なに切る? たとえば転生、接待ナシ。
それは現実世界でも常に悩まされてきた。
―― 手牌の渋滞。
社長単騎。
平社員がみっつ並んで暗刻。
課長が順番に並び、部長が待ち構えている。
裏を捲ればバンバン。
ドラマが待ち受けていただろうか。
のしあがる為に。
……ゴクリ。
「はい、ローーーン!!」
数えるまでもなかった。
まるで奈落の底に叩き落とされたかのようなその一打が決定付けたのである。
「字一色、大四喜、四暗刻!! ……おっと、裏爆ッ☆」
てんで弱かった。 博打の才能は皆無に近い。
ただ、付き合いだけは良くて。
「おいおい、そんなとこ振り込むかよ~」
「丸見えじゃねーか」
「青天井だかんな、どっさりおくんな♪」
年末年始の恒例行事。
麻雀。
たかが賭け事だ。
だが、そのダメージは規格外なのであった。
異世界とやらに飛んでしまうほどに……
「……はっ!?」
ふと覚醒した。
今まで夢を見ていたぐらいに。
ただ、目の前にいかんともしがたい光景が映し出されていた。
ゲームっぽく言うならば正規のルートを経てラスボスを倒し……裏面を制覇しようとしていた矢先なのだろうか。
それにしては、魔王を討伐するような最強の武器など装備されておらず。
むしろ、その魔王とやらはあと一枚剥げば防護点ゼロである。
分かりやすく言えば今や廃れた脱衣麻雀ゲーム。
一ヶ所のボタンを連打しかねない。
ちなみに手牌は。
コボルト一色、勇者単騎。
「え……なに、この状況……」
戸惑う自分に、神様が告げる。
『スキルを使いますか? ――yes、or、no?』
開いてみた。
ポチッとな。
10000ポイント。
ぜんぶ交換しても足りない。
それはつまり、完全に消費しても、結局覆されることが目に見えている。
たとえ、何百万と費やしても――。
どうしてこうなった。
転生したら、即座に役満だった件。
透明な麻雀牌ってのが、ざわざわ。
血液がいくらあっても足りない。
続きは描きません。
ノリで描いてみたけど『コボルト一色』って何だろ?
(;゜∇゜)