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太陽の思惑・1

なんと行き詰まって投稿ペースが間延びし始めてからとうとう二年が経っておりました。

未だに見て下さる方がいらっしゃるかは不明ですが、どうかまた温かく見守って頂けると幸いです。

 ファルネルトが秘密の花園での逢瀬を目撃してしまってから2週間。

 うじうじと落ち込んで、踏み込んだ質問も出来ず、かといって諦めて距離を置けるほど潔くもなく。 叶わないと分かっていてなお同じ時間を過ごすことだけは諦められなくて朝食には一緒に行くが、ファルネルトが一方的にぎこちなくなって落ち着かない時間を過ごしているだけで半月が過ぎ去った。


 そして今、である。


「何をしているんでしょうね私は・・・」

「まったくだこの意気地なし」


 アルベルトの呆れかえった視線が刺さって痛い。


「終ぞ口説くどころか距離を置いて終わるなんぞ信じ難いな。 国中の淑女たちや美姫には囲まれても表情一つ動かさないくせに、一歩近寄られただけで狼狽していいたから最終的にはリリネルトの方から物理的にも心理的にも距離を置かれていたじゃないか!」

「・・・」


 実はその通りなのである。

 ほんの少しでも彼女の気配を感じると胸が痛いほどに暴れまわり平静を保っていられず、それを察したリリネルトが離れて行ってしまった。 恋情と察してか不興をかったと取ったかは不明だが、拳一つ分の距離は初対面と同じ半歩後ろで1人分の距離に戻ってしまった。

 ファルネルトは今、彼女に恋人がいるいない以前に友人としての関係すらも終わりを迎えようとしていた。


「難しいのは承知の上でいっそ婚約でも申し込んでいればよかったんだ。 成立しなかろうがきっかけにはなっていただろうし、その後思いが通じ合ったならそれを阻むような狭量な主人でも家柄でもないと聞いたぞ?」

「・・・が」

「うん?」

「・・・勇気がっ! 出なかったんです!」

「はあ!?」


 そう、そうなのだ。 ファルネルトとて馬鹿ではない。 寧ろ折り紙付きで優秀な生粋の貴族である。 そうでなければ王太子の側近などやってられない。 婚約を申し込むことなんて一番初めに思いついていた。 政略結婚ではなく恋愛結婚を好む風潮になったからこそ生まれた方法であり、今や貴族の典型的な出会い方とも言える。


「お、想いを伝える目的での婚約申し込みはその場で断られる事も往々にしてあるではないですか! 近衛騎士ならば平民という事もないでしょうし、彼女の身分も一族の状態も他国の伯爵と婚姻を結ぶ事を必要としておりません! 国内の近衛騎士など挿げ替える必要もない完璧な玉の輿でしょう!? そんな状況で、政略的にも心情的にも私の告白を受け入れてくださるわけがないでは、ないですか・・・」

「ファルネルト、お前・・・」


 勢いがなくなっていく。 生気が失せていく。 生来の付き合いであるアルベルトですら見た事のないくらいの消沈具合だった。


「これは本格的に検討しなくてはならないかもしれないな・・・」


 ポツリと呟いたアルベルトの声はファルネルトには届かず。


「カロナル嬢・・・」


 聞いているこちらの胸まで締め付けられそうな側近の切ない声に、アルベルトの紅玉の瞳に思案げな光が瞬いた。



カンチガイでグルグルしてしまっているファルネルト君はどっち向きに暴走していくのでしょうか?

次はリリネルト視点です。

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