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入学パーティーです!

いよいよ入学

ご機嫌よう。マルゲリット・アルカンシエルです。今日から学園に入学します!パパは姉姫さまと私が同時に入学してしまうことを大変寂しく感じたようで、いつでも通信ができる通信石付きのネックレスを姉姫さまと私にくださいました。


学園は完全な寮制で、男子寮と女子寮に分かれて、さらに貴族クラス、平民クラスと分かれ、魔法科と錬金術科、騎士科に分かれます。平民クラスは本気で生きていくために必要な知識を勉強していくのに比べて、貴族クラスはのんびりと楽しく学んでいくスタイルです。この時ばかりは自分がお姫様なのが恨めしいです。せっかく魔法科に入れたのにお貴族様のお遊戯レベルの魔法しか習えないなんて…でも、姉姫さまと一緒のクラスになれて良かったです!これで姉姫さまを守れます!


ということで早速学園に登校します。といっても今日は入学パーティーだけなのですが、さすが本編、早速死亡フラグがあります。それはパーティー会場が放火され、姉姫さまが逃げ遅れるというもの。それをシュテル様がすぐに気付き助け出すのです。ですが、原作とは違いシュテル様は私をエスコートしてくださることになっているので、どうなるかわかりません。それに、せっかくの入学パーティーですから、水を差すのもなんですので放火自体を防がせていただきます!


シュテル様が私をエスコートしてくださるということで、姉姫さまのエスコートはフィリベール・ソレイユクシャン公爵令息がしてくださることになりました。フィリベール様は原作では所謂当て馬役でしたが、姉姫さまに一途でありながら妾腹のマルゲリットを蔑んだりはしないとても良い方なのです。フィリベール様は公爵令息でありながら容姿端麗な上才能に溢れ、性格もいいので姉姫さまの婚約者候補と目されています。


あ、この国では男子優先で王位継承権が与えられるので、ノルが王位継承権第一位、姉姫さまが第二位、私が第三位です。なので姉姫さまは国内の有力なご子息と結婚することは決まっているのですが、パパが熟慮している最中なのでまだフィリベール様に決定してはいません。


「じゃあ、エスコートさせて貰おうか。俺の愛しいプリンツェッスィン」


「はい、喜んで!」


シュテル様は相変わらずかっこいい。お姫様なんて照れるー。いや、実際お姫様なんだけれども。


「…」


「…」


私が入場すると、普段なら妾腹がどうのこうのと陰口を叩かれるのですが、この間のパパの宣言が効いたのか誰も何も言いません。むしろシーンとしています。これはこれで居心地悪いけど、シュテル様はなんでもない顔で澄ましているので私も知らん振りします。


私の後にすぐに姉姫さまとフィリベール様が入場してきます。途端に会場内は歓声に沸きます。姉姫さまは相変わらずの人気っぷりだなぁ。


校長先生の挨拶やら理事長の挨拶やら色々と長い話がようやく終わると、乾杯をしてダンスが始まります。


「さて、まずは一曲お願いしようか」


「はい、シュテル様!」


私とシュテル様はダンスでも息ぴったり。天才的に上手いシュテル様が人並み程度の実力の私を上手くエスコートしてくれるので、安心して踊れます。なので、普段心無い陰口を叩く方々もダンスの際には素直に私とシュテル様を褒めてくださいます。


「やはりマルゲリット姫君とシュテル様のダンスは息ぴったりだな」


「マルゲリット王女殿下素敵だな…まるで妖精のようだ」


「シュトラール王太子殿下も見事なものだな…さすがシュテルンヒンメルの王太子だ」


…でもやっぱり、主人公である姉姫さまには敵わないのです。


「…!見ろ、リュディヴィーヌ姫君はまるで天使のようだ!」


「まあ、なんて素敵なのかしら!さすがリュディヴィーヌ王女殿下だわ!」


「フィリベール様のエスコートも完璧だな…」


だよねー、姉姫さまにはやっぱり敵わない。でも、シュテル様と踊るのが楽しいから別にいいけれどもね!うん!


たっぷりとシュテル様との踊りを堪能した後、同じく休憩中の姉姫さまに声をかける。


「姉姫さま、姉姫さま」


「あら、私の可愛いメグ。どうしたの?」


「学園の薔薇園はとても見事なのだそうです!休憩ついでに、四人で見に行きませんか?」


「あら、それはいいわね!フィリベール様、いいかしら?」


「もちろんだとも。エスコートしましょう」


「じゃあ、行くか。俺の可愛いプリンツェッスィン」


シュテル様がさりげなく頬にキスをしてきます。ふふ、シュテル様ったら!でも嬉しい!


「おやまあ、見せつけてくれるな」


「あらあら、うふふ」


「シュテル様ったら、もう!」


「俺のプリンツェッスィンが可愛すぎるのが悪い」


そんなこんなで薔薇園に向かいます。が、私の目的は薔薇園ではありません。


「…薔薇園ならこっちから行った方が近いな」


近道を通る私達。ですがそこには。


…今まさに、パーティー会場を放火しようとする平民の姿が。


「…!何している!?」


「…!や、やばっ…」


「おい、お前。大人しく投降するなら口利きくらいはしてやるからこっちに来い」


「…っ!」


「…まあ!まさか放火しようとしていたの?」


「そうみたいです、姉姫さま」


よし、これでとりあえずパーティーの平穏は守られた!


「な、なんだよ!俺たちの税金を食いつぶしてる貴族のくせに!復讐すら許さないってのかよ!」


「復讐…?」


「とにかく、今すぐ投降するんだ」


「くそくそくそくそくそ!俺は姉ちゃんの仇を討たなきゃいけないんだ!邪魔するなよ!」


…彼は原作では名前も出てこなかった平民。しかし、彼がこんな暴挙に出るのには悲しい過去があったのです。


彼は元々ごく普通の平民。ごく普通の家系に生まれて、ごく普通の生活を送っていた。ところがある日、とある貴族の乗った馬車が突然暴れ出し、彼の姉の命を奪った。その貴族は、彼の家族に謝罪すらせず、端金だけ渡して解決した気になっていた。


でも、彼はそれを決して赦さなかった。そして、その貴族の娘が入学した今日、このパーティーで復讐することに決めたのだ。


…でも、可哀想だけれどもその復讐を叶えてあげることは出来ない。ごめんなさい。


「…とりあえず、魔法で拘束させて貰おう」


「一体何を思ってこんなことをしようとしたのかは知らないが、王族も出席する場で放火しようとしたのだ。未遂とはいえ、罪は重いぞ」


「…っ!くそぅ!くそ、くそ、くそ!」


「…なにがあったのかは知りませんが」


…嘘です本当は知ってますごめんなさい。


「きっと、罪を償って、その後幸せな人生を送ることこそ、あなたのお姉様への餞になるのではないかしら」


「…何も知らないくせに!」


「ええ、何も知りません。でも、腹違いの可愛い姉と弟がいるので、お姉様の気持ちはわかるつもりです」


「メグ…」


魔法で拘束された平民の少年を、抱きしめる。


「ごめんなさい。あなたの復讐を肯定するわけには行きません。でも、せめてあなたに限りない奇跡と祝福がありますように」


「…あぁああああああああああ!」


「メグ…」


「さあ、マルゲリット王女殿下。彼を学園の衛兵に引き渡しましょう」


「…メグ。可哀想に思うかもしれないが、この平民は罪人だ。俺からも口利きはしてやるから、今は…」


「…はい、シュテル様」


こうして平民の少年は衛兵に引き渡され、パーティーは無事に終わりました。


「メグ、彼のこと、落ち込まないでね」


「はい、姉姫さま…」


本当は、彼を救う方法があったならよかったのにな。

放火、だめ、絶対

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