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閑話 物価高騰
まだ仕事納めには少し足りず、俺はパソコンに向かっている。
千歳が、買い物から帰ってくるなり叫んだ。
『ただいま! 餅が高い!!』
「おかえり、そうなの? お米高いせいかな?」
『あー、そうか、もち米も米だもんな……』
千歳は手洗いうがいのために洗面所に引っ込み、そして戻ってきた。
『でも餅買っちゃった! ワシは雑煮とお汁粉に餅3つ入れて食いたい!』
そりゃ俺だって、千歳には好きなだけ食べてほしい。
「いっぱい食べな」
『うん、でも三つ葉とかまぼこと数の子は安いうちに買ったからな、ワシの勝ちだ』
「勝負なんだ」
『物価とはいつも戦ってる』
「なるほど」
千歳が買ったものを台所に持ち込んで、冷蔵庫その他にしまい出したので、俺はなんとなく仕事の手を止めて台所まで行った。
「今日の夕飯なーに?」
『カブのあんかけとー、回鍋肉もどきとー、あとかきたま汁!』
「楽しみにしてるね」
『楽しみにしとけ』
千歳は笑った。いろいろあるけど、年末年始は何事もなく過ごせたらいいな。




