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氷の溶ける時  作者: 千斗
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2


 佐倉家が何かにつけて豪華である――つまりは金持ちである理由は、ひとえにこの剣道にある。

 幼い頃に聞かされた話によれば、戦国時代終盤にに手柄を立てた武士が大きな屋敷を与えられ、その後何代にも続いたが、江戸時代になり名も落ちた。しかしある時の当主が剣道をその家の者全てにやらせたところ、剣道の名家として再興し、それが佐倉家であった――。

 まるで、何かのお伽噺のような、そんな話だが、佐倉というこの家はその歴史の上に成り立っているのだ。剣道で全てを創ってきた家なのだ。それ故に、剣道の世界では名が通っている。

 祖父が言った「剣道を嗜む者達が集まって試合をする」というのは、佐倉家同様に剣道の名家と言われ数多くの戦績を残してきた家の者達が一同に介して剣道の試合をするものだ。各家の力を見る、つまりは剣道界での地位を決めるような、そんなものだ。

 ――くだらない。くだらないのだ。地位とか力とか、一体いつの時代の話をしているのだろうか。

 だが、それだけなら私は別に困りはしない。それだけなら。祖父は私にその試合に出ろ、と言ったのだ。

 祖父は知っている。私がこの佐倉家において一番ひけをとるということを。それを知った上であえて私を出すのだ。私を笑いものにするために。

「希歩、早く学校へ行け。遅刻など恥だ」

嫌なことを考えて、いや、嫌なことしか考えられずにいた私は、知らぬ間に朝食を食べ終わっていたらしい。祖父母両者の目に苛立ちが灯っている。

 ごちそうさまでした、とそう言って席を立つ。廊下に出ればまたあの桜に出くわして、少しだけ心が安らいだ。大丈夫だ、祖父はああ言ったがゆっくり歩いても充分間に合う。

 部屋から鞄を取ってきて玄関へ向かう。玄関もよくよく見てみれば豪勢なものだ。

「希歩」

いつ現れたのか、後ろに祖父がいた。

「いい忘れたが隣の白城も来る。それだけだ、早く行け」

祖父はそれだけ言うとスタスタと廊下を戻っていった。

 最後の最後まで嫌になるような事しか言わないのだ、あの人は。

少し支離滅裂かもしれませんし、進行がうまくいっていない気味です。

善処して、より良い作品にできるようにいたします。


今後ともよろしくお願いします。


2014.4.29.Tue

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