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BU・SI・N・SYO  作者: イ-401号
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【火の民】部族集落その名は【炎元郷】(えんげんきょう)

いきなり【火の民】の族長に選ばれてしまった、嵐・守護ラン・ガードは動揺してしまう。

最近俺は、驚く出来事が多くなってちょっとやそっとでは驚くことは無くなってきた。


が、これにはたまげた。


石碑に刺さっていた長大剣を抜くと。


金貨50枚くれるからと連れてこられた場所には100メートル以上続くトンネルがあり、抜けてみるとなんと、1000人を超す人間が全員嵐・守護(らん・がーど)(ひざまず)いているのである。


俺は動揺しながら

「な、なんだどうした?」


思わず、後ずさる。


「これ抜いちゃまずかったか?」

「か、返す、返すからよ」


老人が一人前に歩み出てて来る。

背の丈は175センチくらい、60歳は超えていそうだがい矍鑠(かくしゃく)とした威厳のある男だった。


「始めて、拝謁賜ります。」


「我は、【火の民】部族村【炎元郷】(えんげんきょう)の長老 信牙・凱(しんが・がい)と申すものです。」


「驚かれるのは無理もございせぬ」


「ゆっくりと説明させていただきますゆえ我が家へお越しくださいませ」

「新族長」


俺はすっかり酔いがさめた。

(????新族長????)


俺は何が何だかわからないまま、1000人を超す人たちが跪く(ひざまずく)間を歩いて行った。

跪く皆の視線がうるうるしている気がするのは俺の勘違いか?


そうでもなさそうだぞ、泣いてる奴もいるじゃねぇか!


どういうことだ?


「どうぞ、狭い家ですが、、、」

信牙しんがと名乗った長老と5人の男たちが入ってきた。


広間のような場所の一番奥に俺が座らされ、正面に信牙(しんが)その周りを屈強そうな男たちが5人ぐるりと周りを囲み胡坐(あぐら)を組み座る。


信牙(しんが)が仕切って話しかけてくる。

「新族長、お名前をお尋ねしてもよろしいでしょうか?」


「俺は嵐・守護(らん・がーど)傭兵を生業としてる。」


そこにいる俺以外の人間が驚愕の目を俺に向ける。

「な、なんと嵐・守護(らん・がーど)様とおっしゃられますか!!」


この場にいる全員が何でかわからんがとても驚いた顔をしている。


俺はさっぱり呑み込めず1人

「???」


長老が気を取り直し話し続ける。

「ここにおる5人は左から」


【竜・威】りゅう・い

【門・夷塚】もん・いずか

【初瀬・燕】はつせ・つばめ

【岩・破砕】がん・くらっしゅ

【界・爆弾】かい・ぼん


「と申します。時を重ねて覚えていただければ幸いと存じます。」


そこで、冷静になった嵐・守護(らん・がーど)が言った。

「お前ら全員【火の真甦】を持ってるな、しかもみんなつえぇな」


「じゃ、ここが【火の民】の村か!」


信牙(しんが)が答える

「左様でございます。ここが【火の民】が住まう【炎元郷】(えんげんきょう)でございます。」


休火山の火口をくりぬいて炎元郷はあった。

村の中央から見ると周りはぐるりと崖に囲まれ天然の要塞だ。


炎元郷の中には田畑が沢山あり火山の熱と豊穣な土のおかげで野菜の育成は早く豊作続きだという話であった。


家は石造り1階建てで、長屋のような感じだが、清潔で住みやすそうだった。


そしてロリーデ城主が言っていた


「アースウェイグ帝国の最高機密」


とはこの事だったのだ。


それは


竜騎馬の牧場があった。

1000頭以上、体の小さい子供からタテガミが真っ白になった老齢の竜騎馬が放牧されていた。

竜騎馬はこの炎元郷でしか育たないのだ。


長いトンネルはこの火山の内部に入るための隠し道だったのだ。

しかも、入り口は【魔の法寿】で守られている。


(らん)が戸惑いを口にする。

「でっ、その新族長ってなんだ?」


信牙(しんが)が答える。

嵐・守護(らん・がーど)様が今お持ちの聖剣【誉武号牙炎】(よぶごうがえん)嵐・守護(らん・がーど)様をお選びになりました。


俺は?な感じで

「剣が俺を選んだ?」


信賀(しんが)がしっかりはっきりと答える。

「はい」


「聖剣は主となる者を己で選びます。」


「主となった者しか聖剣は扱えませぬ」


「そして、代々【火の民】の族長は【誉武号牙炎】(よぶごうがえん)が選びます。」


「先代族長が亡くなり、30年もの年月が経ちます。」


俺は疑問に思い

「じゃ【火の民】は30年間族長不在でこの馬鹿でかい剣はあの石碑にずっと刺さったままだったてのか?」


信賀(しんが)は淡々と話す。

「左様にございます。」


俺は疑問に思っていることを再度尋ねる。

「この剣はピカピカで30年間もあそこに放置されていたとは思えんがな~」


信賀(しんが)は誇らしげに目を細めて眉毛も真っ白な顔を凛として

「聖剣は時間を超越しております。古くなることはございません、もちろん刃こぼれ等もする事もございません。」


俺は気になったことをどんどん言葉にする。

「そんであの石碑に刺して、報奨金をかけて試していたってことか」


信賀(しんが)が朗々と答える。

「聖剣牙炎をあの石碑に刺したのは先代様です。」

「聖剣を扱えるものは聖剣に選ばれし主だけでございます。」


俺はそれでも動転しているのか質問攻めにする。

「この村にだってこれだけ強そうな奴等がいんのに試さなかったのか?」


信賀(しんが)は沈痛な面持ちで

「もちろん、全員試しましたが、誰一人聖剣を抜ける者はおりませんでした。」


俺はうさん臭さをぬぐえず

「・・・・」


「たまたまじゃね?」


信賀(しんが)が年の割に迫力を出して大声を出す。

「たまたまで聖剣は扱えませぬ!!」


「すいません。」でかい体を小さくする。


信賀(しんが)は言いすぎたと思い

「い、いやこれは失礼を」


「急な事ゆえ、驚かれるのもごもっとも、しばしこの炎元郷にて滞在されては如何ですかな?」


「いろいろ、珍しい物も多くございますし、我らも嵐・守護(らん・がーど)殿のお人柄を知りとうございます。」


「そうだな、族長云々は置いといて、俺もここに来るのが目的だったんだ」

「しばらくやっかいになってもいいか?」


信賀(しんが)は喜び微笑むと白い眉毛で目が見えなくなる。

「もちろんでございます。」


「まずはここにいる5人は火の民最強を誇る紅蓮の5柱です。」


「憶えていただけると光栄です。」


(らん)殿の案内やお世話は【竜・威】(りゅう・い)にさせましょう」


「よいな、竜・威(りゅう・い)


「はっ、かしこまりました」

俺より少し若そうな、小柄だが、髪の毛は俺と同じ赤色で顎がシュッとした青年だった。


そういえば、火の民は色の濃さに個人差はあるものの皆、赤い髪をしていた。


嵐・守護(らん・がーど)の燃えるような真っ赤な髪の毛










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