番外編 金谷千歳の思案
和泉がドデカミンなら飲めたってことで、ワシは近所のコンビニやスーパーを回ってドデカミンを買い集めて、病院に大量に差し入れた。よかった、少しでもカロリー取れるようになって本当によかった。
嬉しかったけど、和泉の気持ちについてはずっと悩んでる。真面目に考えるつもりだけど、本当にどうすればいいんだろう?
雁ヶ音さんに相談してみたら、雁ヶ音さんは驚いたみたいだった。
「はー、ちっちさんは知らなかったけど、スプにゃんさんはずっとちっちさんのこと好きだったんですか……」
『なんかそうだったみたいです、いつからか知らないけど』
「仲がいいなら恋人っていうのも安直ではありますが、ちっちさんとスプにゃんさんはいいコンビだと思いましたよ」
『そうですか?』
「真剣な気持ちだと思いますから、OKするにしろダメって言うにせよ真面目に考えないと」
『真面目に考えてるけど全然わかんないです』
「すぐ結論を出すことはないんですよ」
『ゆっくり考えます……』
星野さんにもまた相談した。
「和泉さんの気持ちは真面目なものだと思うけど、無理に答えることないのよ」
『答える……いや、なんていうか、あいつにドキドキもムラムラもしたことなくて、本当にどうすればいいかわからないんだ』
「別に恋人にならなきゃいけないなんてことないけど、千歳ちゃんは和泉さんのことが大事なのよね?」
『すっごく』
それだけは真実だ。ワシは、あいつのことが何より大事だ。
「なら、恋人にはならなくてもいいのよ。一番よくないのは、恋人にはなれないからって和泉さんから離れることだと思うわよ」
『和泉と離れるのは絶対やだ!』
「じゃあ、これまでと同じようにしてあげなさいよ」
『それはそうする』
緑さんにはこう言われた。
「今だから言うけど、和泉さん、千歳ちゃんが錦くんと付き合うかもってとき死にそうな顔してたのよ」
『そうだったのか!?』
「千歳ちゃんが恋愛しないって宣言したとき、ホッとしたけど悲しかったと思うわ。誰にも取られないけど、自分のものにもなってくれないから」
『そっか……』
「でも、千歳ちゃんがその気になれないなら振っちゃっていいのよ、逆にそのほうが気持ちの整理つくかも」
『振っても一緒にいてもいいよな?』
「そりゃもちろん、というか和泉さん千歳ちゃんがいなかったらもうダメだと思うわ」
ワシも和泉とは離れたくない。でも、どうすれば和泉の気持ちに真摯に応えられるのか、まだ全然分からない。




