Episode:04
「まぁほら、あいつも別に、ワザとじゃないし。心配してんだ」
「そうなんだ……」
なのについ、あいつをフォロー。しなきゃ俺がその分持ち上がるのに、出来ないあたりが小心者だ。
で、また会話が止まる。
俺どうしてこうなんだろう。ってか、ともかくなんか、話すこと探さないと。
そんなこと考えながら下を向いたとき、鎖がしゃらしゃら音を立てた。
「それ……?」
「あぁ、これ? 小さい時から持ってんだ」
首にかけた鎖と、その先に下がってる指輪。かなり大き目で、俺じゃ親指にはめてちょうどいいくらいだ。
四角い台座みたいになった部分に、何か記号みたいな彫り物。輪の部分もやっぱり、何か模様が彫られてた。
「珍しい、デザインだね」
「俺も、他に見たことない」
ルーフェイアが興味あるみたいだから、外して渡してやる。
「けっこう……古い?」
「かなぁ」
鎖に下がってる指輪、角が磨り減ってちょっと丸くなってたりして、とても新品には見えない。でも俺がチビの頃からこんな感じだったから、けっこう年数経ってんだろう。
「どっかこういうの扱ってるとこなら、なんか分かっかな?」
「そうかも……あ」
何かを思い出した見たいに、ルーフェイアが顔を上げた。
「どした?」
「そういう店、行くんだった……」
なんか予定があったみたいだ。
「急がなくて、いいのか?」
「えっと、じゃなくて……店、ケンディクのどこか分からなくて……」
ルーフェイアはシエラ来てまだ日が浅いし、あんま出かけるほうでもないから、場所の見当がつかないんだろう。
「住所とか、分かるか?」
「えっと、うん、待って……」
この子が持ってたバッグを漁る。
「あれ……あ、あった」
出されたメモには、住所が書いてあった。
「これ、分からなくて……」
俺も覗き込んでみたけど、聞いたことのない住所だ。
「調べないとダメだな。食べたら探してやろうか?」
「いいの?」
ルーフェイアが、澄んだ碧い瞳を見開く。