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子々孫々まで祟りたい 〜転んで祠を壊しちゃったら怨霊が子々孫々まで祟りに来たけど「俺で末代」と言ったら怨霊が困り始めて子孫を残させようと奮闘しだした件について〜  作者: zingibercolor・種・がくじゅつてきあかげ
23シーズン

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そんなの直面したくない

 退院日だが、退院前にまた改めてCTを撮るとのこと。主治医の白髪交じりのお医者さんが言った。


「この検査で、転移がないか確認します」


 俺は緊張した。


「これで異常なければ大丈夫ですよね?」

「いったんは。CTで映らない微少なものがあるかもしれないので、数カ月後にまたCTを撮りますが」

「そうですか……」


 ドキドキしながらCTを撮る。結果が分かったら主治医の先生が呼んでくれるとのことで、俺はソワソワしながら待った。

 転移がなければ無罪放免。転移がなければ抗がん剤なし。転移がなければ千歳が泣くような副作用に直面しない……。

 だけど、現実は残酷だった。先生は言った。


「肺にですね、小さいけど転移があります。いったん退院ですが、またすぐ入院です。ご同居の方も交えて、詳しく説明しましょう」

「そんな……」


 俺は血の気が引く思いだった。


「大丈夫ですからね、何か月かかかりますけど、化学療法で治しますからね」

「で、でも、副作用とか……」

「そのあたりは、同居人の方を含めて詳しく説明しましょう。お子さんがいない方はね、特に説明しないといけないことがありますから」

「は、はい……」


 俺は呆然としたまま荷物をまとめ、千歳が来るのを待った。転移していたことをLINEですぐ千歳に伝えるのは、物理的には可能だったが、心理的にとてもできなかった。

 千歳はすぐに来てしまった。


『退院だな! 荷物持つよ、すぐ帰ろう、早く帰ろう!』


 千歳が明らかにうきうきしていたので、俺はものすごくつらくなった。


「……ごめん千歳、転移があった」

『え!?』

「小さいけど、肺に。抗がん剤治療がいる」

『そ、そんな……』


 千歳が愕然とする。俺は内心泣きたかった。


「先生がさ、千歳も交えて話すって言ってたからさ、まず話聞きに行こう」


 そう言ったものの、俺は気が重いどころの話ではなかった。精巣がんの抗がん剤治療で確実にある副作用、それは……。

 なんとか千歳に言わないで済ませられないかと思ったが、先生はその副作用について、さらっと言った。


「この化学療法では、造精機能障害が起きましてね、いわゆる無精子症になります」

『むせいししょう?』


 まだピンときてない千歳に、先生はさらに言った。


「子どもが作れなくなる、と言うことです」

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