オレンジジュースも楽しめない
やっぱり朝から吐き気が強い。朝食を頑張って口にしたけど、なんだか味が変。味覚障害、本格的になってきたな……。
結局朝食は残してしまい、吐き気止めがきいてるはずの昼食も半分しか食べられなかった。
午後、千歳が狭山さんを連れてお見舞いに来てくれた。
「和泉さん、どうですか? 大丈夫ですか?」
心配そうな狭山さんに、俺は何とか答えた。
「まあ吐き気とか、味が変とかはありますが、何とかやってます」
「そうですか……」
『えっ、もうそんなに副作用あるのか!?』
びっくりする千歳。
「まあちょっとずつね……朝吐き気が強いんだけど、点滴に吐き気止め入れたら多少落ち着くから」
『そっかあ……』
しゅんとする千歳。俺は空気を明るくしたくて、狭山さんにいたずらっぽく言った。
「小説のネタにします? 詳しくレポできますよ」
狭山さんは苦笑した。
「僕の手には余りますよ」
「そうですかあ」
千歳が首を傾げた。
『狭山先生、ネタにできないものってあるのか?』
「そうですね、僕の手に余るものと、あと身近すぎるのとかですね……僕、妹とは普通に仲いいですけど、だからこそ妹キャラとの恋愛系書けないし、あかりさんが身近だから女子高生除霊師ネタも書けません」
「女子高生除霊師、確かに」
俺は思わず吹き出してしまい、千歳も少し笑った。
『小説にぴったりなのに、女子高生除霊師』
「いやー、無理ですねえ」
狭山さんは苦笑しっぱなしだ。
狭山さんはトロピカーナのオレンジジュースを何本かお見舞いに持ってきてくれてて、俺は2人が帰った後にそれを飲んだんだけど、副作用でやっぱり味が変だった。




