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せんせい語録  第14話「レッツ卓球!」

作者: なぎさん

超短編、恋愛シリーズです。

教師に微妙な不信感を持つオレっ子女子高生と、彼女を少しずつ変えて行く、奇妙なことわざと格言を連発するイケメン新任教師の、恋のお話です。

第14話 「レッツ卓球!」



 卓球で勝負!!


卓球台を挟み火花散らすオレと五呂久。

呆れた表情で椅子にもたれかかるママ。


「ふふふ、オレを甘く見るなよ~!中1だけ卓球部だったんだぞ!」

「!!何だとマコ!意外だ!あり得ない!似合わない!考えて行動しろ!」

「き、教師が教え子を容赦なくバカにしやがって!」

「ふ、かく言うこの俺も経験者よ!」

「なんだとお!?」

「小学校では帰りの児童館で卓球してたぜ…!」


何…!? 小学校でも強いヤツは強い! 


サーブはゴロクから!

生意気に上に高く球を投げあげ!


「行くぞ!ライオンは獅子を谷底に突き落とすというぜ!」

「それ、ただの殺し!」


「おらぁ!」

ゆるいぽこぽこサーブが来た。


「ほとんどやったことねえだろ!」

「小1の頃やったんだよ!」

「くらええ!!」


ぽこん。


「マコ!オマエも、ほとんど部活出てなかっただろ!?」

「うるせぇぇー!オレに運動が似合うかぁ!?」

「似合わん!」


ぽこん!


「ゴロクに言われると腹立つー!!」


ぽこん!


「俺の方が手足が長い分、有利のようだな!」


ぽこん!


「その程度スピードでカバーしてやるわぁ!」


低レベルな打ち合いが続く。これはラリーではない。ポコポコ合戦。

「やるじゃないか!マコ!」

「ご、ゴロクもね!」

しかも緩いから妙に一点が遠い!


オレはいつの間にか笑い出していた。あはは。2人とも全然ダメじゃん!

五呂久も笑いながらやってた。笑ってたから互いに空振りばっかになって、点数はほぼ互角。


「五十歩百歩だな!」


キタ?


「五十歩百歩って、どっちが良いんだろうな!?」


知るかー! 


「50m走る方が100走るより楽だよな!?」


知らんてー!



隙をついて、おりゃああ! よし! 角に当たってINだぜ!



これで、アドバンテージはオレ! この一球で決めるぜ!

何といっても体力がもう持たない!


「どりゃあああああ!」


叩きつけるように必死に撃った、山なりサーブ! んでバランスを崩して、オレはそのままコケた。


ててててて…お尻うった。てへ。

目の前に五呂久の手。


「大丈夫か?」


ボール無視してすぐオレに駆けつけてくれた?


ちょっとはレディーの扱いわかった?五呂久?


オレはちょっと照れつつ五呂久の手を取り立ち上がると、速攻、椅子に座って暇そうにスマホをいじってるママに聞いた。


「今の入ってた!?」


ママは何も言わずオレの方に手を挙げた。


「ひゃっほう! 勝ちぃ!」

「あ…あくどい!…まさかワザとコケたのか!?」


実際は違うけど。

「くっくっく…オレの可憐さに引っかかったな!ごろくん!くっくっく!」

「おのれツンデレ妖怪…!」

「何とでも言え…くっくっく、約束は守ってもらおうか…!」

「くっ!仕方ない……アイス自販機行くぞ…好きなの買え!」


いえ~い!!


――――――――――


21:00

ママの赤くてカワイイ車の中。


「遅くなっちゃったから、軽うく、サラダでもコンビニで買ってこうか。」

「えー、ばーがーが良いオレ。太らないし。」

「…仕方ないわねぇ。」


簡単に言うと、土曜の夕刻。オレと五呂久たちはボーリング場でばったり出会い、隣のレーンで勝負を繰り広げた。達ってのは、五呂久の友達で、正確にはバンド仲間。ギターとか持ってる人たちだった。五呂久、バンドやってんだぁ。音楽教師だからそこまで驚かなかったけどね。


…で、僅差で負けたオレは五呂久にリベンジ卓球勝負を挑んだのだ。 勝ったw



さて、大好きなモッシュバーガーのドライブスルーで買い物を済ませる。

レタスサンドバーガーにシェーク。


助手席で、んぐんぐしている、満足なオレ。


んな帰り道で。

ママは、信号待ちの間に、オレに聞いてきた。


「ねえ、真琴は今、好きな人いるの?」

「え? いないよ?」


サクッと答えたオレにママは少々拍子抜けしたらしい。

「そ。できたら教えてね。イジらないから。」

「本当かなぁ…。」


「…自覚なし、か…」ママは何かポツリ呟く。

「ん?何?」

「いや、今日の真琴はとっても楽しそうで良かったわ。ママ、あなたの笑ってる顔、とっても可愛くて好きよ。」


何を照れくさいことを。


「そりゃ、実の母親に、あんたの笑顔キモイって言われたら終わるでしょーよ?」

「…せっかく、たまには真面目に褒めたのに。」



「そんなんだから、職員室でツンデレ姫って呼ばれるのよ!」



…何で知ってるんだぁぁー!!


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