№6 仕置き
Mにはたまらんですのう。
「我を脅そうというのか」
灼熱鬼は不敵な笑みを浮かべ、にらみをきかす。
「いいえ、脅しじゃなくてよ」
エスメラルダは真顔で棘鞭をふるう、しなりとうなりをあげ鬼の尻にあたる。
「なんの、なんの」
「これは、どう?」
背中への一撃。
「まだ、まだ」
「じゃ、これは」
局部へズドン。
「あひっ♡」
「チッ!」
ディオラ王が顔をしかめ舌打ちするのをララは見逃さなかった。
(大人って・・・変)
ララは思った。
「言う気になった?」
「・・・もっと、もっとだ!」
灼熱鬼は何かに目覚めたらしい。
「・・・・・・へぇ」
エスメラルダは妖艶な笑みを浮かべ、地面に鞭を叩きつける。
パーン。
中庭に乾いた音が響き渡る。
「ワシも、ワシもじゃっ!」
ディオラ王の本音がはりつめた現場に水をさす。
「・・・エスメラルダ、やっぱり、生ぬるいわ、アタクシが・・・」
エリザはすすっと進み出る。
「おいっ!間抜けな豚鬼」
「?」
「アンタだよ。お前」
「あんた~・・・だとう!」
灼熱鬼は凄む。
「返事は、はい!」
エリザは右人差し指を鬼へと向ける。
指先に魔力が集められ放たれると肩を射抜く。
「ぐっ!」
「アタクシはディオラ第二王女エリザベート=ディオラ。辺境の化け物などが決して目にかかる事の出来ない高貴たる者・・・そのアタクシが卑賎な鬼の前にいる・・・これって、どういうことかしら」
「貴様っ!」
「話は途中よ。耳の穴かっぽじって聞きなさい」
鬼の左肩へ魔弾を容赦なく撃つ。
「ぐふっ!」
「その高貴たるアタクシが今からお前に聞きます。答えねば、一発ずつ魔弾を撃ち込みます・・・それともひと思いに眉間を撃ち抜こうかしら」
「・・・・・・」
鬼の目が泳ぐ。
「ふふふ、いいわあ、恐怖するその目、化け物が恐れおののく様は、いつ見ても良い、良いわあ」
「おのれっ!」
エリザは再び人差し指を向ける。
鬼は身体をかがませ目を閉じる。
「ふっ」
エリザはだらりと腕を降ろす。
「・・・?」
「いずれにしろ。あなたはアタクシの問いに答えるしか術はない・・・いいこと、嘘をついたら簡単に見破るわよ・・・・・・一つ、あなたのもしくはあなたたちの目的は・・・何」
「・・・それは」
エリザは再び人差し指を身構え、灼熱鬼の眉間に照準を合わせる。
「いいなさい」
「・・・くっ!」
灼熱鬼は観念しうな垂れる。
刹那、城壁が打ち破られ、土煙の中、中庭に人影が現れた。
「まったく、もう、赤たん何やってるんスか」
「誰だっ!」
ディオラ王が叫ぶ。
「ボク?ボクは羅刹女ーっもんス」
羅刹女、身長は2mあまり、鬼としては小柄の方にあたり、特筆すべきなのは見事な二頭身であること。肌が真っ白で、白髪のショートヘアのくせっ毛、大きな赤目に人懐っこい顔に、萌ぼでぃ、さらには魔法少女のような真っ赤なフリフリのドレスにカラフルにデコメされた芭蕉扇と呼ばれる鋼鉄扇を右手に持っている。
萌狩隊ローリアンとララの瞳が輝きそして震えた。
「ぐはっ、もえっ~!」
なんのなんのSの真の力はいまだ・・・。




