素晴らしき結婚式
リューイは全身白色の正装に、白色の手袋を手にはめずに右手に持って、己が族長と四海聖竜王こと、元アースウェイグ帝国皇帝陛下リスティアード・ローベルム・アルヴェス・アースウェイグが待つ、【謁見の間】壇上に向けてゆっくりと、最愛の妻となるリン准将の右手を優しく握りながら歩き出す。
楽技団の演奏が、重厚に高らかに鳴り響く中、二人はアースウェイグ帝国と大炎元郷の重鎮が居並ぶ中を堂々と、ゆっくりと幸福を運ぶように歩いていく。
不死鳥騎士団団長となった、フーカ・セロ武神将はランガードより直接譲り受けた、武神将を表す深紅の外套を羽織り大声で祝福した。
「リン!!幸せになるんだよ!!」
同じく、同期入団し共に自分を磨く事に切磋琢磨してきた、ラウミ千竜騎士長始め、シュカ千竜騎士長、ホセ千竜騎士長が声が枯れるまで祝福を心に込めて、叫び続けていた。
皆、あの異世界侵略戦争を生き延びた、強者たちだ。
しかも、リンの相手は自分たちが最も信頼する上官であった、【火の民】リューイ元准将だ。
喜ばないはずがない!!
リンの努力と真甦の能力を熟知している、友人としていくつもの窮地を共に生き延びてきた戦友として、素直に心から湧き上がる興奮を今は力いっぱい吐き出していた。
もちろん、不死鳥騎士団意外にも沢山の人々に、祝福されていた。
【火の民】は当然。
死地を共にした寡黙なイグシア鷹王。
帝国騎士の誇りの象徴【武神将】始め、帝国騎士の面々。
リューイの見知った者も多く。
何より、あのランガードの優秀なる副官としての能力と実績をよく知る、帝国騎士は数多くいた。
祝福と喝采の嵐の中をリューイとリンは、幸福そうな顔でお互いを見つめ合いながら、手を握り合い未来への幸福という道を歩んでいく。
壇上まで、歩み寄ると豪奢な金髪を揺らし、長身超イケメン元皇帝が宣言する。
「大炎元郷リューイ正義管理執行最高長官と不死鳥騎士団所属副団主リン准将の結婚式をこれより執り行うものとする。」
俺達はこの4日間、酒を飲み続けて眠ることも無く、ただひたすらそれぞれの愛飲酒をほぼ片手にいつも持っている状況だ。
一般の官僚や武官、貴族たちは多少は休んだり睡眠を取ったりしているが、中心人物の俺達は大将ことリスティアードが休もうとしないものだから、誰一人として休もうとしない。
ただ一名を除いて、、、
それは当然、ランガード本人だけなのだが、、、
また、その理由もこんなバカバカしい集まりに付き合ってられない。
ッというのが、正直な気持ちだがリューイはじめシュスに、それぞれ窘められながら、何とか我慢してこの4日間付き合ってきたのだったが、親友のリューイと自分が育てて来た大切な仲間のリンが結婚する今だけは、心から喜びをあらわにしていた。
隻眼の目で、リンを見て
「綺麗だぞ、リン。」
リンはパッと頬を赤らめ
「ありがとうございます。団長!!」
今にも敬礼しそうな勢いで、答えてきた。
俺はにこやかに
「おいおい、この場で団長はねぇだろ。」
普段人前に立つことを以上に嫌う男とは思えないほど、今日のランガードは皆の前で、自然体で堂々としていた。
レィリア新皇后との一件で、自分を鍛え上げる事に目覚めたようだ。
元々自己鍛錬には、誰よりも強く厳しいランガードだ。
変わろうと思えば直ぐに変化できるのは、ランガードならではだろう。
リアードは、にこやかに幸せそうな二人を見ながら
「それじゃ、始めに二人を知る戦友の挨拶からだね」
右手を優雅に、振り二人を知る戦友とやらを紹介する。
ズン!!
巨体が、一歩一歩確実に歩いてくる。
【火の民】5柱の正装を着て
そう、元不死鳥騎士団所属の岩・破砕だ。
堕天使ルシフェル一党との傷痕が、痛々しく顔や腕、正装から出ている部分に多数残っているが、その顔はとてもにこやかに朗らかであった。
それはそうであろう、族長の次に敬愛する【火の民】最強5柱が長のリューイと共に戦い鍛え合った、リン准将との結婚である。
それに傷は戦士としての勲章だ。
実際、ランガードの裸を見れば全身傷痕だらけだ。
それだけの人生を送ってきたのだろうが、それを恥と思う事は、ランガードはじめ紅蓮の戦士には一人もいなかった。
岩・破砕は二人と共に、生活し鍛え合い、戦い合った仲だからこそ分かり合える、気持ちがある。
リアードの人選は、間違っていなかった。
しかし、岩・破砕は意外にも、異界戦役で自分の身代わりとなって戦没した、【火の民】元5柱界・爆弾の遺品である短剣を自らの腰に差し、界・爆弾の妻武照・爆弾を伴っていた。
武照・爆弾が始めに、前に進み出て手に持っていた、装飾された深紅で鞘に収まった短剣をリンに差し出す。
リンは、意味が解らず受け取っていいものなのかどうか考えていると、優しく
「リン様、この短剣は【火の民】である者の証です。」
界・爆弾の妻は、女性らしく新婦を気遣い優しく丁寧に話す。
リンは即座に理解して
「それでは、私も【火の民】に入れていただけるという事ですか?」
「心より歓迎いたします。リン様。」元5柱の妻は、自分の娘の様な年頃のリンに心から祝福を述べた。
リンは不死鳥騎士団准将と正式に【火の民】5柱の妻という証を譲り受けたのだった。
続いて岩・破砕が大きな体に相応しく大きな声で
「リューイ長官、リン准将 心よりお祝辞申し上げる。」
「リューイ長官は、【火の民】の実質的な指導者であり、その能力、人柄は【火の民】5万人を代表して、俺が保証します。」
「リン准将は、帝国騎士となる前から人一倍訓練自己鍛錬に勤しみ、自分を鍛えてきました。それは、俺から見ていても呆れるくらい真剣で、努力家の頑張り屋でした。」
「この二人ならば、きっと幸せな家族を築き上げてこの大陸中を幸福にしてくれると確信します。」
「リン准将のご両親には、【火の民】を代表して祝福申し上げる。」
巨体が、【謁見の間】の壇上端にいる、リンの両親に向かって深くお辞儀する。
やっとこの場に居る事に慣れてきた、リンの両親は岩・破砕に対して、深々と二人揃ってお辞儀して挨拶する。
リューイはにこりと微笑み巨体を見上げて
「ありがとう、岩・破砕、その短剣は悪鬼血族との決闘に使った、界・爆弾の物だね。」
最後に岩・破砕は、リューイを見て
「界の兄貴もきっと、向こうで喜んでますよ。」
「うん、そうだね」リューイも短く答える。
隣で控えていた、リンも控えめに不死鳥気団時代の元上官に対して
「岩・破砕様、これからも私は正義と平和の為に頑張り続けます。ご指導ご鞭撻よろしくお願い致します。」
今にも新婦のドレスで敬礼しそうな勢いであった。
いったい何度、この様な態度を取る事か、、、
軍隊という縦社会ならではの式に違いない。
武照・爆弾が「ふふふ」と笑いながら
「戦場に赴く訳ではありませんよ。結婚式には笑顔と花と歌で祝うものですよ」
「そうだよ。」っと、リスティアードは答えて、パンと手を叩く。
するとそこへ、黄金の一団がやってきた。
先頭にいるのは、大変美しく豪奢な真っすぐ伸びた金髪を揺らしながら特徴的な尖がった耳と、誇らしく様子で入場してきた。
エルフ族の一団と、エルフ族女王エーリア・ティンクル
である。
「リューイ殿にリン殿のご結婚に際して、我が一族の歌を御披露させていただく。」
(これもリスティアード陛下が用意していたの? まぁ~準備が良い事ですね、、、)
リューイの思惑とは別に、エルフ族一団の荘厳さは、見るだけでしびれるものがあった。
黄金の髪に、スタイル抜群の美男美女の黄金に飾られた一団。
金獅子近衛騎士団も基調を金色としているが、同じ金色でも雰囲気がまるで違う。
金獅子近衛騎士団は、近衛という役職柄見た目を慮って、金色の兜に鎧、盾、剣を装備しているが、あくまでもお役目は護衛と戦闘である。
エルフ族は自由の民。
弓の名手でよく知られるが、その雰囲気はまるで違う。
エルフ族は、キルヘッシュ妖精王の一族に連なる実現する数少ない神々である。
生きてきた年数も数千年と齢を重ねた、重厚で威厳さえ感じる厚さのある雰囲気は、寿命75年の人種には醸し出せないものである。
エルフ族の中から、女王を含めて5人ばかりの女性と10人ばかりの男性が前に出る。
何処からか、ハープのような音が静かに響いてくる。
そのハープの音に重なるように、一団の最後尾にいる女性たちが特有な鈴の音を出す、楽器を両手に持ちシャンシャン鳴り響く。
そしてブゥオオオオオーという、角笛のような音が鳴り響くと、エーリア・ティンクル女王と前に進み出た4人のエルフ族の女性が、とても高く澄んだ綺麗な声で歌を歌い始める。
(すごい!!)
リューイは溜まらず、心の中で感嘆する。
これまで、レィリア・アストネージュ新皇后や奥方様、ベルフェム様などの歌や舞を見てきた、リューイでもその荘厳さは、驚嘆に値した。
そして、更に前に出た10人の男性が、男性としてはやや高めだが、5人の女性の歌をハモリ後方から更に引き立てる。
(こいつはすげぇな!頑固だがそれだけの物はあるってことか)
思わず、ランガードも心奥で呟く。
ランガードの中にいる炎竜帝もささやいてくる。
『エーリア殿の歌は天界一と言われていたからな』
(そうなのか、確かにこいつはすげぇな)
エーリア女王を含む5人の歌い手は、両手を前に出し高らかにそして厳かに歌う。
その歌に更に重厚さと彩を乗せて、後方の10人の男性エルフがこちらは直立不動で、口だけ大きく開けて唄っていた。
楽器は、今の世界には無い楽器ばかりで、神秘さをふんだんに詰め込み輝かしく鳴り響いていた。
軽やかに鳴り始めたハープの様な楽器は、ヒトが使うハープの2倍は大きく、弦の数も20本は有り、大きさでは人を軽々と越えていて、大きなハープと言っていいものだろうか?と違和感がありすぎる大きな楽器だ。
だが、重さはあまり感じない不思議な素材で作られており、音色も涼やかさの中に、不思議な荘厳さも相まって心が洗われる様な音色を奏でていた。
鈴の音色も、複雑な多様な鈴が使われているようで、現世で出せる様な音色では無かった。
一番の特徴はやはり、このクソ長く腹の底に響く角笛だ。
長さで3メートルはあり、4人で4個の角笛を拭いていた。
相当に肺活量が必要と見えて、拭いている4人のエルフ族の男性の顔は、赤くなっていた。
しかし、その角笛から吹き出される音色も、荘厳さでは類を見ずその場にいる全員の耳を虜にしていた。
そのせいか酔っ払いが大勢いる謁見の間で、お喋りをする者など一人もおらず、ただ ただ 神々の歌の演奏に聞き溺れていた。
そして、何故か全員の瞳から涙が溢れてきた。
どんな苦境に立とうとも隣で戦う戦友が、倒れても涙など流さぬ【帝国騎士】が武神将も含めてすべての人が、溢れる涙を抑えきれずにいた。
アルセイスもレィリアもシュスでさえもその感動に心が震え涙が溢れてきた。
それは、神々の時代の今は失っている記憶や遺伝子が、震えるのだろうか?
神の生まれ変わりの【真甦持ち】の元神の生まれ変わりは、自然と心から溢れ出るこの気持ちを抑えきれずに、顔中涙に濡れていた。
約1名。嫌3名だけその場で、黙って立っていられる者がいた。
ランガード、リスティアード、キルヘッシュ。
この3人は、感動に心を震わせながらも号泣することは無かった。
それが何故かは、わからないが、元来の性格所以か、現役の神のせいなのか、記憶があるせいなのかわからぬが、感動はしても泣くという事は無かった。
見事という単語では表す事が出来ない、エルフ一族の歌は感極まり静かに終了する。
最後にエーリア・ティンクル女王が、両手を天に向けてリューイとリンに向かい
「このお二人に祝福と御加護を」
ッと言い、黄金の光を両手より発し、浴びせる。
黄金に輝く光の溢れるシャワーだ。
リンが溜まらずに、涙に濡れる顔のまま
「す、素敵です。」
流石のリューイもこれには驚いたようで、涙目の自分の顔を腕で乱暴に拭い
「エーリア様、エルフ一族の方々、素晴らしい演奏と歌をありがとうございます。」
感謝の意を言葉に込め、紡ぎだす。
エルフの女王は、高潔な瞳と態度で
「我が一族が、今こうしていられるのもランガード王始め紅蓮の戦士の皆様のおかげ、これくらいでその御恩が返せるものでは無いと思っております。」
「しかし、リューイ殿の気持ちはありがたく頂戴いたします。」
右手を胸に軽く会釈する、エーリア・ティンクル女王だが、それだけで、優雅で気品を感じる。
「よし、そんじゃ俺からもリューイに贈り物をやろう」
【火の民】族長であり、親友のランガードが吠える。
3歩ほど前に歩き出て
「【火の民】すまねぇが、場所を作ってくれ。」
流石の紅蓮の戦士もこれだけの命令では、どうすればいいかわからずにいた所を有能な副官は、直ちに命令を受諾しかみ砕き指示を出す。
「【火の民】は中央に、100メートル以上の場所を確保して、周囲に炎の結界を張り、黒曜天宮と他の人達を守って下さい。」
「「「「はっ!!」」」」
直ちに行動を開始する【火の民】であった。
改めて、リューイとランガードのコンビの神髄を見た感じであった。
直ぐに場所は確保されて、紅蓮の戦士は赤髪を逆立てて、瞳を灼熱に燃やして、炎の結界を張る。
普通の人々含めて、ランガード以外の全員がランガードが何をするのかわからずに見守っていた。
そんな中、ランガードは一人中央にゆっくり歩き止まる。
隻眼の目を閉じて念ずる。
(牙炎来い!!)
(応)
直ぐに応えがあり、ランガードの右手には2メートルを超す聖剣誉武号牙炎が銀色に光り輝き出現する。
その見事な輝きに、周囲の人間は ほうっ と感嘆する。
ランガードは次に全身を白い炎で包み込み、背中からは優に10メートルを超す炎の翼が出現する。
ボワッ!!
灼熱と暴風で謁見の間は、大荒れになる。
【火の民】がここに居なかったら、この時点で真甦持ちの帝国騎士でもほとんどが消滅していただろう
逆に【火の民】紅蓮の戦士たちにとっては、この場を守るという使命の為に我が族長から命を懸けて、守らねばならなかった。
暴風と温度がドンドン上がっていく。
流石に紅蓮の戦士たちだけでは、維持できなくなりそうだった時に、突然ランガードの周囲を厚く固い氷結が、結界となり現れる。
ランガードの妻、氷結の女王シュシィス・スセイン王妃
と娘のフェリアが、手を繋ぎ氷結の結界をランガードの周囲に張り巡らしたのだ。
幾らなんでも、このままでは【火の民】紅蓮の戦士でも手に負えないと判断したのだ。
ランガードは氷結結界など気にも留めずに、どんどん自らの能力と温度を上げていく
フェリアの隣にいた、息子のグエンが
「何やろうとしてるかわからないけど、場所を少しはわきまえて欲しいよね」
これ以上周囲に与える、影響が大きくなり過ぎたら死者が出る前に、自分も介入しようとするが
フェリアが一言
「お兄さま、大丈夫です。私とお母様で何とかなります。」
「まったく、クソオヤジは何を考えてんだか」
やや呆れて、最強の神であるグエンも呟かずにはいられなかった。
巨大の氷結の中は、強炎と爆熱の嵐で吹き荒れていた。
ランガードは白熱の隻眼を燃やし、自分の胸に手を当てる。
ヒトとしての形をすでになしていないほど、ランガードの全身は正に爆炎の塊となっていた。
その胸のあたりの中から、何か長いものが出てくる。
長い、1メートルを少し超す、炎の棒のようなものがランガードの胸から出現する。
そして、少しずつ少しずつ、氷結の結界の中の炎は、収まりつつあった。
美しく高潔なシュスが、娘フェリアに向かって
「もう、大丈夫ですよ。ありがとうフェリア。」
「どういたしまして、お母様は大丈夫ですか?」
フェリアは、顔を上に向け美しく誇り高い母親を気遣う。
「しかし、奥方様とフェリア様のお力で結界を張らなければならない贈り物とは一体何でしょうかね?」
何時の間にか、壇上を降りて様子を見に来ていた、超神速の新郎は心の声を思わず吐き出してしまう。
氷結を踏み砕いて、当の本人は何事もなかったように【謁見の間】に集う恐怖に引き攣れた顔をしている、皆を見てとんでもない一言を吐く。
「皆、どうした?敵でも現れたか?」
すぐさま言葉に棘を打ち込んで、話す金麗のレィリア・アストネージュだ。
「敵はあなたですよ!」
「黒曜天宮の中で、一体何をしているのですか!!皆を焼き尽くすつもりなの?」
全く反省の色が無い、ランガードに向かって現実を叩きつける。
「そ、そんなにひどかったか?」
爆熱の覇王は、即座に反省して謝罪しようとするも新皇后は容赦が無かった。
「自覚が無いのは今に始まった事では無いとは言え、此処にはアースウェイグ帝国と大炎元郷の要職に就く者やリンさんのご両親もいらっしゃるんですよ。」
「とても深く反省なさい。」
「は・い」
俺は素直にレィリアに向けて、腰を折り謝罪する。
「その辺してあげては、どうかね?我が娘よ。」
深緑のタキシードに杖を持った、紳士は音もなく近づき我が娘に声をかける。
キルヘッシュ・アクティア妖精王である。
「でもお父様、ランガードは誰かが本気で注意しないと危険です。動く災厄みたいなものです。」
(そんな、言い方しなくてもいいのに、、、、)
俺は胸に、自分の燃えがる胸から取り出した燃え盛る棒のようなものを両手で胸に抱きながら、ただひたすら下を向いていた。
先ほど、反省したばかりだというのに早々最強の元神とはいえ、変えられないところもあるという事か
そこに長身の元皇帝がひょっこり顔を出して、とんでもないことを言う。
「ランガード、今君が持っているのは君が作った聖剣だね」
一同が「「「「!!!!」」」」びっくりする。
ランガードは、レィリアに怒られて先ほど迄の覇気を失い下を向きながら
「ああ」
とだけ答える。