今は香りが耐えられない
吐き気と味覚障害で本格的に食べられなくなってる。味を感じないし、なぜかお米が薬臭くて特にまずい。しかも下痢になってるし……消化管の粘膜にも副作用出るっていうから、そのせいかな……。
午後お見舞いに来てくれた千歳に、あんまり食欲がないと言うと、千歳は心配そうに言った。
『食べれそうなもの持ってこようか?』
「うーん、それより、無香料の消臭剤買ってきてくれないかな、なんか香料の臭いを嗅ぐのがきつくて……」
昨日の整髪料の香りで気持ち悪くなったことは、まだ覚えてる。
『わかった! 任せろ』
千歳はドンと自身の胸を叩いた。
『面会終わりに買ってきて看護師さんに預けとく! それなら今日すぐ使えるだろ』
「うん、その、できればシャンプーとボディーソープも無香料のが欲しい」
『わかった! 買って看護師さんに預ける!』
面会時間が終わって千歳は帰っていき、1時間もしたら看護師さんが「差し入れですよ」と消臭剤とシャンプーとボディーソープを持ってきてくれた。千歳、本当にすぐ買ってきてくれたんだな、ありがたい。
とりあえず、枕元に消臭剤を置く。ベッド周りにどれくらいものを置いていいか気になったが、太田さんも長田さんもベッドの周りにいろいろ置いてるし、太田さんなんて娘さんらしき写真まで置いてるし、消臭剤くらい、いいよな。




