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氷の溶ける時  作者: 千斗
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 鳴神公園から走り続けて(と言っても歩いて五分の距離を走っただけなのでそうたいしたことではないが)自宅まで戻ると、祖父母に怒られないよう、食事等の基本的な事を早々と済ませ、部屋に引きこもった。

 頭を冷やしたいわけではない。家に着いた頃には頭は十分冷えていた。かと言って、どうしてあれほどまで剣に怒ってしまったかを考えたいでもない。その理由も頭が冷えたと同時にわかっていた。

 冷えたからこそ。わかったからこそ。

 自分の記憶からその『理由』を消し去りたいのだ。『理由』を忘れたいのだ。

 布団を被ってガタガタと震えているのは紛れもなく私だ。静かなこの家の中では、自分が震える音だけが響いているように思えた。

 目を閉じる。耳を塞ぐ。けれど、震えの原因は一向に去りはしない。当たり前だろう。それは自分の中に住み着いているのだから。

 ――何年も前からずっと。

 どこからか竹刀の音が聞こえてくる。

 それは震えの音と合わさって私を締め付けた。

短くてごめんなさい。

次回より、過去編(らしくなる予定……)です。


2014.6.11.Wed

千斗

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