11 キノコ狩り③
暗い夜の森を歩く·····
昼間でさえ不気味な雰囲気を醸し出していた森は、闇に覆われていっそうおどろおどろしさが増していた。
ホー····ホー·····
どこかで梟が鳴く
夜の森は、意外にも音に満たされていた
帰り道を半分近く進んだその時、今まで周りを薄く包んでいた虫や鳥の音が
·····止まった。
「お、おい····なんか静かだぞ····」
道スレスレを歩いていた赤髪の少年、アサヒが慌てた様に子供達の輪に戻る
先程から子供達は固まって輪を作っている
それにしても静かだな·····
まるでなんか····動物達が危険な何かから隠れる様な·····。
子供達の輪に入らない二人の内の一人、青髪の少年は·····
うわぁ····これぜっっったいやばいヤツじゃんーーー。
めちゃくちゃ焦っていた。
何か出てくるよぉこれ·····。
やばいヤツだよ多分。
·····いや待て、落ち着け俺。
じっちゃんが言うにはこの森にはスライムとコボルトしか居ない筈·····。
ザワっと、怪しげな風が吹く
輪に入らず、俺の隣を歩いていた二ーファもさすがに心配そうな表情でこちらを見る。
だが俺は知っている·····来るのはどうせスライムかコボルトなのだと。
ふっふっふ···びびらせやがって。
てっきりやばいモンスターが来ようとしてるのかと勘違いしちまったぜ·····。
ニヤリと微笑み呟く
「来るぞ」
皆がビクリと俺を見る
ふふっそんな心配そうな顔しなくても来るのはスライムかコボルトだっt·····
木々がざわめき、すぐ前の茂みが揺れ、出てきたのはスライムでもコボルトでも無く────
「クックック、小僧共、俺が怖いかァ?」
いかにも猛者感を出した黒い狼男だった。