サイコ エッグ
選ばれしもの?
成虫のヘラクレスオオカブトが脱皮する夢を見た。脱皮をした後の羽根はアイスのチョコミント味の色をしており俺をひどく気持ち悪くさせた。
この夢を見れたのは先日参加した大学のゼミ合宿中に行われた飲み会で酔い潰れてしまい寝ている時だった。目が覚めると太陽の日差しが心地よくいい気分で、身体がものすごく軽かった。しかしあたりには誰かが暴れ散らかしたような跡があり、畳に爪でひっかいたような跡が無数にある、机は脚が一本なくなっており、壁には穴が三つ空いている。誰がこんなことをしたのだろうかと同時に、よくこんなになる騒ぎのなか俺は寝れていたなと、驚きと自分の生命力の強さを感じた。昨晩この部屋で暴れていたのは俺だった。友人の話によると昨日の俺は笑って泣いて暴れてのローテーションを3時間ほど続けた後ようやく眠ったという。ゼミの友人達からはお祓いに行ったほうがいいと本気で心配してもらった。やはり俺は狂っていた。
何年か前からもう一人の自分というのを感じれるようになった。それは突然現れた。高校の時、ある些細なことで友人と喧嘩をしたことがある、俺は気がついたら友人の首を力いっぱいに握りしめていた。詳しく言うと意識はあったので気がついたらという表現は間違いだ。自分のことを制御できなくなったと言った方が正しいか。そのあと先輩に止められてその場は収まった。俺は楽しかった。みんなの注目を浴びれて、心地よく思った。友人の首の感触、今でも覚えている。癖になりそうだ。
普段俺は友人たちから面白いやつと言われている。あとは正直すぎて要領が悪いや、たまにいいやつ、優しいやつとも言われている。
自分でもそう思う。女の子からはかわいいと言われている。悪い気はしない。しかし、みんな気づいてないだけなんだ。俺がどんなやつかわかってないだけなんだ。本当の俺を知ってしまったらおそらくみなさん俺と距離をおくでしょう。
両親はおそらく俺が生まれながらにして狂っているとに気づいていた。小学生の頃、親戚の家で飼っている犬が死んだ。理由は病死。そのことを電話で聞いた時俺は少し涙を流した。しかし、悲しいとは思っていなかった。するとそれを見ていた両親がちゃんと泣けるんだね、みたいな事を言ってきた。なんだそれ、その時はそのくらいにしか思わなかったその両親の言葉もいまならどういう意味で言ったかわかる。そういえば幼稚園の先生や小学校の先生には意味もなく避けられていた気がする。やつらも俺が狂っていることを知っていたんだな。先生からも避けられるなんて哀れな俺。
そんな救いようがない奴、それが俺。まぁいい意味で捉えると選ばれしもの?みたいな感じ。それが俺。俺は俺がサイコパスであることを最近知った。いままで自分がわからなかった俺にとってサイコパスという自分の正体を知れた。それだけで嬉しい。問題は俺の親父もそうだってこと。サイコパスの遺伝率は58%、どちらかというと親父からの遺伝だなと直感した。そして親父は祖母からその遺伝子を受け継いだと思われる。なぜかというと俺の祖母、つまり父方の母の親族に犯罪者がいるからだ。狐目犯。聞いたことがある人もいるだろう。未だ捕まっていない大罪人だ。その人は狐目犯として長年警察から目をつけられていた。しかし決定的な証拠を掴み取ることが出来ずに警察も手を引いたという。なぜ彼が疑われていたかというと日頃の言動が異常だったからだ。そんなサイコ一族に生まれた俺という個体。だからこの小説??作文??の題名をサイコエッグにした。
これからの人生、この血を活かすも殺すも俺次第。楽しみだな楽しみだな。
おそらく俺は人間と同じ造形をしているけど人間じゃあない。
一体なんだろうね?なんなんだろうね?
ゾッとした?じゃあまたね。
選ばれしもの?