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新しい国王

エーリックとニィファは、ヴェ=リェの帰宅を諦めて街へと戻った


エーリックの父が作った車椅子はヴェ=リェの家に置いてきた

もう必要なくなったんだ

そして、それは悲しむべきことではなく、最良と言ってもいい事だ


そうして二人が街を歩きながら今後のことを話していた時、突然声をかけてきた人物がいた

見たことがある顔だった

王宮にいた国王の執事のハンスだった


ハンスはニィファを見ると、目に涙を浮かべた


「ニィファ様、病を治療することができたんですね・・・?」


「ええ、もう昔の私じゃないわよ」


ニィファはポーズを決めた

ハンスは感極まった様子だった


「よかった・・・・本当によかった・・・・・」


ハンスはそう言ったあと、涙はそのままに表情を固めた


「ニィファ様に伝えないといけないことがあります」


その報告により事態はまた動きだす

ハンスは結論を率直に述べた


「国王様が亡くなりました」


それはニィファにとっては少なからず衝撃的な事だった

実の父の死

しかし、それ以外の人達にとっても大きく人生を左右されてしまう出来事になるだろう


ハンスはそこで頭を下げた


「実を言いますと、ニィファ様の足取りは常に把握しておりました」


それを聞いてもニィファは驚くことは無い

エーリックも同様だった

それが当然のことなのだ


「しかし、こういう事態になれば、ただ見守るというわけにはいきません」


ハンスは現在の国の状況を説明した

それは、一言で言うと後継者を争っての内乱の可能性だった

国王には跡継ぎと呼べる人物はニィファしかいなかった

しかし、ニィファは身体が弱く、後継者となることはできない

つまり、次期国王の座を巡って、今王都は混乱を極めようとしている


「このままでは、多くの人命が失われてしまうでしょう」


ハンスはニィファに跪いた


「どうか、次期国王になってください」


その言葉を聞いて、ニィファはエーリックを見る


「どうする?」


それがニィファの簡単で率直な質問だった

それは国の運命をどうするというよりも、旅をどうするという意味にエーリックは感じた


エーリックからすれば国の運命を決める決断をしろと言われているものだ

単なる旅の中断を意味することではない

そうおいそれと答えられないような問題のはずではあったが


「いいんじゃないか?」


エーリックはそう答えた


ニィファはその言葉を聞くとハンスに答えた


「わかった。次期国王には私がなる。細かいことは任せる」


その言葉を聞くとハンスは二人を連れて王都に帰り、しばらくして次期国王の継承の儀式が行われた



その日、ニィファは王座に座った


そして、今後の政治を任せる人物を選定していく

すでに一定の地位を保証されていた人達もニィファは容赦なく切り捨てた

かつての宮廷医達も全員がその地位を剥奪された


ニィファはあらゆるシガラミを無視して、自分の目で見極めた人物だけを登用した

その中で


「今後、筆頭宮廷医としてエーリックを任命する!」


ニィファはそう宣言する

ニィファの決定にはその都度異論が挟まれていたが、特にこの決定には異論が多かった


「あの、筆頭宮廷医なんて役職はありません」


ハンスも続ける


「他の宮廷医との違いを説明できないことには、そのような役職は・・・・」


「・・・・・・・」


ニィファは言葉が詰まった

そして


「やっぱり、今の決定は無しだ!」


突然そう宣言する


そして、ニィファはエーリックに対して改めて向き合う


「メランデル国女王ニィファの名において、エーリックに命ずる」


「は!」


エーリックは跪く


「わ、私の・・・・婿になれ!」


「は?」


その場にいた全員が同時に反応した


ニィファは続ける


「これは国王命令である。拒否することは許されぬ。さあ、返事を聞かせよ」


エーリックはどういう言葉を言えばいいのか迷っていた

しかし、そんな猶予は無かったようだ

ニィファが追い打ちをかけてくる


「断れば死刑である!さあ、答えよ!」


「謹んでお受けいたします、女王陛下」


エーリックはそう答えた

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