俺は自殺したのに、言い残す事がそれだけかよ
「お疲れさまでした。
貴方の書く短編、脳味噌にウジが湧いている様な、死が紅とか好きでした」
女は俺の部屋を一通り眺めまわし、歩き回り、最終的に俺の愛用パソコンの前で足をとめた。
そこには、俺が今までの長い人生で書きためた小説が保存されている。
このシチュエーションで一番ヤバいのは、この女をネタにして書いたラブコメ、官能小説で、
最強は凌辱エロゲーのシナリオとして書いた、一般公開されていないだけの地雷である。
その中で俺は、この女に想像を絶する世界領域で、凌辱の限りを尽くしているし、
逆にこの女を魔性のドSとして、俺を貪らせたり、いろいろとしているのだ。
「さて、読んであげましょうか、この魔性のクソ男が、どんな小説を書いたのか、素直に気になるわ。
腐敗しきって、僅かばかりの使える、腐りかけの脳味噌を振り絞って、どんな戯言を歌っているやら、わたしは凄く気になる。
ふっふふ、どうせわたしを犯しているのだわ。
この圧倒的な美貌と、絶対的な知性で、この終わっている、既に死んだような男に、希望を植え付けてあげた、救世主、救い主であるわたしを汚している。
脳味噌の中なら自由だと、この男は絶対にやっていると、前々から気づいていたのだけど、、、。
まあいいわ、そういう男だから、一歩踏み込んであげたのだもの、そうおうの見返りよね。
ムッツリの、自分は性欲なんてありませんって、わたしを女として見ていない振りだけは、最高に上手かったわよ。
心の中では、ド変態の性欲を持て余して、その反動、ギャップとしての、あの高潔で潔癖、無欲な姿だって、わたしだけは知っていた。
少なくとも、貴方の瞳の奥にある、滾る性欲が透けて見えていたのは、真にそういう対象として見られていたわたしくらいなのだでしょうけどね」
俺は死んでいるのか、生きているのか、頭が曖昧だったのだが、限界を臨界で突破して、僅かばかりに身じろぎしながら、呟くように言った。
「うぐっぐぅ、、、見るなっ」
「え?」
パソコン画面を見つめていた女は、こちらを振り返った。
すでに白目をむいて、俺は死んでいたのだ。
普通なら驚くだろう? 俺はもっと驚いた自信がある。
この時、俺の心証は二つに分裂したのだ。
つまり、この女が俺を助けて、生き残る現実と、
この女が俺を助けないで、うすら笑いを浮かべながら、真に殺し死なす為の、止めをさす現実に、だ。
ハッキリ言って、この超感覚を原語で伝えられる自信が無い。
だけど、俺は二つの現実を同時に生きる、おそらく世界で二人と居ない存在だ。
そんな俺だったら、生きていても良いのでは思った。
究極の小説を書いて、この女に、愛する人に報える、満足させて、幸せにしてあげれる小説を書けると思ったので。
って、まず第一に、ここに生涯忘れえない無限大と思えるほどの感情がある事を明記する。
この臨界点の感情を少しでも、僅かでも覚えておきたいのだ、人間の記憶は忘却を免れないと知ってなお、この強度で100%で覚え実感できるように。
だから、最大限付加されただろう、決意の誓約を情感たっぷりの文章で今、俺は表すのだった。