第3話 ミレアかわいい
いろいろ、キャラがぶれているかもしれませんがご了承ください。イケメンスマイル!
主人公のイケメンスマイルは男でもやられるっ!
今は、王様に会うために気が遠くなるような廊下を歩いている。これは確実に迷うだろう。
まだもう少しかかるようなので、観光気分で
王城?の廊下を見ているクラスメートを無視してこれからのことを考えることにする。
まず、あの王女様はいい人そうだな。テンプレだと僕達を奴隷みたいに使おうとするのも、あるけど多分大丈夫だろう。
逆に今心配なのは、姉さん達だよな……
一応声をかけておこう。
「姉さん達、大丈夫?」
「あ、霧谷君……大丈夫だよ」
「大丈夫、姉さん、無理しなくていいよ。姉さんと美香、司と美里だけは絶対に守るから」
「霧谷君……」
「何のために僕が強くなったと思ってるの?
まぁ、姉さん達は自分のことだけ考えてればいいから」
僕の言った言葉を聞いて安心したのか顔の緊張は、取れたようだが顔が赤い。
実際、姉さんと美香は一応武術はできるけど、
僕ほどではないからね。けどそこら辺のヤンキーなら、何人いても大丈夫だけど。
「そろそろ着くので、お静かにお願いします」
王女様の凛とした声が響く。
心なしか皆の背筋がピンと伸びたような気がする
現実だったら、日本の総理に会いに行くようなものだからなぁ。僕は何回か会ったことあるけど。
そして、デカすぎる扉が近づいてくる。
そこに王女様が手をかざすと、多分見たことないから分からないが、魔法の類なんだろう。何もしていないのに扉がギギギと音を立てて開く。
*
中に入るとこれまた金ピカで眩しいくらい豪華な部屋があり、真っ赤な絨毯の先には少し上がったところに、いかにも王様だ。という人が座っている。そして周りには貴族がいっぱいいる。
元の世界で、貴族のパーティーに出たことはあるが、その時に感じた舐め回すような視線を数倍にしたような、視線が来る。
僕の容姿は、銀髪なのでこの中では目立つのだろうか。特に視線を集めている気がする。
そして、その視線の先は女性の人が多い気がするのは気のせいだろうか?
何故貴族の女性の皆さんは僕の顔を見て、顔を赤くするんだ!……まさか、ティラの言った通り案外僕の顔イケメンだったりして……ないな。
「よくきてくれたな、勇者様方。私は、この国の王のガリウム・ベルト・ギルバートである。
まず最初に、すまない。私達の勝手な都合で貴殿達の生活を奪ってしまった」
もう50を過ぎているだろうというのに、30代と言われてもいいような体をしている。
そして威厳ある低い声を響かせて頭を下げた。
驚いた。ここに着いた時からいい人そうだと思っていたけど、頭を下げるとは……
「貴殿達には、最近この国を攻めている魔王を倒して欲しいのだ」
と、ここで正樹が質問をする。
「僕達に魔王を倒して欲しいのは、わかりましたが僕達は、地球には帰れるのでしょうか?」
「チキュウ?というのが元いた世界なのかはわからないが、これもすまない。私達は異世界から召喚するという方法しか知らないのだ」
本当に申し訳なさそうな顔をして、頭をまた下げる。周りの貴族が自国の王が簡単にペコペコ頭を下げているのを見て、慌てている。
が、勝手に召喚しといて帰れないと言われた、
こっちはいい迷惑だ。そして、帰れないという言葉をきっかけにクラスメートから言葉が飛ぶ。
「おい!ふざけんなよっ!」
「うそだろっ?!帰れないのかよ!」
「嫌だよー!帰りたいよー!」
「マママアアァァァー!!!」
暴言を吐いたり、泣き崩れたりしている人もいるが、一部のオタクの男子が喜んでいるようだ。
姉さん達は、帰れない、といったことはあれだったろうが案外落ち着いている。
その言葉を聞いて、周りの貴族達が口を開こうとするが王様に手で制される。
「勇者様方、怒る気持ちもわかるが、私達も苦しい状況なのだ。貴殿達には最上級のもてなしもする。訓練もする。……どうか、許してもらえないだろうか?」
と、ここで出てくるのが主人公正樹が皆の一歩前に立ち僕達に呼びかける。
「みんな!女神様がいっていた通り、僕達には力がある!ならそれを困っている人達に、使うべきではないだろうか?!」
しばらくの沈黙の後に次々とみんなから賛成の声が出てくる。
「そうだな!正樹が言うならしょうがないぜ!」
「俺もだぜ!」
「私も!正樹君がそう言うなら」
「まったく、しょうがないわね!」
おいおい、マジかよ……こいつらいってることわかってんのか?殺し合いもしたことない奴らが、魔王を倒せると思っているのか?
「王様、僕達はあなた達のためにこの力を使います!頑張って魔王を倒します!」
「おお、そうかそうか、有難い。それではこの後は、少し時間を開けてから夕食で皆の紹介をしようじゃないか!」
「はい!わかりました」
「それでは、貴殿達には一人一部屋とメイドをつけるとしよう。この後は、メイドに部屋に連れて行ってもらうぞ」
そういうと、王様はもういうことがないのか、下がっていく。すると、どこからか人数分のメイドが出てくる。
男子達は本物のメイドがいることと美人や美少女ばかりだということに、目を奪われる。
次々とメイドに皆が連れて行かれる。
友達の二人と姉さん達に、あとでこっちへくるように言うとメイドの中でも飛び抜けて美人の人がこちらへ向かってくる。
背はあの中でも少し高く。出るとこは出ていて引っ込むとこは引っ込んでいて、服の上からでも
スタイルの良さが目にわかる。
目はキリッとしているが、その中に優しさが入っていて、髪と同じ明るい青色だ。
鼻は高く。口はぷるぷるとしていて綺麗なピンク色だ。
「では、こちらへ」
そう簡単に告げると、僕の部屋になるだろうところへ連れて行く。
*
道中特に会話はなかったが、たまにこちらを見て顔を赤くしているのが見えた。その恥じらうような顔は、とても可愛かったがたまに置物にぶつかりそうになるのは、どうかと思う。
そして、部屋に着いた。部屋は学校の教室ぐらい広くて、大きなベッドがありソファとテーブルというシンプルな部屋だが、どこもかしこもピカピカで白い壁がとても映えている。
うちの母さんには敵わないがとても凄い。部屋を一回り見たところで、メイドの人がまだ赤い顔をしながら、こちらを向いてくる。
「こちらが、あなた様の部屋です。ほかの皆様もここと同じ部屋です」
「へぇ、それは凄いな。ところであなたはこれからは僕の専属のメイドになるってこと?」
「はい、何か分からないことがありましたらなんでもお聞きください」
「分かりました。じゃあ……あなたの名前は?」
そう言うと一瞬驚いた顔をしたが、すぐに戻し
まだ赤い顔がさらに赤くなる。
「大丈夫ですか?熱でもあるんですか?」
流石に赤かったので白くてスベスベしそうなおでこに手をつける。すると、赤かった顔がゆでダコのようになり、ふえぇ!と声を上げ後ろへ下がる。
「だ、だ、大丈夫ですっ!」
「そ、そうですか……あ、そういえば夕食は、多分王様のほかに貴族達も来ますよね?」
「あ、あぁ、はい」
「なら、服とかは変えなくてもいいんですか?」
「あ、そうです。あと1時間ほどで夕食が始まるので、それまでに着替えればいいかと」
「あ、やっぱりそうだよね。じゃあ今からお願いしようかな?」
「はい、わかりました。遅れましたが私の名前は、ミレアです。前はセリス様の専属メイドをしていました」
「僕は神威霧谷。あ、こっちではキリヤ カムイ
かな?それと、セリス様って?」
「あの、キリヤ様達のことを召喚した女性が
第一王女のセリス様です」
「あ、やっぱりそうなんだ」
「知っていたのですか?」
「なんとなくさ」
「……そうですか」
そんな、たわいもない会話をしていたら着替えが終わった。
「そういえば、キリヤ様はいろいろと慣れているご様子でしたが、元の世界では何をされてたんですか?」
「ん?一応貴族で、公爵だったよ。それでいろんなのに出てるって言うこと。次期当主としてね」
「え?!そうだったのですか。私は、キリヤ様のような人の専属メイドになれて光栄ですっ!」
「そんな大げさな……」
ミレアの顔が目の前に来て少し恥ずかしいと思っていると、ドアがノックされた。そしてすぐに、
さっき姉さん達に部屋に来てと行ったことを思い出し、ミレアに出て行かせる。
「おっじゃましまーす!」
「「「お邪魔します」」」
司の元気な声と共に女子3人が入ってくる。
もう皆着替えていていい感じになっている。
特に女子の3人は、学校で三大天使と言われているので、なかなかに神々しい。
「いらっしゃい、皆似合ってるね。特に3人、
一瞬どこかのお姫様かと思っちゃったよ」
と、そう微笑みながら答えると
「お前、初めて前から顔見るけどすげえ、かっこいいな!」
「ありがとう、で、なんでそっちの3人はこっちに来ないの?」
顔を真っ赤にした3人が、ニコニコした僕の顔と服を見てドアの前で止まっている。
ついでにミレアも。
「す、すげえな……破壊力抜群だぜ……」
「まぁ、いいや、ささっソファに座ってね」
落ち着きを取り戻した3人がまた、僕の隣に誰が座るか話し合って、埒が開かなかったので無難に司を隣で女子3人を仲良く座らした。
「さて、ここからは真剣な話だ」
お読みいただきありがとうございました。