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ボクの異世界侵略記  作者: チカさん
第1章 幼少期編
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1-05 幼児プレイ4 絶望の宴

連続投稿継続中

 魔術の練習2日目だ。昨日は昼寝を押して練習したが一向になにも起こらなかった。今日は母に1度発音の確認をされ、いくつか注意点を聞いて練習開始だ。

 母曰く、魔術は呪文も大切だが、それだけではなく動作も魔術の理解には大切な要素だと。これは実演してくれたのでわかりやすかった。昨日と同じ呪文を唱えたのに指先の腹を上にした時と甲を上にした時で光の玉の出現位置が異なっていた。他にもいくつかパターンを見せてもらったり、魔術を使うと魔力が消費され、普段より疲れるからそれも魔術発動の一つの目安になるそうだ、また、呪文は大声で唱えても小声でも効果は変わらないという事も教えて貰った。・・少し笑いながら・・?・・・昨日の練習、扉越しに聞こえてたな。


今日の指導はここで終わり、あとは練習あるのみだそうなので1人練習に明け暮れた。ここに1人、部屋でぶつぶつ何か唱えている危ない人が誕生した。



 そんなこんなで4日目も朝の終わり頃、なんかいつもと違う違和感を感じた。それがなんなのか分からなかったが、ここに来てこの反応はもしかして、・・・と思いさっきの状況をよく思い出して、数回唱えるとまた違和感を感じた。間違いなく正解に近づいて来ている証拠だと思い、この違和感を感じるように、何回も何回も呪文を唱えた。そしてその違和感の中にも段階があることが分かりだした。



 その感覚がつかめてきた頃、そろそろ一旦休憩しようと気を抜きた時、自分が汗だくであることに気付いた。確かに今日も暑いが、それにしてもいつもとはかなり違う汗の量だ。これが魔力を消費したってことか、と実感を胸に昼に入った。


今日つかめた感覚がなんなのかを聞いておこうと思い母に聞いてみた。

「ママ、今日なんか変な感覚といつもより疲れたんだけど、これって何?」

「まぁ、もうあの感覚が分かったの。将来は大魔術師ね」

母は嬉しそうにしてた。・・だからあれは何?

「ママ、それであれは?」


「あぁそうね、変な感覚ってのは、魔術管理者と意思疎通するための経路が開いた時に感じるものね。この時、魔力が消費されるからいつもより疲れるのよ」

「その経路が開いた状態をそのまま保持しておくと、そのあとさらに魔力が消費されて、魔術が発動するのよ」

ふむふむ。


「それっぽい感覚もあったけど、発動しなかったよ」

「まぁ!それは管理者と対話はできているけど、魔力が足らない証拠ね」

驚きつつもそんなことを言ってた。


「魔力不足。ボクって魔力少ないのかな?」

俺は魔力チートじゃないみたいだ。


「そんなことないと思うわ。たぶん練習のしすぎで魔力が少なくなっているのよ」


「どうしたら魔力は回復するの?」


「魔力を使わなければ回復するわ。あとは食事や眠ることでさらに回復が早まるわ」

ふむ、それなら仕方がない、今日は昼寝をするか。

昼寝を終えたら、再チャレンジだ。


そして昼寝から起きると夕方になっていた。ちょっと寝すぎたが光の魔術だから夜の方が分かりやすいという事で結果オーライだ。こうなったら、家族の前でお披露目しようか?・・いや、ぶっつけ本番で失敗したら恥ずかしい。やっぱり先に練習で成功させるぞ。


水を飲みに台所へ行くと、ちょうどラックも帰ってきたところだった。よし、煽ろうか。いや、ラックも疲れてるだろうし、ここは労うのが正しいか。


「兄ちゃん、おかえりなさい。今日もお勤めお疲れ様です」

俺が労うと、

「にいちゃん?・・おつかれさま?・・・お前誰だ」

ラックがいきなり誰何してきた。

「ウィルに決まってんじゃん。農作業で疲れてるだろう兄ちゃんを労うのは弟として当然のことだよ」


「お前がそんな殊勝なこと言うわけないだろ、何を企んでやがる」


「企むなんてとんでもない、ボクはいつも兄ちゃんのことを思っているよ」


「お前普段兄ちゃんなんて言わねぇだろ、何か企んでんのは明白なんだよ。さぁ、とっとと吐くんだ」


「そんな、ボクはこんなにも「2人とも、遊んでないで夕食に行くわよ」

おおー、実にいいタイミングだ。


「はーい」

さて、ラック遊びもこの辺にしてご飯食べに行きましょうか。


 この切り返しにラックはこの会話自体がからかいだったことを悟ったらしく、俺の頭にゲンコツを落とした。テヘペロ。


さぁてこれで魔術が成功した時の煽りの練習ができたし、明日が楽しみだ。









 俺は、絶望した。



 ラックのぐぬぬを見たいという俺のささやかな楽しみがここに潰えた。これは、その一部始終を克明に記録したドキュメンタリーである。




 ウィル「ママ、今日の冷製パスタおいしいね」

 エアリス「そうね、今年は出来が良いというのは本当ね」

 エアリス「ラックは今日どうだった?」

 ラック「今日も大したことしてねぇよ、でもまぁ俺とは違うところで作業してた奴らが鶏に逃げられちまって、大慌てだったぜ。まぁ見ている分にはサイコーだったが」

 エアリス「ラック、笑い事じゃないわよ、ちゃんと逃げなさい。だいぶ大人しくなったとは聞いてるけどまだウィルくらいの子なら鶏のけりで死んじゃうこともあるんだから」

 ラック「そうは全然見えないんだけどなー」

 エアリス「だからみんな逃げおくれるのよねー、困ったものだわ」

 ラック「俺の話はもういいじゃん。ウィルは今日も魔術の練習か?」

 ウィル「そんなとこ」

 エアリス「ねぇ聞いてラック、なんと今日ウィルが「やめt」魔術管理者との経路を開いたのよ」

 ラック「・・・・・ウソだ。まだこんなにちっちゃいウィルがこんなに早く開ける訳ないだろ、母ちゃん疲れてるじゃない、今日はもう休みなよ」

 エアリス「もう全く、ラックは私をなんだと思ってるのよ。本当よ、まだ魔力が足りなくて発動できてないけど、ウィルに教えてないのに経路を開いた時の感覚に気付いたみたいよ」

 ラック&ウィル「「・・・・・」」




以上が夕食時にかわされた会話だ。



俺は今不貞寝に忙しい。




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