霊感あるとは思わない
休みの日、オフ会当日。千歳は先に雁ヶ音さんと会うわけだが、当の千歳は直前になって不安になったらしく、俺は待ち合わせの喫茶店前まで引きずっていかれた。
千歳は何度も何度も俺に見た目を確認してくる。
『なあ服これで変じゃないか?』
「バッチリ似合ってる、大丈夫だよ」
茶色のもこもこニットをアウターに、デコルテを出した白いスリムなトップスと黒いスカート。ちゃんと大人っぽいし、女性らしさもあると思う。
『化粧も変じゃないか?』
「変じゃないよ、似合ってる」
オレンジベースのアイメイクにつやぷるのピンクリップ、元々の顔の良さも相まって本当に芸能事務所にスカウトされそう。
「大丈夫だから、そろそろ中に入りな。雁ヶ音さん待たせちゃうよ」
『うん……』
千歳は自信なさげに頷いた。
「雁ヶ音さんの特徴教えてもらってるんだろ?」
『白いコートにチョウチョのブローチつけてるって』
「なら会えばわかるね。大丈夫、いつも通りにすればいいから」
千歳が観念して喫茶店の扉に向かったところ、近くにぽちゃっとした女性が立ちすくんでいた。白いコート、蝶のブローチ。
女性は真っ青な顔で言った。
「ち、ちっちさん、怨霊なんです……?」
雁ヶ音さん!?




