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ボクの異世界侵略記  作者: チカさん
第1章 幼少期編
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1-03 幼児プレイ2 俺この地を知る2

三日連続投稿中

 あれから数日が経ち今日は丸太市3日目だ。昨日父が帰ってきて、今日丸太市に行くようだ。

今日の朝、早速動物と魔物の違いを聞いてみたところ、

「動物と魔物の違いはないってのが最近の風潮だ。昔から同一の種族でも魔石を持っているやつと持っていないやつがいることが分かっていたから、大多数の個体が魔石を持っていたら魔物、そうでないなら動物と言っていたのを端的に言ったのが始まりなんだ」

ふむふむ。


「その個体間の違いはなんなのか研究された結果、その差は普段から魔力を使用しているかそうでないかという事が分かったんだ。つまり、我々が魔物と呼んでいるやつらは普段から魔力を生活の一部として使用している個体が多い、動物と呼んでいるやつらは普段から魔力をあまり使ってない個体が多いという事だ。そしてそれは人にも言える、魔術師と呼ばれる者や普段から魔術を使用している者は大体魔石を持っているんだ」


なるほどな、動物イコール魔物と考えていいみたいだな。

「ありがとーパパー」


「じゃあ俺たちは市に言ってくるからちゃんとお留守番してるんだぞ」

そう言って俺以外家から出て行った。やっぱり連れてってくれなかった。


さて、これからどうするかな?

前世ではそれなりにこの手の話を嗜んだ俺だが、やはりちょくちょく知らない話が出てくるな。これは一からこの世界について学んだ方が良さそうだな。


確か今までに確認したことは、


・1年は春夏秋冬の4つの季節とそれを2分割した8分割と定められている。そして1週間は15日で3週間45日で半月、ひと月が倍の90日で1年360日。うるう年もたまにある。1日は特に何時間とは決められていないが、日の出日の入りにそれぞれ1回、昼に1回鐘が鳴るのでそれと太陽の位置を基準に動いているようだ。

・この国の年月日はアイファルディア王国歴○年△(春夏秋冬のいずれか)の×(上下のどっちか)月□日という表記になる。ちなみに今日はアイファルディア王国歴382年秋の下月16日だ。

・気候は基本的に雨が多く、それぞれの季節にかなり特色がある。夏は日が長く、夏至のときなんてもうちょっとで白夜、冬至のときにはもうちょっとで極夜となる地域だ。この場所が高緯度地域か地軸の傾きが大きいかのどっちかだと思う。

・数字については慣れ親しんだ十進法で、お金については単位がティカおよび補助単位ゼン、1ティカイコール100ゼンだ。

俺の父の給料は半月(45日)約50ティカで、贅沢な暮らしをしなければ食事に困ることはないらしい。

・この都市はネマールという名前で約3万人が住むこの国第2の都市だ。そうは言ってもこの国で都市として機能しているのが王都オルタント、王都の北側のトュベリアン、南側のサルハルス、そして東側のここネマールの4つしかない。そしてこの都市ネマールは穀倉地帯が広がるこの国の食糧庫だ。

この都市は拡張に次ぐ拡張を重ねたため、非常に複雑な構造をしている。そのため、4つの区分に壁によって分けられている。第1層は領主官邸や都市の重要施設があり、第2層は富裕層の邸宅が並び、第3層は一般市民が軒を連ね、第4層は第3層の1割から5割の広さの農業地が40ほど存在するらしい。それぞれ外壁で隔てられているため上空から俯瞰したら段々畑や棚田の様に見えるだろうな。さらに西の門から出て半日ほどの距離には鉱石を掘るための唯一の衛星村がある。


ここまではこの国とこの都市のことで、生活は、


・水は井戸、河川から、家のかまどは小さく食事はほぼ外食、明かりは暖炉か蝋燭の火、そしてサウナ文化。トイレは所謂ツボで、ある程度溜まると専門の業者が取りに来て処理するらしい。中世ヨーロッパよりも衛生的だと思われる。

・服装は所謂洋服のようなものの上に外套を羽織るのスタイルだ。冬にはさらに外套をというかでっかいマントを羽織る。人々のほとんどは農作業に従事する人が占め、うちも農繁期には農作業に従事してるらしい。俺が小っちゃかったからここ数年は行ってようだがな。

・教育は基本家か丁稚奉公先で受ける。一応学校や私塾も存在するが、富裕層のために存在しており、うちではほぼ無理みたいだ。

・主なイベントは、春の春市と夏に王都からの交易団が来たときの交易祭と秋の収穫祭、春秋不定期開催の丸太市が大きなイベントだ。

・魔術についてはまだ早いと教えてもらえなかった。


俺が理解しているのはこの辺だ。




 さて、結構時間がたったな。両親たちはまだ帰ってこないのかな。

「「「ただいまー!」」」

帰ってきた。

「おかえりなさーい」

返事をすると、みんな機嫌が良さげに口々に丸太市の感想を言ってきた。

特にラックの

「マジいっぱいの丸太の山があっちこっちにあって、競りの熱気がたまんなかったぜ。あーあ、見れなかったウィルがかわいそうだぜ」

とにやにやしながら言ってきた。


「(ラックのくせに○まいきだー!)」

天丼とはやりやがる。


だが俺は精神(自制心)は大人、(表情筋)は強靭。お前の技などかわして見せよう。

「へーそうなんだー。おれもおっきくなったらつれてってモラウヨ」

そう言いながら部屋を後にした。・・ちょっと棒読みだったが大丈夫だろう。




 丸太市も終わり本格的な冬がやってきた。辺りは冬化粧に彩られ、雪うさぎが雪玉と戯れる季節となりました。


まあ2歳児には外は厳しすぎる。・・・そう言っても兄のラックは気にせず俺を家から引きずり出した。

『許すまじラック帳』にまた1ページ罪状が追加されたのは言うまでもない。


仕方ない、数年ぶりに雪上遊びに興じようか。




 いやはや、楽しいね雪遊び。近くの子どもたちが集まって行われたアパートメント対抗雪合戦、雪だるま用に作っておいた玉を投げられ壊したやつへの報復投擲、雪うさぎ用に作っておいた玉を投げられ壊したやつへの報復投擲。

 いやー、2歳児の肉体に精神が引っ張られてんね、なんか無性に面白いわー。

減刑処理は記帳しておきましたよラックさん。




 あっという間に寒い冬が過ぎ、春がやってきた、春は雪解けと種まきの季節。雪解けすぐに市があったようだが丸太市同様連れてってもらえなかった。

そして俺はもうすぐ3歳になるということで今までラックがやっていた家事の一部を手伝いをすることになりました。

取り込まれた洗濯物を畳む、薪割り(大きな斧は持てません)が俺に割り当てられた主な仕事だ。力仕事はまだできないが、もうちょっと大きくなると薪を部屋まで上げてきたり、水汲みも仕事に割り当てられそうだ。



 うちの家庭があるこの第3層南区は主に井戸から水を得ている。だが第3層西区にはなんと、上水道がある。・・・物理的に屋根の上にある水道らしい。なんか違う気がする。

この都市の第3層は東西南北に分けられていて、それぞれに特色がある。商店がしのぎを削る南区、職人工房の西区、可もなく不可もない住宅街東区、スラム併設北区と言ったところだ。都市の西には鉱山があるため持ち込まれた鉱石などを加工し、都市内や交易祭のときに売り払う。農産物に勝るとも劣らない稼ぎ頭だ。だからいろいろ優遇されていやがる。南区にも物理的上水道来ないかなー。


 井戸・・・ポンプ・・・手押し・・・か。手押しポンプって便利で構造とかも大体わかるけど、実際作るとなったら職人がいるなー。それに滑車と比べてはるかに楽そうだけど、人力だからなー、やっぱり自動がいいなぁー、揚水ポンプ作れないか?

将来のため考えておいてもいいかもしれん。


などと薪割りは疲れる割りに多少注意散漫でもできるので、取り留めのないことをつい考えてしまう2歳の春であった。




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