彼女の身体
少女に話しかけてみる。
「君も○○高校に・・・」
「はい・・あの・・・」
「なに?」
「あなたこのままだと確実に死にますよ・・・」
「えっ、じゃあ、あなたは・・・大丈夫なんですか?」
「いや死ぬんです、私には糸が要りませんから」
「あの・・・糸ってなんですか?」
「個人的な話でしたね・・・許して下さい・・なるべく早く離れた方がいいですよ」
「あっ、そうでしたね。じゃあ俺は・・・」
すっと立ち去ろうとすると彼女は
「駄目だ。やはりもう間に合わない・・・」
「えっ」
俺が驚くと彼女は俺を突き飛ばし、上に乗っかってくる
「糸・・・は貴方が預かって下さい。あなたなら大丈夫です」
その時だった
破壊音と共に辺りが真っ白になり・・・・
それから数週間後・・・
「はっ」
俺は病院のベットにいた。
「意識が回復しましたね・・・」
隣の医者はそういいながらカルテを開く。
「君、彼女のこと覚えているか?」
「はい・・・制服の彼女のことですか?」
「あの娘が君を守っていたんだ・・・それだけじゃない・・・自分の体を見てみろ」
左腕がやけになめらかなのは解る・・・
すると医者は鏡を取り俺の顔を映す。
「・・・・」
俺は言葉を失う・・
「半分は彼女の皮膚。腕も彼女のものだ」
だいたいの経緯がわかった。
俺があそこで彼女と共に倒れているのを発見した人が
病院に運んでいっていた。彼女は即死・・・
俺は皮膚が焼けていて腕は普通切り取る状態だった。
俺は病院で即死の彼女の皮膚と腕を貰ったのだ・・・
経緯を聞いた後・・・俺は何週間ここに居るかを医者に聞いた。
「明日には出られる」
「冗談でしょう。ふざけないで下さいよ」
「ふざけてなんかいないさ・・・これを見ろ・・・」
パソコンを差し出される。
「数週間の間に常人じゃ考えられないスピードで回復している」
「それから推測すると」
医者はエンターキーを押す
そこには明日の日時が書いてある。
「このときには君は普通の生活ができる・・・彼女に感謝するんだな・・・」