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イーチカラー  作者: 宮崎 滉平
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過去と今

「関口せーんせい!」

光莉が勢いよく、職員室の飛び込む。

「今日来た佐々木くん、と言うか光希に何があったか教えてよ!」

「なんだ、どうした?水瀬。あの佐々木くんと知り合いか?」

唐突な光莉の質問に、関口先生があたふたする。


「知り合いも何も、光希は私の幼なじみなの!」

「でも、昔と全然見た目も、性格も変わってて、なんて声掛けたらいいのか分からないから聞きに来たの!」

「そうなのか……。でも、駄目だ。俺から言える事は何も無い。幼なじみなら、仲良くしてやれよ!」

光希の返答に戸惑いながらも、シラを切った。


「なにそれ、もういい。」

呆れたように言い、光莉は職員室を後にした。



光希とは言葉を交わさず、転校して来てから2週間がたった。


今日は文化祭の出し物を決める日だ。

「今年の文化祭の出し物はなにする?」

「今年こそは絶対にお化け屋敷やろ!みんなそうだろ!?」

「もう、うるさい!まずみんなの意見出し合ってからでしょ?」

光莉は副学級委員の有澤海斗と言い合いをする。

「はいはい、学級委員長さんよ!」

「ほらまたバカにして!とりあえず、案ある人手あげて!」


クラスのほぼ全員が意見を出し合い、出し物はSNS映えするフォトロケーションになりかけていた。

「もう、他に案や意見あるひといる?」

「みっ……光希、佐々木光希くんはどうかな?」

光莉は勇気を出して、光希に声をかけた。

「はい。僕もフォトロケーションに1票で、楽しいそうです。」

「応えてくれてありがとう」

光莉は応えてくれた嬉しさの反面、妙な敬語使いに自分の事を覚えてくれてないんだという悲しさに襲われた。 


「よし、新入りの光希も賛成って事だしフォトロケーションで決まりやな!俺は恐怖の心霊写真風のパネル作るぞ!」

「どんなけ、お化け屋敷引きずってんだよ!」

「もう、お化け屋敷3票か入ってないよ!」

海斗のおちゃらけにクラス中が突っ込んだ。


「という事で関口先生、私達の出し物はフォトロケーションに決まりました!」

「面白そうじゃないか、それで報告上げておくからな。」

「今日のホームルームは連絡事項ないから、それぞれ各自で帰っていいぞ。明日もよろしくな」


クラスのみんなが帰り出す中、光莉が光希に声を掛けた。

「佐々木くん、今日一緒に帰らない?帰り道一緒みたいだし」

光莉の問いかけに「ごめんなさい」と一言をいい、教室を飛び出した。

「ま、待って…」

「ごめんなさい、ごめんなさい」

まるで、何かに怯えてるように走って行った。


「おい、水瀬何してんだ?」

「なんでもない、ただ1つ確かめたかっただけ」

海斗がいるとは思わず、顔を赤らめて光莉は話した。


「海斗……いたのね。」

「光希は私の幼なじみなの。でも…でも…前一緒にいた時と全然様子が違くて、何でなのか、それを確かめたくて…」

「なるほどな。要するに水瀬好きなんだろ?佐々木光希の事。」

「なんでそうなるのよ!」

光莉が更に顔を赤らめて、海斗の肩を叩く。


「任せとけ、明日会ったら俺が光希っちの鎖解いてやんよ!」

「そんなノリやめてよ!心に傷を負ってるかもしれないでしょ!」

光莉は海斗の明るさに感謝し期待感を持ちながらも、不安で目が潤んだ。


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