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ボクの異世界侵略記  作者: チカさん
第3章 少年期移住生活編
60/93

3-11 新たなる始動2

 投稿再開しました。また隔日投稿しますので本作品を引き続き楽しんでいただけたら幸いです。

 俺は真っ暗な部屋1人たたずみ精神を落ち着かせていた。


今この部屋で魔術訓練をしているのだ。

冬の上月は創作活動に勤しんだが、下月は魔術訓練に重きを置いて生活することにしたのだ。


毎日のように魔術を行使する生活をおくっているおかげか、近頃、魔術の応用技術の1つ呪文省略(詠唱破棄)を習得できそうな気がしてきていたのだ。しばらく他が忙しかったため、その感覚を馴染ませる程度で放置していたが。


通常の魔術の発動までの要素は、姿勢を決め、呪文を唱え、魔術管理者との経路を保持する、この3つだけだ。


姿勢決めは魔術の発動自体に対してはあまり関係はないが、呪文を唱えれば、あとは魔術管理者との経路が通り、少々練習がいるがその経路を保持できればあとは勝手に魔術が発動される。発動中にもその経路保持をしていなければならないという制限はあるが。

つまり詠唱が終われば後はほぼ自動で魔術が発動するのだ。


そして呪文省略と呼ばれる応用技術はこの自動部分を呪文の省略度合いによって手動操作することを指しているのだとそう解釈するようになった。

昔は最初こそ省略して呪文を唱えていたが、途中から呪文を解読して、言い回し的に省略する方法がないかそちらに進路を変えたが結局無駄だったわけだ。いや、一部呪文の互換性を見つけたからまったくの無駄というわけでもなかったか。


今省略箇所として選んでいるのは魔術の発動時間に関する箇所だ。

この箇所は省略の有無に関係なく魔術は発動するが、省略せず発動時間を指定すれば魔力の先払いで発動し、省略かつ経路保持以上の魔力操作をしなければ一瞬で魔術が終了する。


今までの成果は魔力操作をして、一瞬に毛がはえた程度の時間の継続には成功している。今回の目標はこの継続時間をのばすことだ。


方法としては一瞬に毛をはやした方法と同じようなことをする。だがそれが難しい。

方法は魔術展開速度操作(早遅法)と似た方法なのだが、こちらは魔術発動前に干渉するのに対して、今回の場合は魔術発動中に干渉するのだ。



「うーん、昨日に比べて今日は魔力が動かしにくかったな。疲れてるのかな?」

今日数十回目のトライを経て、そう今日の訓練を締め括り終わることにした。



 今日の訓練も終え部屋から顔をだすと、


「2人とも時間だよ」


部屋で遊んでいたリュートとフェリの2人を呼び寄せた。


「ええ、もう」

「はやいー」

「じゃあ2人とも今日も頑張ってね」


朝の家事手伝い、その後勉強の時間、休憩の時間、糸紡ぎの時間。

これはリュートとフェリの最近1番多いスケジュールだ。母は今年の冬は俺に糸紡ぎをさせられないため2人を標的にしたのだ。

だが2人はまだ4歳だ、忍耐力なんて高が知れる。紡がせ始めた秋ごろにはそれはよく逃げたり泣きついて来たりした。

元々5歳になると他家へ奉公へ行く者もいるので、手伝わすこと自体には反対ではなかったのだが、母は最初から働かせ過ぎなのだ。

朝の家事手伝い、糸紡ぎの時間、糸紡ぎ、糸・・・・・・・

これが紡がせ始めた頃に母が予定していたスケジュールと思われる。それを何とか今のスケジュールまで調整した。



 俺は部屋の窓を開け暖炉に火をつけて明かりを確保し、2人は糸を紡ぎ始めた。

最近は大分紡げる時間ものびてきたし、出来上がる糸の品質も安定してきている。


そして俺は次なる作品の構想を練ることに取り掛かった。今年の冬は自由だからいろいろ作りたい物を書き留めたりそれに関する知識やアイディアを出してるのだ。




 数日後、今日も魔術訓練をしていると、


「うん?これは・・・いったか。もう1度」


更に続け、

「うん、これはいってるな」


僅かだったが魔術継続時間がのびた。



 1度成功しだすとあとは早かった。日に日に継続時間がのびていき、もうすぐ畑の方に目を向けないといけなくなってきた頃、ついにパターンに入った。

これで魔力と気力続く限り延々と魔術行使が可能になったのだ。

ただし発動時間を指定する魔術のみだがな。他の速度とかを指定する魔術はまたタイプが違うので呪文省略の訓練はまだまだ先があるということだ。



「今年の冬はとても有意義だったな」


今冬の感想を呟き、後日使う農具の点検のため倉庫へ向かった。8歳冬のことでした。




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