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BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
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【髑髏の心臓】首領

山賊【髑髏の心臓】を撃退した嵐・守護(らん・がーど)だったが、以外な強敵が現れた。

 俺は挟み撃ちに合わないように、少数の後方からやってきた【髑髏の心臓】を処分した。


少数部隊から撃退する。各個撃破の基本だ。


 まぁ、問題はこの後の主力をどうするかってことだな。

嵐・守護(らん・がーど)の体から炎は消えていた。


 峠の道、両側は切りだった崖がくねくねと続く。


3つ先の少し開けた場所に【髑髏の心臓】主力はいた。

 

汚い歯をむき出しにして、狭い峠道を50人ほどで奇声を発しながら襲い掛かかろうとしていた。

 

皆、徒歩だ、武器も様々


ただ、力だけで斧を振り回す者、歯が欠けた剣を大層に振り回しながら怒声を発する者、装備も陣形もへったくれもない。

 

ただ、暴力に飢えた馬鹿どもが俺を威嚇(いかく)しながら襲いかかってきた。


 もう何度も体験した光景だ。


 普通の人間なら恐ろしくてすくんでしまうだろうが、俺は思わずに獰猛(どうもう)に笑う。


 後ろには爺さんとメイラがいるので下がるわけにはいかない。


 1対大勢で戦う場合、いくつか方法がある。


まず、相手の大将をつぶして指揮系統を乱して混乱に乗じて殲滅(せんめつ)する方法。


先だってガウスとともにルミニア王国正規軍と戦った戦法だ。


 今回は、相手がただ力で押してくる馬鹿どもなので、立地に合わせて戦うと決めていた。


 道の両側は切りだった崖。

逃げたり隠れたりする場所がない。


 嵐・守護(らん・がーど)にとっては有利な立地条件だ。


山賊が目の前に迫ってくる、汚い唾を吐きながら目をちばらして力任せに襲いかかってくる。


 再度、嵐・守護(らん・がーど)の燃えるような赤髪が逆立つ。

 

目が獰猛に赤く変わる。


嵐・守護(らん・がーど)は両手を山賊に向けて突き出す。


両掌が赤く熱く光りだす。


両掌からものすごい炎が立ち上る。


両掌の炎がどんどん赤色からオレンジそして、青色に変わっていく。


炎の温度が急激に上昇している証だ。


ボォオオオオーーー!!


 山賊が驚愕の目で見開きながらも特異な獲物(武器)を持って襲いかかってきた。


その瞬間、嵐・守護(らん・がーど)の両掌から物凄い勢いで青色の火炎玉が飛び出した。


 超高温に高められた、青色の火炎玉は目の前に迫った、山賊に向けて放たれた。


そして山賊達の胸を貫き、更に後ろの山賊の胸を貫き、そのまた後ろの山賊を焼き、一撃で10人以上を青い超高温の炎は焼貫いた。


 しかも連続で5連射超高温の青い炎玉は両手から放たれた。


【髑髏の心臓】達は逃げることも受けることも交わすこともできず、焼き(つらぬ)かれた。


 一方的な虐殺だ。相手が悪すぎたのだ。


50人いた山賊はもはや2,3人しか残っていなかった。


嵐・守護(らん・がーど)は残った山賊に声をかける

「お前たちの首領はどこにいる?」


怯えた表情で一人の山賊が即座に答える。

「親分はこの谷の、、、、ぐはっ!!」

背中から槍が山賊を貫いていた。


崖の上から声がする

「【髑髏の心臓】におしゃべりな奴はいらねぇんだよ」

吐き捨てる。

 

こいつが首領で、槍を崖の上から投げ放って部下を殺した、、、


亜人種だった。


蜥蜴男(とかげおとこ)が不気味に笑いながらたたずんでいた。


 身長は2メートル以上、クジラでも貫くような矛を片手で軽々と持っていた。


何よりも異様なのはその姿形であった。


言葉を話す、蜥蜴男(とかげおとこ)

 

固い鱗がびっしりと体中を覆い、2本の足で立ち右手には自分の身長よりはるかに長い矛を持ち、左手には体に生えてる鱗で作ったような細長い盾を持っていた。


 とても、人間には見えない。

異常な魔物生物だ。長い舌をぺろぺろ出したり引っ込めたりしながら、こちらを爬虫類独特の感情の無い縦長の目で睨んでいる。


嵐・守護(らん・がーど)はすぐに気づいた。

(こいつはつえぇな)


「爬虫類は好きじゃねぇんだ、出来たらどっか行ってくんねぇかな」


愉快そうに蜥蜴男(とかげおとこ)が言う

「グェ、グェ、面白いことを言う小僧だ」


「体から炎を出すみたいだが、俺様に通用するかな?」


嵐・(らん)「蜥蜴は焼いて食うもんだろ」


瞬間、蜥蜴男が消えた。

崖の上からこちらに向かって飛び降りたのだ。


右手の矛で嵐・守護(らん・がーど)を貫こうと襲いかかってくる。


 即座に掌から超高温の青い炎を放ち防戦する(らん)


山賊10人以上を一気に焼貫いた青い炎の塊が蜥蜴男(とかげおとこ)を貫いた・・・・


はずだったが、蜥蜴男(とかげおとこ)は左手の鱗盾(うろこだて)嵐・守護(らん・がーど)の攻撃をなんとはじき返した。


「!!」


嵐・守護(らん・がーど)はすぐさま大剣を抜き放ち蜥蜴男(とかげおとこ)の攻撃に対応する。


 っが、蜥蜴男(とかげおとこ)の姿は何処にも見当たらなかった。


消えた、、、


 (らん)が長年の戦闘感とでもいうものか、自然に体が勝手に動いていた。


自分から、前に転がりながら飛びすさる。

 

っと、そこに今まで(らん)がいた頭のあたりを蜥蜴男(とかげおとこ)の矛が空を切る。


BUUUN!!


 今度は(らん)が炎の剣で切りかかる。


蜥蜴男(とかげおとこ)はまたもや消えていた。


(らん)(どこだ?)


 次の瞬間、(らん)の腕に激痛が走った。


蜥蜴男(とかげおとこ)の矛が(らん)の左腕を貫いていた。


「くっ!!」


よけきれなかったのだ。


血が噴き出す。


更に左肩から胸にかけて切りつけられる。


(らん)の傷口から鮮血がほとばしる。


「くっ!」


蜥蜴男(とかげおとこ)は保護色を使って姿を隠しているのだ。


しかも動きがとても速くトリッキーだ。


左右に切り立つ崖を右に左に飛び移りながら、攻撃を仕掛けてくる。


 予想外だった!(らん)はこの峠で戦う事を自分にとって有利だと判断していた。


何しろ(らん)の放つ火炎から敵は逃げる場所がないのだから、、、


こんな化け物がいようとは全く思っていなかった。


(らん)の体から血が噴き出し、切り刻まれていく。


看護婦のレイラが叫ぶ

(らん)さん、敵を見てはだめです。」


「気配です。真甦(まそ)で感じて下さい。」


|蜥蜴男が言う「グェ、グェ色男が台無しだなぁ~そろそろとどめだぜ!!」首領が瞬足透明(しゅんそくとうめい)で襲い掛かってくる。


 (らん)は目を閉じ、大剣をだらりと下げた。


心を落ち着かせ、集中する。集中する。集中する。


 赤い髪が燃え出す。閉じた目が赤色からまぶしく白く輝きだした。


その直後だった。


 (らん)が爆発した!!


ドッカカカーン!!


峠、全てを吹き飛ばすような、火炎爆発だった。


蜥蜴男(とかげおとこ)もたまらず、矛を崖に突き刺し体を崖に張り付けて、吹き飛ばされろのを防いだ。


しかし、吹き飛ばされははしなかったものの保護色を使う事は出来なくなり姿を(あらわ)にした。


蜥蜴男(とかげおとこ)がたまらず「グェ、こ、こんな力が!」


(らん)の両眼が開く「そこか!!」


続いて(らん)は大きく飛び上がり蜥蜴男(とかげおとこ)に向けて、拳を振り上げた。

 

拳は超高温の青色ではなく白く輝く炎に変わっていた。


そして蜥蜴男(とかげおとこ)を殴り飛ばした。


蜥蜴男(とかげおとこ)は殴られた瞬間、消滅した。


焼けたのではない。まさに消滅したのだった。


声をあげる暇すらなく灰も残さず消え去った。


メイラとダンディグスの乗った馬車は後方の丁度曲がり角にあった岩場に助けられた。


しかし物凄い爆風に激しく揺さぶられメイラも爺さんも馬車に必死につかまっていた。


(らん)は前のめりに地面に倒れこんだ。


体中、傷だらけで出血も多かった。


メイラの声が遠くから聞こえてくる気がしたが、そこで意識が落ちた。







 





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