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弁護士の奮闘

 

 ヤルコポル伯爵家側の弁護士は頑張りました。

 普通の弁護士なら途中から弁護を辞めるか他の人間に代わって貰う事でしょう。幾ら専属の弁護士とはいえキャリアに傷付くだけでは終わらない案件です。なりふり構わずヤルコポル伯爵夫妻と()()()を守る事に奔走しました。彼らには罪はないのだと熱弁していた、と聞きました。


 後から分かった事ですが、ヤルコポル伯爵家の専属弁護士は先代伯爵に大恩があったそうです。ヤルコポル伯爵家が滅びるなら共にという心境だったのでしょう。ある意味羨ましいですね。


 弁護士の努力の賜物でしょうか?

 ヴィランを“主犯”、他は“犯罪幇助”という事にしたのです。



「主犯が家族なんです! どうして無視出来ますか!」


 家族の情による犯行の手助け(幇助)を仕方なくしていただけ、と言い張ったのです。「幇助」というよりも「教唆」の方が断然説得力があったでしょう。まぁ、ヤルコポル伯爵一家を助けるには「幇助犯」にするしかありません。弁護士としては無罪を訴えたかったでしょう。


 きっと――。


「御三男以外の家族は何も知らなかった。三男の独断で行った事。ヤルコポル伯爵家に責任はありません」


「成人前の未成年が勝手にやった事です。とはいえ、大事に至っていないのも確か。前途ある若者を寄ってたかって『悪者』にするのは如何なものでしょうか?」


「子供は国の宝。若者の更生を期待するのが筋というものです」


「親の責任とは限りません。御三男をお育てしたのはスタンリー家でございます」




 ……と、弁明したかったのでしょう。上手くいくかは別として。これが伯爵クラスや下位貴族が相手ならそれも通用したかもしれませんね。その場合、色々と()()()()()()を動かさないといけないでしょうが「出来なくもない道」です。


 もしくは、法務大臣であるヤルコポル伯爵が訴えを起こされる前に「婿入りに対する法改正」を終了していれば問題にもならなかったでしょう。反対が多過ぎて難しかったかもしれませんがゴリ押しという手段もあります。




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― 新着の感想 ―
[良い点] 公爵家は「(公への)見せしめ」をしているのだから伯爵側も損切りするべきでしたね。 [一言] 今回は前提が「公爵家で伯爵子息が乗っ取りを宣言した」なのに、伯爵家は裁判までに何もしなかったのだ…
[一言] 弁護士の弁護のほうが納得ができる。 というか被害者側が公爵家のため、身分的にも公爵家乗っ取りを押し通し伯爵家を一族郎党皆殺しにできるだろうとは思うし、公爵家の体面のため苛烈な処刑を求めるの…
[気になる点] 公爵家側の心情描写や証拠提示に不足を感じる。 あらすじの限りでは、長い付き合いで情がないわけでもないし大目に見てたら、かばいきれないやらかしをされたように読み取れないこともない。 次期…
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