンガーとか言ってずっとルシウス……王に化けてたっぽいすけど」


「オストーは、150年くらい前かな、そのくらいから俺達あさかわにちょっかいかけに来る悪ガキだよ」


「ん?」


 悪ガキ、という可愛い表現に虚を突かれてしまった。


「ガイゼン、信じられないと思うが本当に奴はただの悪ガキだった。拙者も三度奴から顔に落書きをされた事がある……フッ、しかも墨で書かれたせいで中々落ちなかったな」


「それが……国を混乱させるような事を?」


「それなんだ、あいつは悪戯はするが悪事はするような奴じゃない。ザザ、あいつに違和感は無かったか?」


 マスターの言葉にザザさんは考え込んだ、オストーとの会話を必死に思い出しているようだ。


「……そうだ、「魔王様」と言っていた。100年前の魔王復活の時は平和主義に寄った人間だったし少なくとも魔王を敬うような言い方はしなかった」


「オストーが魔王を敬うような何かがあったか……操られでもしたのか?」


「とにかく、奴が敵に回るのは相当厄介だ、マスター」


「そ、そんなに強いのじゃ……?オストーというのは……」


「強い、間違いなくな」


 言い切ったマスターはいつになく真剣な顔で、一切の偽りを感じさせなかった。


「本来ドッペルゲンガーという種族は誰かに化けない限り弱い存在だが、あいつは特例中の特例、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。あいつは誰かに化けた時の実力も高いがそれ以上に模倣を解いた本気のあいつは1級ギルドメンバーが……そうだな、5人は欲しい」


 ギルドにはランクというものが存在する、ギルドごとに多少の差異はあるがあさかわでは5~1級で数字が小さい程実力が高いとされる、例えばツバキは2級メンバーの筈だ。


 そして少なからず俺が知っている中で1級メンバーはザザさんとアルさん、そしてマスターの三人だけだ。そんな実力者が五人もいるなんて……


 俺はいつの間にか口の中に溜まっていた雫を呑み込むと、マスターは何かをホワイトボードに描き出し始めた。


「オストーは魔王復活の為に動いている、なら当然魔王の封印を解く訳だ」


「そりゃそうじゃの」


「では魔王はどうやって封印しているか?100年前は勇者を呼んで魔王を数の暴力でボコボコにして、水晶に閉じ込めた後幾つもの欠片に砕いたんだ」


「勇者なんていたんすか?」


「ああ、確か……当時のエンヴィー国だったかな。『嫉妬の国』って呼ばれてる国だ、そこが勇者を異世界から召喚した」


 ここまで言うとルシウスが割り込んできた。


「勇者召喚なら俺様も資料を持っている、なんでも数十人の優れた魔術師を集めて専用の魔術陣を描くそうだ」


「うん?ルシウス、何で知ってんだ?」


「レヴィアが送って来たのだよ、どうも俺様だけじゃなく各国にも対応できるよう渡しているそうだぞ」


「成程な……嫉妬深いエンヴィーの女王がね……」


 マスターは7つの城を描くと一つに×を着けた。


「恐らくオストー……多分敵はあいつだけじゃないだろうしー、魔王軍とでも呼ぼうか、魔王軍は少なくともプライド国に隠してある魔王の欠片を既に奪っている筈だ」


「改めて俺様も確認はしておくが、期待はしないで貰おうか」


「となると次に奪いやすい候補は……隣国であるエンヴィーとスロウスか、怠惰のスロウスは魔術が使えない奴が多い以上こっちの方が奪いやすいか……?」


「マスター、オストーがいる以上どちらを狙っても可笑しくは無い。ここは二手に分かれた方が良いだろう」


「だよなぁ……クソッ、マジでなんでよりによってオストーが敵なんだよ……」


「よっぽどっすね……」


「一応あいつにも弱点はあるんだが……あってないようなものだからな……」


 マスターは気を取り直す様に手を叩く。


「よし!ツバキとザザはエンヴィー国、スロウス国にも人を送ろう!」


「マスター、おれはどっちっすか?」


「ガイゼンは腹斬られたばっかりだからな、休憩も兼ねて行ってもらうとこがある」


 ・

 ・

 ・

 ラスト王国 商業エリア


「そこのお兄さん~!こっちで気持ちいいコトしない?」


「悪いけど、仕事中で……」


「そこの兄ちゃん!こんな街に子供つれない方が良いよ!」


「この子の親がここにいるらしいんで……」


「じゃあその子もサキュバスかい?狐の獣人とのハーフは珍しいな」


「違うわい!!ワシらは『ユキノ探偵事務所』を探してるんじゃ!」


「なんだ、ユキノさんとこならそこを曲がれば事務所があるよ」


 そうして月が出る前に辿り着いた事務所はこじんまりとした家だった。


「ここにイエリの母さんがいるのか」


「マ……母上はマスターの紹介で働いてるらしいのじゃ」


 扉を叩くと、程なくして開かれイエリをそのまま成長させたような妖艶な狐の獣人が出迎えた……スーツ姿で。


「母上!」


「いらっしゃいイエリ、久しぶりね。……貴方がイエリの友達ですね?」


「どうも、ガイゼンって言います」


「私はこの子の母、カヤンです。貴方の話は聞いてます、いつもこの子の世話をしてくれているんでしょう?」


「は、母上……」


 恥ずかしそうに顔を赤らめるイエリにカヤンは微笑みながら頭を撫でた。


「ここで話し続けるのも失礼なので、先生から許可は貰っているのでどうぞ中に……」


 言われるがままに室内に入るとまず目に入ったのは大量の本、この世界では本は地球と比べると少し高価で、それも布で綴じる本が一般的だ。しかし目の前にある本はほぼ全てが革張りされている……これだけあれば貴族も無下にできない相手と認識させることが出来るだろう。


「先生、あさかわの方がいらっしゃいましたよ」


「そう、わかったわ。カヤン?娘さんと別室に行って頂戴」


「わかりました」


「ガイゼン、行って来るのじゃ」


 イエリに手を振り別室へ行ってもらうと、俺は先生と呼ばれた声の主と二人きりになった。


「初めまして、ガイゼン?私はユキノ、『ユキノ探偵事務所』の社長兼元あさかわのギルドメンバーよ」


 声の主の見た目を一言で表現するなら真面目なOL……だろうか?腰まで届く銀髪を真っすぐ下ろし、皺の無いビジネススーツを身に纏っていその赤い瞳はこちらを評価するように観察している。


「ど、どうも。4級メンバーのガイゼンっす」


「いいわ、敬語なんて。私は今はメンバーじゃないし貴方の方が年上でしょう?」


「え、そうなのか……いや、一応敬語は継続って事で」


「そう?ならいいけど、それで確認するけどここに来た内容は『色欲の女王』との謁見ね?」


「そうっす、なんかマスターから会う前に此処に行けって……」


 ユキノは立ち上がると本を幾つか取り出し、その内の一ページを見せて来た。


「『色欲の女王』ルクスリア、彼女はこの国の王であると同時に誘惑の種族であるサキュバスの王でもあるわ」


「サキュバス……そういや夢の中に出るとか言うっすよね」


「法整備された今は無暗に出る事は無いから大丈夫よ。……で、彼女に謁見するなら魔力を纏いなさい。そのまま会うと大変なことになるわ」


「た、大変な事って?」


「周囲の精力を無差別に吸い取るから気を抜くとミイラにされるわ」


「それ人を統べる王として大丈夫なんすか」


「大丈夫よ、自身から対策法を頒布しているし人柄自体は悪くないらしいわ。とにかく彼女と謁見するなら常に魔力を身に纏う必要があるけれど……会うのは貴方だけかしら」


「ん……そうっすね……話に聞いたのはもう一人謁見に寄越すらしいっすけど」


「そう、あさかわならだれが来ても問題ないと思うけど―――――」


 その時、まるでタイミングを計っていたかのように扉がノックされた。


「噂はしてみるものね」


 そしてユキノが扉を開けようとするより先に、思い切り開け放たれた扉から一人の男が飛び出して来た。


「噂に呼ばれて俺!登場!!」


 現れたのは赤いマフラーをたなびかせ、ライダースーツとでも言うべきだろうか、そんな風貌の皮装備を身に着けた赤い髪の男が奇妙なポーズで登場した。


 ユキノはその男に頭痛でもするのか額を抑えていた。


「……レッド、貴方が行くの?」


「ああ、俺こそマスターの任務を達成するにふさわしい人材だと言われてきたのさ!」


「ユキノさん、なんすかこの人?」


「彼は……1級メンバーの赤西 修護、皆はレッドって呼んでるわ」


「よろしく!君が噂の新人だな!」


 1級だって?それにしても暑苦しい人が来たな…………


「ど、どうもレッドさん。どうしてそんな恰好を?」


「ヒーローである為さ!」


「は、はぁ……ヒーローっすか」


 段々と俺に近づいて来るレッドを除け、ユキノに質問する。


「取り敢えず……人は揃ったみたいだし謁見する訳すけど、いつ行きます?」


「明日行きましょう、魔王の復活阻止の為にも早い方が良いわ」


「イエリには待ってもらった方が良いっすかね」


「ええ、この街は教育に悪いし……それに久々に母親と会えたんだもの、ここで待っててもらいましょう」


「それじゃあ俺は街をパトロールしてくる!それが俺の生き甲斐だからな!!」


 言うや否やレッドは街へ飛び出してしまった、せめてちゃんと扉は閉めて欲しい。


「あの人1級メンバーなんすね」


「100年以上前からいる古参の一人らしいわ、私達よりずっとこの世界に詳しい」


「へぇ……あの人長命種なんすか?あれ、でもエルフ耳でもないしドワーフ程小さくも無かったな……」


「彼は人間よ、私達と同じ」


「それって―――」


「あまり人について話すものでもないし、後は本人に聞きなさい」


 そう言ってそれ以上話さずユキノは寝てしまった。


 ・

 ・

 ・

 ラスト王国 ラスト城前


「……どうなってんだこれ」


 朝、俺達三人はラスト城の前にやって来たがそこは地獄の様な光景だった。


「なんでこんな魔物だらけなんだ、これじゃ魔王城みたいだぞ」


「どうやら国民は気が付いていないようだな、俺も近づくまで気づかなかった!」


「無理も無いわね、至る所に人払いと曖昧模糊の魔術陣が敷かれてる。よっぽど明確な目的が無い限りここに来ることは出来ないわ」


「魔術陣とはなんだ?」


「レッドさん、100年生きてるんじゃないんすか?」


「人は100年も生きてたら色々忘れるものだ!魔術陣もあんまり覚えてない!」


 ……この世界には魔術がある、魔術とは魔力を用いた様々な技術の総称だ。魔力さえ使えば花を咲かせるのも絵を描くのも人を殺すのも、魔術になる。


 そして魔術には様々な発動方法がある、最もポピュラーな口頭で呪文を唱える『詠唱魔術』。全身に魔力を纏い踊る事で魔術を発動する『舞踏魔術』。


 そして罠や生活用に使われやすい、円の中に意味を刻み込んで魔術を発動させるのが―――


「魔術陣という訳よ」


「わかった!」


「本当に分かったのかしら……」


「人払いはそのままでいいな、だけど曖昧模糊は俺達にも影響があるだろうから消しておきたいっすね」


「そうね、ガイゼンは魔術陣の破壊方法は知っているかしら」


「これでも魔術師なんでね」


「うん、ガイゼンは魔法使いじゃないのか?マスターからはお前が優秀な()()使()()だと聞いているぞ!」


 魔法、それは唯一無二の力。


 魔術はその全てが再現性のある技術だ、正確に言えば少なくとも数十人が全く同じ術を使えるならそれは魔術の存在を管理する魔術協会によって公式的に魔術に分類される。しかし魔法に分類されるものは先天的で、そして当人以外使うことの出来ない魔力を使う技術を指す。


「あぁ、俺の魔法は魔術の無詠唱なんで魔術が無いと俺役に立たないんすよ」


「そうなのか?でも強いな!」


「じゃあ魔術陣の破壊は貴方に任せるわ、私達は少し聞き込みをしましょう」


「あぁ、わかった!行くぞユキノ!」


 街へ戻った二人を見送った俺は城の周りを探索する、魔術陣は瞬間的な効果を求める詠唱と違い魔力さえあれば長く効果を発揮する。


 しかし魔術陣はどんな魔術も書く事だけなら出来るが、範囲も威力も無限……みたいに強力な陣を描いたらそもそも発動が出来なくなる、その為複数の陣に分けた方が結果的に効率的な事もある。


「……っと、一つ目見っけ」


 俺は壁に刻まれた光る魔術陣に魔力を込めたナイフで一本の線を入れるとたちまち陣は力を失った。


 魔術陣は魔力の込められていないものに対してはかなり強い、例えば地面に陣を描いて、それを踏んだり砂をかけたりした程度じゃ力は失われない。


 だが魔力で陣に干渉するとあっさりと壊れてしまう、魔術陣には意外と使い手がいないのだがこれが原因の一つだと思う。


「よし、んじゃ次は……」


 ……気配を感じる、どうやら陣が壊されたのを感知する魔術陣まで用意されているみたいだ。


 俺の周りに数十の魔物が召喚され瞬きする暇もなく囲まれてしまった。


「おいおい……しかも竜種まで混じってるじゃねぇか。マスターめ、何が休憩を兼ねてだよ……」


 俺の声に反応したのか魔物は一斉に襲い掛かってきた。


 ・

 ・

 ・

 ラスト王国 商業エリア


「ルクスリア様ぁ?そういえば最近はお姿を見せないわねぇ……」


「ここ5年は城内に誰も入れてないって聞くなぁ、そういや確かに今まで気が付かなかったな」


「誰も気が付いてなかったみたいね、……と言っても私も気が付かなかったのだけれど」


「なるほどな!一通り回ったが情報が無いのが情報だな!」


「そうね……それにしても王城に勤めていた人も城に行く気が無かったのは相当強力な陣ね」


「そろそろ戻るか、もしかしたらガイゼンを待たせているかもしれないからな!」


 ユキノとレッドが王城前に戻り最初に視界に入ったのは死屍累々となった魔物達の死骸だった。


「これは……」


「ガイゼンは何処に行った?」


「待って、音が聞こえる……」


 その時、レッドの耳にも微かだが断末魔や悲鳴のようなものが聞こえた。


 二人は顔を合わせるとその音の方向に走り出し、そしてその惨状を目の当たりにした。


「あ!やっと来た、遅いっすよ二人とも……」


 少なく見ても50体はあるであろう魔物達の死骸の上に立ち、その身に付いた傷は一つも無く軽く息を切らしているだけのガイゼンが立っていた。


 ユキノは魔物達の死骸を見る、魔物の殆どが魔物の危険度を測定する魔物協会で2級以上の危険度を持つものばかりだった。それも中には一際危険な竜種の魔物も混じっている。


「ガイゼン、これ全部一人で倒したの?」


「あぁ……多分人生で一番集中したっすわ、もう二度と出来ないかも……」


「やるな、魔物達は全て急所のみを撃ち抜かれている。ここまでやるのは全盛期のマスターでも難しいだろうな!」


「人間本気出せば何とかなるんすね……曖昧模糊の魔術陣は破壊したんで後は入るだけっすよ」


「よし!ガイゼンの努力は受け継いだ!残りの城内の魔物は俺が引き受けよう!」


 そして。


 俺達はラスト城内に入ったのだが、思っていたよりも魔物は少なかった。


「どうやら城内の魔物もガイゼンの戦闘に引き寄せられていたようね」


「だがお陰で苦労せずに進めている、ここまで粘ってくれたガイゼンに感謝だな!」


 俺は二人の会話を思わず無視してしまう程、レッドの戦い方を食い入るように見ていた。


 レッドは会話をしながらも魔物の残党を蹴散らしているが、その手に持つ武器は2mはありそうな程の長杖だ。


 杖と言っても魔術補助用の杖ではなく西遊記に出てくる如意棒の様な杖だ、しかし目立った装飾も特にないが。


「どうしたガイゼン、俺を食い入るように見つめて!もしかしてお前も杖道を使いたいのか?」


「あぁいや、今まで見た冒険者はそういう武器を使ってるのを見た事が無かったんでつい」


「少なくとも俺は杖や、旋棍(トンファー)といった武器を使う武道家は見た事が無いな!格闘家はいたが……というのも、杖道の話だが不殺を目的としたこの技術はまだこの世には必要無いのかもしれないな」


「そうなんすか……」


「それにもし殺す気があるならこの杖の先に重りでも付けるだろうからな!」


 ……不殺という割には思い切り撲殺しているのだがいいのだろうか……


「二人とも、雑談は良いけれどそろそろ魔力を纏いなさい。玉座の間よ」


 ユキノの言葉に俺は気を取り直し、魔力を纏うと玉座の間への扉を開いた。


 そこは、玉座の間とは言い難かった。


 玉座があるべきであろう場所には天蓋付きのベッドがあり、まるで万物を誘惑するかのように妖艶な雰囲気を携えているのは黒いウェディングドレスを身に纏った灰髪のサキュバスだった。


「貴方が色欲の女王、ルクスリアね?」


 ユキノの言葉にルクスリアは返事をせず、ただ俺とレッドにその視線を縫い付けていた。


「貴方達……すっごく良い香りがするわ……特にそこの魔術師さん、人の身には有り余る程の魔力……搾り取ってしまいたい……」


 艶やかな指を口に運ぶその仕草は見る者を魅了させる、色欲の女王の名に相応しい力だった。


「色欲の女王!俺はヒーローとして魔物をここに集めている意図を聞きたい!それが悪事の為ならば、俺はそれを止めてやろう!!」


「あぁ……魔物の事ね?それなら簡単よ、魔王様が復活するのに手駒がいないんじゃ可哀想じゃない?だからこうして城内を飼育場にしているの……わかるでしょう?」


 その瞬間、威嚇するように俺達に向かって純粋な魔力をぶつけて来た。俺達は傷こそつかないが強烈な威圧感に襲われる。


「……っ、成程な!今のお前は魔王側という訳か!このレッドが目を覚まさせてやる!」


 レッドはそう言うと長杖を振り回しルクスリア目掛けて打ち据えるが、ルクスリアは横たわったまま手をかざすとあっさりと受け止められてしまった。


「あら……貴方、前にも見た事があるわね……?確か120年は前だったかしら……?」


「覚えていたか!ルクスリア!100年前の魔王討伐でも人類側だったお前が何故今更になって魔王の側に就く!?」


「簡単よぉ……?()()()()()()()()()()()()()()()()()、ただそれだけなの」


 その時、魔力で吹き飛ばされたレッドがこちらに戻った時、希望に満ちた表情をしていたのを見逃さなかった。


「二人とも!目を見て分かった、ルクスリアは何かに操られている!!」


「なんで嬉しそうなんすか!?」


「決まっているだろう!()()()()()()()()()()()()()()()()()だ!ルクスリアを助けるぞお前達!」

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