番外編 金谷千歳とオフ会成功
和泉とは、横浜駅のホームで合流した。『いーずみっ!』と声をかけると、和泉はワシに気がついて、聞いてきた。
「楽しかった?」
ワシは元気に答えた。
『楽しかった!』
「よかったよかった」
2人で電車に乗る。ワシは和泉にオフ会の様子を話しまくった。
『それでさ、みんなでピザたくさん食べてさ、牡蠣のオイル煮も大好評だったんだ』
「そりゃそうだ、あれおいしかったもん」
牡蠣のオイル煮作った時、ワシと和泉とで一個ずつ味見したんだよな。おいしいと言ってもらったし、おいしかったけど、知らない人に出すのはやっぱりドキドキしたから。
『みんな優しくしてくれて嬉しかった!』
「よかった、初のオフ会が楽しくて」
『でも、雁ヶ音さんが素質持ちでびっくりした』
「すぐ分かってくれてよかったよね。千歳のことすぐ分かってくれたってことは、どっかでつながりがあるのかもね」
そうなのかも。本名聞いたら、どっかの素質ある家の名字なのかも。
『うーん……でも、雁ヶ音さんは雁ヶ音さんだし、ネットで知り合った仲だし、そういうのは追求しないのが粋じゃないか?』
和泉は微笑んだ。
「その通りだね。千歳、もうネットのこと十分よく分かってるじゃない」
『へっへっへ』
ワシは、うれしくて照れ笑いしてしまった。和泉は言った。
「まあ、雁ヶ音さんの本名知ることもあるかもしれないけど、こっちから聞くのはよしな。相手が教えてくれる時に初めて知る、くらいでいいと思うよ」
『そうだなあ』
相手が本名教えてもいい、くらい心を許してくれるってことだもんな。心を許してくれたらうれしいけど、無理にこじ開けるもんじゃないもんな。




