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永遠に生きる魔女を探す旅

洞窟からの復路もそれなりに苦労はしたものの二人は無事に街へとたどり着いた

そして宿で疲れを取る


「ニィファ、思うんだけど」


そう前置きしたあとエーリックは続けた


「おとぎ話のいくつかは本当にあった話なんじゃないかと本気で思うようになった」


「私もそんな気がしている」


ニィファも応じる


「しかし、あれはかなり古い時代に作られた話じゃないかとも思った。実際は道も無ければ橋もない。少なくとも誰かが気軽に行けるような場所じゃなかった」


その点が奇妙だった

果たして道や橋の話は創作なのだろうか

いや、そうじゃない

あの物語が書かれた当時、本当に道や橋があったんだ

しかし、現在はその痕跡すら無いことを考えると、物語が作られたのは100年前や200年前の話ではない気がする

もっと遥かに古い時代だ


それを考えると、これまでに読んだおとぎ話の中で、今でも残っている可能性があり、探す価値があるものは限られてくる

それは・・・


「永遠に生きる魔女ヴェ=リェ」


少なくとも、魔王や異世界なんて話はリアルじゃない

しかし、もし本当に永遠に生きる魔女などというものが存在するのであれば、今でも生きている可能性がある


「探しましょう!」


ニィファはいつでも前向きだった

その迷いの無さに思わず苦笑しながらエーリックも応えた


「じゃ、決まりだな」


次は永遠に生きる魔女を探す旅だ

そしてエーリックはその旅にもう一つ、奇跡のような可能性を期待していた



しかし、ヴェ=リェに関するおとぎ話には場所に関する記述は少ない

人里離れた水と空気が綺麗な場所を好み、一人で住んでいると書かれていたくらいしかない


知っている土地で水が綺麗な場所と言えば心当たりがいくつかある

そして魔女は一人で住んでいると言っても、必要な時は街で買い物くらいはするはずだ

となると、有効なのは聞き込みかもしれない

街の住人以外で、一人で僻地に住んでいそうな女性を見かけたことがあるか、という質問だ


「これでいこう」


エーリックはそう提案した


それから二人はいくつかの街を渡り歩いた

ニィファは表面上は明るいが、どこか体に無理をしていそうな雰囲気も感じ始めていた

エーリックは意図的に旅のペースを落としたり、聞き込みには一人で行ったり、なるべくニィファへの負担を減らそうとした


そんなある日、そういう女性を知っているという雑貨屋の店主に出会った

住んでいる詳しい場所はわからないらしいが、近くの山に住んでいてたまに街に訪れることがあるそうだ

それだけで魔女だと認定することはできないが、それでも会いに行ってみる価値はありそうだ


そして、二人はその山へと向かった


山道はそれほど広くは無かったが、車椅子を押して登ることも可能そうだった

しかし、その山の中腹あたりまで来た時に異変を感じた

雲が厚くなってきた


「これは天気が荒れるかもしれない」


エーリックがそう言い、引き返すことを提案した時、急激な雷雨が襲った

二人は壁のようになっている崖の凹みに身を潜め、布を張って雨をしのぐことにした

しかし、すぐに足元が川のようになっていく


少なくとも大雨による命の心配は無さそうだが、ニィファの身体が冷えるのは避けたい

そう思いエーリックがいろいろ思案していた時、麓から山道を駆け上がってきた人物が現れ、二人を見ると立ち止まった


「あなた達、こんなところで何してるの?」


見ると女性だった

びしょ濡れになった長い黒髪をしていて肌は白い

首筋に大きな火傷の跡のようなものが見える


「ええと、これは・・・・」


どう説明したものか


「話はあとにしましょう。近くに私の家があるから付いてきなさい」


そう言うと、その女性は二人を案内した

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