初のオフ会参加したい
『なーこれどっちが似合うと思う?どっちが大人っぽくて女っぽい?』
俺はなぜ、千歳にファッション誌を見せられられながらそんなことを聞かれているのか。
「どっちも大人っぽくて似合うと思うけど……いきなりどうしたの?」
千歳は自慢げに言った。
『雁ヶ音さんがオフ会に誘ってくれたんだ』
「オフ会!?」
『でさ、オフ会の前に時間あるから二人でお茶しようって』
「サシオフ!?」
『サシオフ? なんだそれ?』
不思議そうにする千歳に「一対一のオフ会ってこと」と話し、俺は改めて自分が動揺しているのに気づいた。
「えっいきなりだな……つまり、オフ会に着ていく服選びたいってこと?」
『うん。みんなワシのこと大人の女と思ってるし、大人っぽくて女っぽい服着ていきたい』
「二十歳バージョンなら十分大人で女の子に見えると思うけども……」
『あと雁ヶ音さんにいいとこ見せたい』
「雁ヶ音さんにちゃんとしたところ見せたい?」
『うん。お前に教えてもらった化粧もする』
「そう……とりあえず、どういうオフ会か教えてくれない?」
まだ事態を飲み込みきれてない俺に、千歳は話してくれた。
misskeyでピザオフ会が開かれるということ。主催者が生地を、参加者が具材を持ち寄ってピザ焼きパーティーをすること。オフ会の性格上、misskeyの料理界隈の人が多く参加すること。で、オフ会は横浜駅近くでお昼からやるので、千歳も雁ヶ音さんも近くに住んでるから、早く横浜に行って2人でお茶しようとなってること。
「なるほど……平和だな。まあヤリモクはなさそうだ……」
『ヤリモク?』
首を傾げる千歳。
「出会い目的というか、はっきり言うとセックス目的のこと」
『そんなオフ会があるのか!?』
千歳はびっくりした。
「世の中には悪い人がたくさんいるんだよ」
しかし、平和だとしても初オフ会。心配になってきたな……。しかし千歳もそれなりに大人だ、尾行するようなことはしたくない……。
『このオフ会は大丈夫だよな?』
不安げに聞く千歳に、俺は安心させるように言った。
「昼から夕方にかけてだし、オフ会でやることものんびりしてるし、そんなに心配ないと思う」
『そっかあ』
ホッとした顔を見せる千歳。しかし俺はホッとできない……あ、ていうか。
「俺と千歳、そんなに離れちゃいけないんじゃん。閻魔大王様の頼み事があるから、万が一のために」
『あ、そっか!』
「近くで待機してるよ、とりあえず横浜駅周辺にいればいい?」
『うん!』
「なんかあったらすぐ連絡して、オフ会で何かあったときも連絡していいからね」
『わかった!』
千歳は楽しげだし、俺も少しホッとしたし。オフ会がうまくいってくれることを祈るばかりだ。




