8 空気を操った日
遮る物の無い曇り空に少年の悲痛な叫びが響き渡る
「バッタさァァァん!」
どこかで、バサりとカラスが飛んだ
あ、どうもレイです。
今お風呂です。
シャワーで特訓の汗を流す
ちなみに村には水道が無いのでシャワーは周囲の魔力を吸収して水を作り出す魔道具で作られている。
あ、そうだ、水って操れるのかな?
シャワーを止めて湯船に入る
「はぁ~あったけ〜」
手にお湯を掬い、意識を集中させる
「うぎぎぎ·····」
だ、ダメだ。
なんていうか···できそうではあるんだけどなぁ·····。
少ない量からと、今度は手から滴る雫に意識を向ける
「おぉ!」
本来なら地面に向かって落ちていく筈の水滴は、球体のまま空中に留まった
なるほど·····。
やっぱり石とか固体よりは難しいな。
球体を維持しないといけないからか·····。
その時ふと、立ち上る湯気が目に映る
水が操れるなら、水蒸気もいけるんじゃ·····。
「念動力!」
動いた·····。
イケる!
動かせる!
1部だけだけど·····。
湯気をブンブン動かしていると、やがて消えてしまった
だが、未だに念動力の発動は途切れていない
湯気はもう蒸発したのになんでまだ操る感覚があるんだ?
·····そうか!空気か!
俺は今空気を操っているのか!
うほー!
空気を猛スピードで動かす
「ぼぼぼ·····」
突風が顔を襲う
おお!ドライヤーだ!
「あぼぼぼぼ·····」
こうしてドライヤー要らずとなった俺は意気揚々と風呂から上がるのであった。