3 魔法使えない
ベッドに柔らかい光が差し込む
チュンチュンという鳥の声を聴きながらレイ・ロストは目を覚ました。
「いやぁ~いい朝だぁ····。」
ふと目覚まし時計を見る。
11時52分·····。
「い、いい朝だぁ~····。」
誤魔化した
何はともあれ着替えて外に出る。
いつもはじっちゃんの畑仕事を手伝っているが今日は休みだ。
····レイの記憶によると何故か毎週水曜日は休みみたいだ。
って事で今日は魔法を使ってみたいと思いまーす!!
いやー楽しみ···。
のどかな畑を幾つも通り過ぎ、やってきたのはあの池····。
そう、転生初日に落ちたあの池である···。
「ふぅ着いた。」
結構歩いたな。
さて、さっそくやりますか!
俺の記憶が確かならこの世界の魔法は火、水、風、土、雷、光、闇、というよくある基本属性だけでなく、追加で超能力が入るらしい。
超能力は、魔法と違い魔力を必要としない為使用者の集中力が続く限り何度でも使うことができる。
·····が、超能力を使えるのは極わずかな人だけで、人口の1割程度とも言われている。
能力は様々で、物を動かしたりしたり、魔力を使わずに火を起こしたり·····あれ?あんま魔法と変わんない様な·····。
まぁとにかくやってみよう。
家から持ち出したこの魔法の書によると·····
体の奥底に流れる魔力を感じる····だそうだ。
そして使いたい魔法をイメージする···と。
「ファイアーボール!」
·····あれ?
「ファイアーボール」
「ファイアーボールッ!!」
「燃えよ大気!震えよ大地!必殺!ファイアーボール!!」
「ファイアーボール」
「ファイアーボーーール!」
「fireball」
「ファイアーボール!」
クッ·····。
つ、次だ!
「ウォーターボール!」
·····。
「ウォーターボール!!」
「ウォーターボールだッッ!」
「水のめぐみ!!」
「ウォーターボール!」
「モン〇ターボール!」
「ウォーターボール!」
·····。
「サンダーボルトォ!」
「ウィンド!」
「クレイ!」
「フラッシュ!」
·····。
「10万ボルトォォ!」
·····。
俺、魔法使えないみたいだ。
·····え?そんなことあんの?
え?
これやばくない?
···とりあえずダメ元で超能力も確認してみるか····。
目の前に小石を置いてと···まずは最初の··
「念動力!」
フワリと小石が宙に浮く
「·····。」
ええええええええええええ!?