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ボクの異世界侵略記  作者: チカさん
第1章 幼少期編
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1-04 幼児プレイ3 3歳魔術を知る

四日連続投稿中

 季節は流れ夏の上月1日。3歳になりました。正確な生まれは夏の上月中旬だったらしいですが、夏の月生まれは夏の上月1日に歳を1つ取る習慣です。

俺も3歳になったので、いろいろ見て回れるように許可がおりた。今まで母同伴で家の周りしか遊びにも行けませんでしたが、これからは行事などにも連れて行ってくれるようで、これを機に前教えてもらえなかった魔術を習えるよう努力したい思っている。

今日は父は仕事、ラックは近くの農家の手伝いに行っている。話の邪魔が入る可能性は極力排除された今日が狙い目だ。


「ねぇママー、魔術教えてー」

頼み込みである。


「あら、ウィルまたなの?」

「うん、ボクどうしても魔術を使いたいのー」

「うーん、ウィルは3歳とは思えないくらいしっかりしてるけど、やっぱりまだ早いと思うわ」

くっ、無理か、・・こうなったら最終手段。見よ3年間で鍛え上げた俺の幼児力を・・・

トタトタ(近づく)ポフン(抱きつく)、目を涙目に細工し、

「ねぇママぁおねがい~まじゅつおしえてー」

幼児、涙目、上目遣いの3コンボ、幼児トタトタ風味



「もちろんママが教えてあげるわ」

俺の勝利が確定した。予定通り。



 いやーここまで長かった、魔術とか魔法ってたいていはイメージによって発動して呪文はイメージ補強のためってパターンは前世で何回も見たから、1歳にならないうちから練習をしたけど、一向に何も起こらなかった。他にも(「ステータスオープン」)とかいろいろ試してみたけど同じく何も起こらなかった。だけどそんな杞憂はもはやない。

こうして俺の魔術道が始まった。



「まず、魔術について説明するわね。魔術っていうのは魔力と呼ばれるものと呪文を唱えることによって他の魔素や魔力に影響を及ぼす技術よ」

「魔素と魔力って何?」

「魔素はこの世界すべてに宿っているものよ、今日食べたパンや野菜、いま私たちが立っているカーペット、もちろん私やウィルにも宿っているわ、でも、私たち人に宿っている魔素は便宜上魔力と呼ぶことが多いわ」

ふむふむ。


「じゃあ呪文は?」

「呪文というのは魔力をどうしたいかを『魔術管理者』に伝えるすべよ」

?、魔術管理者?話がそのまま続いて、

「魔術管理者っていうのは私もよく知らないんだけど、昔からそう呼ばれている存在のことで呪文とその魔術を使いたいって意志をくみ取って魔術を発動してくれるのよ」


ふむふむ、つまり魔術ってのは所謂精霊魔法とか呼ばれるタイプか。

「つまり、魔術管理者?と意思疎通出来なければ魔術が使えないってこと?」

「そうよ、そのための言葉が魔術言語なの、普段私たちが使っている言葉とは違うのよ」


また外国語?覚えるのかー、前世では結構苦労したな。結局ほとんど話す機会なんてなかったし、基本読み専だったよなー。

でもまぁ今世では既に1つこの国の言語覚えてるから何とかなる気がするし、結局必要に駆られれば覚えるんだよな人間って。


「どれぐらいの人が魔術使えるの?」

聞いておいて損はないと思う質問をすると、

「そうねぇ、私はこの都市から出たことはないけど、この都市では半分くらいの人が使っていると思うわ」


「使えない人もいるの?」

「うーん、使えないっていうより習ってない人と使わないって人かな、練習すれば誰でも使えるわ。でも魔術を使う必要のない人や使うことをよしとしない人たちもいて、そういう人たちは使ってないし、自分たちの子どもにも教えてないわ」


ほぼ全員が使えるのに、使わないで生活している者が半分近くいるのか。俺もこの歳まで使わないでも生きてこれたから、絶対に必要な技能じゃないんだろうな。



「じゃあ呪文を唱える練習をするわよ、まずは見ててね」

そう言うと母が、手を掲げて、


「cma jsomrohikeou ouhoookitoyusiio covs」


母がよく分からない言葉を唱えると、指先に小さな光の玉が現れた。明るさは蝋燭の火と大差ないほどの光だ。つまり、しょぼい。

だが道具も使わず光を出すことなんて前世ではたぶんありえなかった。これだけでもこっちの世界はすごい。


「さぁウィル、ママの後に唱えてみて」

「その前にその呪文どういう意味なの?」

「うーん、ごめんなさいね、意味が分からない単語も多いの。でも音さえ合ってれば発動するからみんなこうやって練習してるのよ」

・・・意味が分からん、なんだそれ。


「意味を知っている人もいるの?」

「魔術師なら知ってると思うけど、それ以上は分からないわ」

「ママは魔術使ってるけど、魔術師じゃないの?」

「そうね、まずその話からしましょうか。私も一応魔術師と呼ぶこともできるけど、この場合の魔術師と言うのは魔学3級に合格した人が呼ばれる称号なの」

「魔学3級?」

「そう、魔術に関して広い知識と優れた技能を持っている人のみが合格できる試験なの。ちなみにママは5級を持ってるわ」

資格試験か、前世ではありとあらゆる資格があったな。名称を読むだけでも面白かった記憶がある。


話は脱線するがもうちょっと聞いてみようかな

「他にどんな試験があるの?」

「全部は知らないけど、都市政府が奨励してるのが、農学、樹学、建築学、治水学、魔学の5つね」

「持ってるとなんか得になるの?」

まぁ就職に有利とかだろうけど、


「職に就くのに有利よ」

やっぱり。

「と言っても1番下の級さえ持ってれば大抵は大丈夫よ。1番下の級は試験と名がついてるけど実際はその分野について最低限の知識と技能を教えて貰ってそれをある程度修めれば合格なの。魔学の1番下は7級なんだけど、今こうして私がウィルに教えてることと同じようなことが7級の試験なの」

そういうパターンの試験?か。

「そうなんだ、じゃあ今ボクは魔学7級試験を受けているようなもんなんだ」

「そういう事よ、合格に向かって頑張ってね」


話は脱線しつつ、本筋に復帰した。

「じゃあ、私の後について唱えてね」


こうして詠唱の練習は昼まで続いた。





「ウィル、発音はもう大丈夫と思うわ、もう今日は終わりにしましょう」

「えー、でもまだ魔術を使えてないよ」

不満を唱えると、

「後は、魔術を使いたいと思いながら呪文を唱えれば発動するわ。でも、ここが魔術を使う上での最初の難関よ、1日ぐらいじゃまず発動できないから、今日のところはおしまいね、分かった?」


こっそり練習しよう、でもここは、

「ワカッタヨ、ママ。キョウノレンシュウハオワリニスルヨ」

と言っておいた。


「ウィルも男の子ね」

そう言いながら、母は部屋を出て行った。・・ばれたか

普段ならそろそろ昼寝の時間だが今日は魔術の練習に当てよう、さぁ練習だ。


 夕方になり、父とラックが帰ってきた。今更だが、俺の父ベントルの事を話しておこう。俺の父ベントルは兵士だ。兵士と言ってもこの都市には大別して3種類の兵がいる。

まずは専任兵。所謂常備兵であり人数はかなり少ないそうだ。

次に特別徴集兵。別名丸太兵と呼ばれる者たちで春秋の木の伐採の際集合し、護衛および伐採、運搬の一部も業務に含まれる兵である。

最後に予備兵。これは範囲が広く、ほとんど専任兵と変わらないぐらい出動している者から逆に徴集兵と変わらない者までいる。

俺の父は予備兵に当たるが、ほとんど専任兵と変わらないくらい出動しているタイプだ。今現在は比較的近くに勤務地があるため毎日のように帰ってきているが、去年の夏から秋は北の方に詰めていたためめったに帰ってこなかった。


「今日はママに魔術を教えてもらってたの」

家での団欒中に俺はこの話題を投下した。さてどうなるかな?


「なんだって!俺だって5歳になるまで教えて貰えなかったのになんでウィルに」

ラックが母に詰め寄った。父も興味深そうに、

「もう教えたのか?俺もウィルが5歳くらいになるまで教えるつもりなかったんだが」



「ほら、ウィルちゃんって3歳とは思えないほどしっかりしてるじゃない、だから早めに教えておいた方がウィルちゃんのためになるかなと思って」


「確かに同じころのラックと比べれば落ち着いているが、・・教えたのは光の魔術か?」

「ええもちろんよ、あれは危険とは無縁だしね」

「・・・分かった、母さんの好きにしなさい」

父からの許可も出た。


「くっ、俺もその頃落ち着いてたと思うんだけどなー」

そうかぁ?その頃よく俺の頬をプニプ二して遊んでたと思うんだけどなー。両親も何言ってんだこいつって顔をしてるし。


分が悪くなったのか俺に向かってきて、

「がんばれよウィル、俺は応援してるぞ」


ッッ!なんだ・と・・・俺の目の前にいるこいつは誰だ?チェンジリングってやつか?いや待て、こいつってこんな顔だったか?いや、その前に・・・・・・


「まぁ俺ですら発動に10日はかかったからな、お前はもっとかかるだろうがな」(ドヤッ)


「(ラ○クのくせに・・ハッ!俺はいったい何を考えていた?)」


頭をぶんぶん振り回し、頭を切り替える。どうやら俺は混乱していたらしい、だが間違いない。こいつはラックだ。その日は許すまじラック以下略に記帳したのは確認するまでもない事項だった。




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