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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
23シーズン

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番外編 金谷千歳と本当につらい人

 和泉は会社の人と仕事の引き継ぎ中。ワシは心配してLINEくれた緑さんに、べそべそしながら返事していた。


『それで、和泉手術だけで終わらなくて、抗がん剤もしなくちゃいけなくて、精子保存しとかないと子供作れなくなって、それでワシは悲しくていっぱい泣いちゃって』

「ちょっと待って、それで和泉さんに慰められたりしてる?」

『うん、すごく慰めてくれる、大丈夫だよって』

「今日ちょっと半休とるわ、千歳ちゃん、午後会える?」

『え、うん、午後の早い時間なら』


 それで、緑さんはうちに車で来て、「和泉さん! ちょっと千歳ちゃんを借ります!」と風のようにワシを連れて行った。それで、いつもの個室のある喫茶店に行ったんだけど、緑さんはなんか怒ってる顔だった。


「千歳ちゃん。和泉さんが大変でショックなのは分かるけど、和泉さんにだけは慰められちゃダメよ」

『ええ!?』

「病気になって、一番ショックで苦しいのは和泉さんなのよ。その和泉さんに千歳ちゃんが慰められてどうするの。千歳ちゃんこそドンと構えてなきゃだめよ。何があってもちゃんと支えるって言ってあげられるのは、千歳ちゃんだけなんだからね」

『そ、そうなのか?』

「人を慰めるより人に慰められたいだろう、がん経験者としてはそう思います」


 そう言えばそうだった! 緑さん、子宮のがんをやった人だった!

 ワシは小さくなった。


『ごめんなさい……』

「いいの、私の前ではいくら泣いてもいいけどね? 和泉さんの前では泣いちゃダメよ? 千歳ちゃんが支える側でいるのよ?」

『うん……』


 緑さんの車で送られて帰って。ワシは、和泉にどう切り出せばいいかわからなかったけど、和泉は夕飯の前には仕事終わったから、ワシは夕飯の時に頑張って言った。


『あの、いっぱい慰めさせてごめんな。ワシ、もうお前の前で泣かないから』

「え、どうしたの?」

『緑さんに怒られたんだ。がんになって一番つらいのはお前なのに、ワシがお前に慰められるようなことはやめろって。ワシこそお前の支えにならなきゃいけないって』

「そうだったの!?」

『だからさ、ワシ頑張るからさ、お前は何も心配しなくていいからな』


 和泉は目を丸くしていたけど、やがて表情を和らげた。


「ありがとう、じゃあ、これからよろしくね」

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