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ボクの異世界侵略記  作者: チカさん
第3章 少年期移住生活編
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3-07 移住生活7

 収穫作業も終わり、あと数日で冬になる秋の終わり頃、


「おはよう、今日は大分寒くなったね」

「ああおはよう、そうだな」


俺は井戸のところでヨークと挨拶を交わしている。井戸には既に手押しポンプが設置されている。

製作後に導入方法を考える予定だったんだが、さすがに製材加工は家の中ではできなかったので庭でしていて、母に何を作ってるのか聞かれたのだ。

いつもの『実験』の1言で乗り切るつもりだったが乗り切れなかった。俺はよく木材とかテキトーな物を仕入れてくるため最近は聞かれなかったり、聞かれてもその1言で乗り切れたんだが、さすがに大きすぎたようだ。


その結果、両親とお隣さんで共有財産についての話し合いが行われ、俺は特に労せず導入に漕ぎつけた。お隣さんもここの井戸を不便に思っていたそうで、俺を交えて話し合いを行った。

今回は角を立てないために俺は完全に職人側として向き合った。両親とお隣さんとの値段交渉はそれなりに面白かった。

その結果、2家庭で数年かけて支払うことに落ち着いた。

まけたとはいえ中々の高額品で本業に直接関係がないからこうなったのだ。支払わせ先の俺も急いで金を回収する必要もなかったしな。



「たしか今日だったよな、倉庫を見に行くの」

「そうだね」


ヨークが倉庫と言ってるのは井戸と洗濯場ともう1つある大きな共有財産の共同倉庫のことだ。


お隣さんは、昨年時は家の倉庫だけで十分だったそうで、うちも今年は家の倉庫だけで十分賄えているので空間的に必須な施設ではない。

だが件の倉庫は雪も入れて雪室としても利用可能な地下施設で、しっかり雪入れすれば夏の中頃までは冷蔵機能を有すほどの規模らしく、生鮮食品の保存期間が延びるし、熟成した食品はいつもよりおいしく、大人も子どももその魅力に負け気味で使おうかという話し合いをしているところなのだ。

だが俺の様な食べ物に関してそんなに興味のない者には冬の間くらい乾物や塩蔵品で十分で雪入れの労働に対してメリットを見いだせない。てかそのために干し野菜作ったんだから消費しないとな。


今日はその最終決定の日だ。

実を言うとまだ件の倉庫のメンテナンスをしてない皮算用状態で、皆移住当初に扉から中を覗いた程度で下りた事すらない未知の施設なのだ。

皆下りたことがない理由は簡単で階段が無かったからだ。たぶん梯子で上り下りしてたのだろう。そしてそのまま放置してたってわけだ。

現在は梯子も用意してるので両家庭の都合がついた本日、点検に漕ぎつけたってわけだ。


俺的にはデメリットが大きいので何か不備があることを希望している。



 雨漏りをみるため、昼前に男衆総出で大量の水を倉庫の上に撒き、昼を挟んでから数人で地下へ下りた。

俺とヨークは入口の反対側にある雪投入口付近の担当だ。


「この扉、腐ってないか」

「そうだね」


雪投入口の扉を開けてみると扉の内側が少し腐っていた。ちっ、軽微な補修項目か。


「漏れてるな。・・ここの亀裂が原因だな」

「それにこっちにも」

「この亀裂は浅いな」

「床にも入ってるがこっちはまあいいか」

「前のやつらが置いて行ったのか?この袋、カビだらけだぞ」

「それは後にしろ」


下りた組の話し声が聞こえてくる。聞く限り亀裂があちこちに入ってるっぽい。前の住人達は使ってなかったのかな?それともそんな状態でも使ってたのだろうか?


穴の下にラックがでてきた。


「そっちはどうだ」

上から見る限り投入口からのびる投入路は水漏れしているようには見えない。

「こっちは扉が少し腐ってるくらいで見たところ水が漏れてるようなところはないよ」



 しばらくして下りた組が戻ってきて話し合いが行われた。

「亀裂が多いが今すぐどうという感じではないな。補修して使ってたというよりは藁か何かで覆って雨漏りを防いでいたと思う」

「藁か。時期がわるいな、今から集めるのは難しそうだ」

「前はここに何か建ってたんじゃないだろうか。あそこの石は土台の石みたいに見えるが」


話しが脱線しつつ父親同士の話し合いの末、今年は使用を延期することになった。

中は亀裂による雨漏り以外にもカビだらけの状態だったらしく、今年は掃除をしてそのまま扉を開けっ放しにして様子見ということだ。

カビは夏場も放置し続けたのが原因かな?



 話し合いが終わってからとりあえず前の住人が放置していった物を出して廃棄することから始めた。

地下へ下りて見てみると、中は投入路と同じレンガ造りで大きな支柱が何本も鎮座しているだだっ広い1部屋で、いたるところにいろいろな物が放置されてあった。大体は袋とカゴだが長年雨漏りにさらされてきたのだろう、腐ってたり、カビが生えている物がほとんどだ。

それらを外へ出して焼却処分を行った。

本日はここまでで終了して、掃除はおいおいすることになった。





 数日が経ち、冬の上月に突入した。

移住1年目という事もあり、冬籠りのための資材はかなり余裕を持って揃えている。


そして今年は障子の実用実験をしようと思う。

既にトウモロコシ紙製の防水紙はできているため枠側を作ればいいだけで、主な目的は断熱性能を測ることだ。


障子を取り付ける窓は俺の作業スペースがある子ども部屋の窓にするつもりで、その窓は外開き窓なのでその内側に内開き窓として障子を設置する予定だ。

その設置方法が障子紙の断熱性能がかなり低かったときや、破けたときにリカバリーが簡単そうだったのが採用理由だ。



 内窓の窓枠を製作していると、

「ウィルー、ちょっと来てー」



「ママ、なにー?」

「はいこれ」

母に呼ばれて来てみれば、ポフンのワタの山を渡された。

「?_?・・・・くれるの?」

「そうよぅ、糸にして返してね」

「・・・・・・・・・・・・・・・」


どうやら障子関連のスケジュールは後ろにずれ込みそうだ。




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