№6 エルフの姫アリエル
アリエ登場。
ローリアンが近づく。
牛頭目は言った。
「羅刹女」
「あいよ」
羅刹女は芭蕉扇を地に向かって仰ぎ、空高く舞い上がると、その身を反転させ、エルフ国に向かって仰ぎ飛び去った。
「なっ!」
驚く、ローリアン。
「ここは私、牛頭目がお相手いたします・・・隊長」
ニヤリ、黄色鬼の口角があがった。
森を歩く二つの影。
「アリエ、皆に知らせなくていいのか」
「アーサー、ただの里帰りだから、そんなに大げさにはしないわよ」
アリエ・・・アリエルはエルフの女王エスメラルダの娘、その容姿は瓜二つで双子と見間違えてしまうほどだ。白銀の髪に、鋭く尖った耳、ブルーサファイアの左目にルビー色の右目、整った顔、真っ白な肌にスレンダーボディ、エルフのケルト風の民族衣装にマントを羽織っている。
母との違いを見分けるには、左右互いの瞳を注視しなくてはいけない。
アーサー=バーンはバーン王朝の元皇帝、英雄王とも呼ばれる。先の大戦ではもう一人の英雄王とともに、この世界に平和をもたらした生ける伝説。高身長、ブロンドの髪に眉目秀麗、笑うと歯が光るという、モブな男達からしたら何ともいけ好かない男である。
「そっか」
「でも、ありがと。ついて来てくれて」
「いや、別に私は・・・」
「でも、お母様が言っていた鬼の件、気になるなあ」
「そうだな、立ち寄ったディオラにも不穏な空気を感じた・・・」
「あっ!」
「どうした?」
「向うの方で、金属の音がする」
「流石、エルフの耳だ・・・戦いか・・・」
「・・・多分」
「急ごう」
「ええ」
「くっ!」
ローリアンは、振り返り羅刹女の去った方を見つめる。
その先はエルフ国である。
「ローリアン隊長」
背後で声がした。黄鬼の牛頭目がその名を呼ぶ。
「何故、私の名を」
「・・・さぁ、何故でしょう」
牛頭目はかつてのサニーだった頃の面影はなく、今や巨大な体躯を持ち、牛の頭に角が生えた鬼である。ローリアンが気づくことはない。
「何故、エルフ国を狙うのですか」
「・・・狙う?身から出た錆といいますか・・・いや、違うな・・・私が原因しているのか・・・くく、いいえ、エルフが弱いからか・・・」
牛頭目は自嘲気味に笑った。
「・・・あなたと無駄話をしている暇はありません」
「それはつれないですね。隊長」
「?参る」
「どうぞ」
牛頭目は鬼の宝杖を身構える。
ローリアンのサイリウム十手が煌めき、牛頭目の宝杖が黄色に輝く。
「サンダースネイク!」
「雷蛇っ!」
2人は同じヲタ芸の動きで、激しく接近戦でぶつかり合う。
「・・・この動きは!」
「どうしました隊長?何を驚かれているのですか?」
30秒の激しい打ち合いの後、ローリアンは一旦後ろへ飛び退く。
「・・・あなたは一体・・・」
「くく、私は牛頭目、鬼の四天王ですよ」
「・・・・・・」
「その動き、どこかで・・・」
「隊長、お話している余裕なんてあるのですか・・・奥義発動、カムイっ!」
牛頭目はヲタ芸奥義神威を発動する。
神速のスピードで光る杖がローリアンを襲う。
「アマテラス+神威っ!」
サイリウム十手が光の軌跡を描き、瞬きする暇もなく互いの攻撃が行き交う。
十手と杖を通したオタクとオタク鬼の魂の会話が繰り広げられる。
激しい斬撃のあと、
「・・・・・・くく」
「あなた・・・まさか」
エルフと鬼の対峙は続く。
ローリアンVS牛頭目。




